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2026年6月2日、在ホーチミン市イタリア総領事館がイタリア建国80周年記念式典を開催した。式典ではホーチミン市とイタリアの経済・文化協力の深化が改めて確認され、行政統合により拡大した同市の発展空間を活かした新たな協力の可能性が示された。ベトナム南部の経済首都とイタリアの関係強化は、日本企業にとっても注視すべき動きである。
越伊関係の現在地——戦略的パートナーシップから10年超
ベトナムとイタリアは1973年に外交関係を樹立し、2013年には関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げした。式典で挨拶に立ったホーチミン市人民委員会副委員長のチャン・ヴァン・バイ氏は、半世紀超にわたる両国関係が「極めて良好な発展段階にあり、ますます豊かで実質的かつ効果的になっている」と評価した。
ホーチミン市はベトナム最大の経済都市であり、国際交流の玄関口として、越伊間の協力活動を結びつける重要な役割を長年担ってきた。
貿易額8億ドル超、FDI92件——具体的な数字で見る関係
チャン・ヴァン・バイ副委員長によると、2025年のホーチミン市とイタリア間の貿易額は8億ドル超に達した。また、イタリアはホーチミン市において現在92件の外国直接投資(FDI)プロジェクトを展開しており、総投資額は2億7,900万ドルに上る。
一方、イタリア総領事のアレッサンドラ・トニョナート氏は、現在約870人のイタリア国民がホーチミン市で生活・就労しており、これはベトナム在住イタリア人全体の約3分の2に相当すると明かした。さらに100社以上のイタリア企業が同市で事業を展開しているという。
行政統合で広がる発展空間——ビンズオン省・バリアブンタウ省との合併
注目すべきは、ホーチミン市がビンズオン省およびバリアブンタウ省との行政統合を実施した点である。これにより同市の発展空間と国際協力の範囲が大幅に拡大した。ビンズオン省は製造業の集積地として、バリアブンタウ省は石油・ガス産業と深水港を擁する物流拠点として知られており、統合後のホーチミン市はベトナム南部経済圏をほぼ一体的にカバーする巨大都市圏へと変貌を遂げた。この拡大はイタリアを含む各国パートナーとの協力機会をさらに押し広げるものである。
有望分野——グリーン産業、再エネ、物流、気候変動対策
チャン・ヴァン・バイ副委員長は、ホーチミン市とイタリアの協力余地は依然として非常に大きいと強調した。特に同市が発展ニーズを持ち、イタリアが強みを有する分野として、金融、グリーン産業、再生可能エネルギー、物流、イノベーション、気候変動対策を挙げた。
また、地方間協力も進展しており、ホーチミン市はすでにトリノ市、エミリア=ロマーニャ州、ヴェネト州と協力関係を構築済みである。さらに現在はミラノ市との間で排水管理・都市浸水対策分野での協力を積極的に推進しているという。ミラノは都市インフラ管理の先進都市として知られており、慢性的な浸水問題を抱えるホーチミン市にとって実践的な知見の獲得が期待される。
ASEAN・イタリア対話フォーラムの開催地に
もう一つの重要なマイルストーンとして、ホーチミン市が2025年11月に「第9回ASEAN・イタリア経済関係ハイレベル対話フォーラム」を開催したことが挙げられる。ベトナムの地方自治体として同フォーラムを主催したのはホーチミン市が初めてであり、グリーン経済、デジタル経済、科学技術、イノベーションといった戦略分野におけるイタリアとASEAN間の協力機会について、研究者・企業・政策立案者が議論を交わす場となった。
ハイレベル外交も追い風
トニョナート総領事によると、ベトナム国会のチャン・タイン・マン議長が最近イタリアを訪問し、セルジョ・マッタレッラ大統領と会談した際、科学技術、イノベーション、教育・人材育成分野での協力強化への意欲を表明した。また、イタリアのアントニオ・タヤーニ外相もベトナムをイタリア輸出品にとって有望な市場と位置づけ、戦略的パートナーとしての関係を認めている。
文化・人的交流面でも、イタリア語教育の拡大、学生・教員・専門家の相互交流、さらに文化・芸術・料理・ファッション・スポーツ・観光分野での交流促進が期待されている。
投資家・ビジネス視点の考察
今回のニュースから読み取れるポイントは以下の通りである。
1. 行政統合によるホーチミン市の「超巨大都市圏」化:ビンズオン省・バリアブンタウ省との統合は、不動産・インフラ・物流関連のベトナム上場銘柄にとって中長期的な追い風となる。特に南部の工業団地運営企業、港湾関連企業への恩恵が想定される。
2. 欧州との経済連携の深化:EU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)の枠組みの中で、イタリアとの関係強化はベトナムの対欧州輸出拡大に寄与する。グリーン産業・再エネ分野での協力は、ベトナムのESG対応力の向上にもつながり、2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げに向けた「制度・ガバナンスの質」の向上という文脈でもプラスに作用し得る。
3. 日本企業への示唆:イタリア企業がホーチミン市で100社以上活動しているという事実は、同市の投資環境の成熟を示すものである。日本企業にとっても、イタリア企業との協業や第三国連携の可能性を含め、ホーチミン市を拠点とした事業展開の魅力が一層高まっていると言えるだろう。
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出典: 元記事












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