MENU
24時間以内で読まれているベトナムニュース

ベトナム不動産詐欺に警戒—「手続き丸ごとお任せ」サービスの巧妙な手口とは

Cảnh giác dịch vụ “lo trọn gói” thủ tục đất đai
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
ハノイ在住13年の現地投資家による、より深い企業分析・投資戦略は👉 メンバーシップで公開中

ベトナムで不動産の名義変更や譲渡手続きを「丸ごと代行する」とうたう詐欺的サービスが横行し、当局が警戒を呼びかけている。顧客の信頼につけ込み、虚偽の情報で手付金を騙し取る手口や、融資手続きを悪用して土地使用権そのものを不正に移転させるケースまで報告されている。ベトナムの不動産市場に関心を持つ日本人投資家にとっても、決して他人事ではない問題である。

目次

「丸ごとお任せ」サービスの実態

ベトナムでは不動産取引に伴う行政手続きが煩雑であることが知られている。土地使用権証明書(いわゆる「レッドブック」)の名義変更、譲渡契約の公証、税務申告など、複数の行政機関を横断する手続きが必要となるため、仲介業者や「代行サービス」に依頼する個人が少なくない。

こうした需要に目をつけた詐欺グループは、「手続きを丸ごと代行する」「コネがあるので早く処理できる」といった甘い言葉で顧客を勧誘する。具体的には以下のような手口が確認されている。

主な詐欺の手口

① 手付金の詐取
名義変更や譲渡手続きの代行を請け負うと称し、「手続き費用」「行政への手数料」などの名目で手付金(デポジット)を受領した後、連絡を断つパターンである。被害者は手付金を失うだけでなく、手続きが一切進んでいないことに気づくまでに数週間から数カ月を要することもある。

② 融資手続きの悪用による土地使用権の不正移転
より悪質なケースでは、「銀行融資の手続きを代行する」と持ちかけ、顧客から土地使用権証明書(レッドブック)や身分証明書の原本を預かったうえで、融資ではなく土地使用権の譲渡手続きを進めてしまう手口が報告されている。顧客が気づいた時には、自らの土地が第三者の名義に変わっているという深刻な被害が発生している。

背景にあるベトナム不動産市場の構造的問題

こうした詐欺が横行する背景には、ベトナム特有の不動産制度の複雑さがある。ベトナムでは土地はすべて「全人民の所有」とされ、個人や法人が持つのは「土地使用権」に過ぎない。この使用権の移転手続きには、人民委員会(地方行政機関)、税務署、公証役場など複数の窓口を回る必要があり、地方によって運用が異なるケースも多い。

2024年に改正土地法が施行され、手続きの透明化やデジタル化が進められているものの、地方部では依然として旧来の慣行が残っており、「顔が利く仲介者」への依存体質が詐欺の温床となっている。

さらに、ベトナムでは不動産取引における「現金決済」や「非公式な合意」が依然として一定の割合を占めており、書面による契約管理が不十分なまま高額の手付金を渡してしまうケースが後を絶たない。

日本人投資家が注意すべきポイント

ベトナムの不動産に投資する日本人・日本企業にとっても、以下の点に留意する必要がある。

・外国人がベトナムで不動産を取得する場合、法律上の制約(コンドミニアムは可だが土地使用権の直接取得は原則不可)があり、手続きがさらに複雑化するため、非正規の「代行業者」に依存するリスクが高まる。
・信頼できる弁護士事務所や、日系の不動産コンサルティング会社を通じて手続きを行うことが鉄則である。
・レッドブックや身分証明書の原本を第三者に預けることは極力避け、やむを得ない場合は公証済みのコピーで対応するよう交渉すべきである。

投資家・ビジネス視点の考察

このニュースは個別の詐欺事件の報道ではあるが、ベトナム不動産市場の制度的成熟度を測る一つの指標として捉えることができる。ベトナムは2026年9月にFTSE新興市場指数への格上げが決定される見込みであり、市場の透明性やガバナンスの向上が国際的に注視されている。不動産セクターの制度整備が進むことは、不動産関連銘柄(ビンホームズ=VHM、ノヴァランド=NVL、カットラム=KDHなど)の信頼性向上にもつながる。

一方、こうした詐欺が頻発する状況は、ベトナムの不動産市場がまだ「制度の過渡期」にあることを示しており、日本企業がベトナムで工業団地や商業施設の開発に参入する際にも、土地使用権の取得プロセスにおけるデューデリジェンスの重要性を再認識させるものである。

改正土地法の運用が定着し、土地登記のデジタル化が全国レベルで実現すれば、こうした「丸ごと代行」詐欺は減少に向かうと見られるが、当面は自己防衛が不可欠である。


いかがでしたでしょうか。今回のニュースについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

この記事が参考になったら、ぜひXでシェアしていただけると嬉しいです。より多くの方にベトナム投資の魅力を伝えたいと思っています。

📊 ベトナム経済研究会メンバーシップ
ハノイ在住13年日本語で毎日配信。
✅ 個別銘柄の詳細分析 ✅ FTSE格上げ関連速報 ✅ 現地だからわかるリアルタイム情報
👉 月額980円でメンバーシップに参加する

出典: 元記事

noteメンバーシップのご案内

ベトテク太郎noteメンバーシップ
Cảnh giác dịch vụ “lo trọn gói” thủ tục đất đai

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次