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ホーチミン市南部ビンチャン(Bình Chánh)区に位置する大規模複合都市開発「Mizuki Park(ミズキパーク)」が、4,000世帯超の入居を達成し、「ベトナムで最も住みたい都市開発トップ10」にも選出されるなど存在感を高めている。開発を手がけるのは、ベトナム不動産大手のナムロン・インベストメント(Nam Long Investment Corporation、HOSE: NLG)である。同社が最終分譲区画として打ち出す「Trellia Cove(トレリア・コーブ)」の販売戦略とともに、ホーチミン市の不動産市場トレンドを読み解く。
ホーチミン市中心部の過密化と「南部シフト」の加速
ホーチミン市は急速な都市化により、中心部の地価高騰、交通渋滞、緑地不足が深刻化している。こうした背景から、住宅購入者の関心は「単なる住居」から「総合的な都市型ライフスタイル」へと移行しつつある。不動産コンサルティング大手CBREの調査によると、アジア太平洋地域の住宅購入者が最も重視する基準は「安全・健康面での不動産品質」「価格の妥当性」「交通インフラ」の3点であり、Mizuki Parkはこの3条件を満たすプロジェクトとして注目を集めている。
ホーチミン市中心部では開発可能な土地がほぼ枯渇しており、緑地を豊富に確保した大規模マンション開発は極めて希少な存在である。Mizuki Parkはグエンヴァンリン(Nguyễn Văn Linh)通りの幹線道路近くに立地しながらも、周囲を自然の緑地帯と水路で囲まれており、天然のフィルターとして大気汚染や騒音を軽減する構造となっている。
立地と交通アクセス——TOD開発の恩恵も
Mizuki Parkからフーミーフン(Phú Mỹ Hưng、ホーチミン市7区の高級住宅エリア)まで約10分、チョロン(Chợ Lớn、華人街として知られる商業エリア)まで約15分、市の中心であるベンタイン(Bến Thành)市場エリアまで約20分というアクセスの良さを持つ。さらに、グエンヴァンリン通りとグエンフートー(Nguyễn Hữu Thọ)通りの交差点整備、および地下鉄4号線(Metro Line 4)の完成後は、TOD(Transit-Oriented Development=公共交通指向型開発)モデルの中核拠点となることが見込まれ、移動時間はさらに短縮される見通しである。
最終分譲区画「Trellia Cove」の概要と価格
Mizuki Park最後のコンパウンド型分譲区画であるTrellia Coveは、限定戸数での販売となる。天然の運河に囲まれた「二面臨水」の希少な立地を特徴とし、高いプライバシーとセキュリティを確保している。共用施設としてはライブラリー、コワーキングスペース、ジム、ヨガスタジオ、公園、広場などが整備されており、年間を通じて文化イベントや祭りも開催されている。
教育環境も充実しており、英国・米国・カナダ系のインターナショナルスクールが隣接するほか、RMIT大学、トンドゥックタン大学、ホーチミン市経済大学(UEH)といった有力大学にも10〜15分でアクセスできる。
価格は2ベッドルームタイプで50億ドン(5 tỷ đồng)からと設定されている。購入者には最大9%の直接割引に加え、早期決定者向けに最大6.5%の追加優遇が用意されている。ホーチミン市南部の中心的立地であることを考慮すると、同社としては競争力のある価格帯を意識した戦略と見られる。
投資家・ビジネス視点の考察
ナムロン・インベストメント(NLG)は、ホーチミン市周辺で中価格帯の大規模都市開発を複数手がけるデベロッパーであり、日本の大和ハウス工業やハンキュウ阪急不動産との合弁実績も持つ。Mizuki Parkの最終区画販売は、同社の在庫消化と売上計上の面でポジティブな材料である。
ホーチミン市南部エリアは、地下鉄4号線の整備やグエンヴァンリン通り周辺のインフラ投資が進んでおり、中長期的な地価上昇が期待される地域である。4,000世帯超が既に入居済みという実績は、新規購入者にとってのリスク低減要因であり、二次流通市場(中古売買・賃貸)の流動性確保にも寄与する。
2026年9月に判断が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げが実現すれば、ベトナム株式市場全体への海外資金流入が加速し、不動産セクターにも恩恵が波及する可能性がある。NLGのような実需型デベロッパーは、投機的な高級物件とは異なり、実体経済に根ざした成長が期待できる銘柄として、日本人投資家にとっても注目に値する存在である。
日本企業にとっては、ホーチミン市南部の都市開発エリアは、製造拠点の駐在員向け住宅需要や、教育・サービス産業の進出先としても関心が高まっている地域である。Mizuki Parkのようなインターナショナルスクール隣接型の複合開発は、日本人駐在員ファミリーの居住候補地としても選択肢に入り得るだろう。
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ハノイ在住13年日本語で毎日配信。
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