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ベトナム化粧品市場が23億ドル規模に急成長──国内ブランドに広がる巨大な商機とは

Dư địa lớn cho thương hiệu mỹ phẩm Việt trong “miếng bánh” tỷ USD
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
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ASEAN全体の美容市場が2026年に340億ドルを突破する見通しのなか、ベトナムが域内で最も急成長する市場の一つとして浮上している。約23億ドル規模に達した同国の化粧品・スキンケア市場では、国内ブランドがシェア拡大に動き始めており、投資家にとっても注目すべきセクターである。

目次

ASEAN美容市場340億ドル超え──ベトナムの位置づけ

ASEAN Cosmetic Directiveによると、ASEAN域内の美容市場は2026年に業界全体の売上高が340億ドルを超える見込みである。成長の原動力は、拡大する中間層、都市化の加速、そしてサステナブルで気候適応型の高付加価値製品へのシフトだ。

国別ではタイが引き続きリーダーの座を維持しており、Custom Market InsightsおよびThe Nation Thailandのデータによれば、同国の美容・パーソナルケア市場は2034年に78.7億ドルに達し、年平均成長率(CAGR)は5.45%と予測されている。タイでは760社以上のメーカーがBio-Circular-Green(BCG)モデルに基づく認証を取得しており、制度面での先行優位が際立つ。

一方、ベトナムの美容市場は現在約23億ドル規模で、ASEAN域内で3番目の大きさである。特にプレミアム・スキンケア分野は2034年に14.9億ドルに達すると予測されており、成長速度では域内トップクラスに位置する。

消費者行動の劇的変化──「広告依存」から「成分重視」へ

2026年6月にバンコクで開催予定のCOSMOPROF CBE ASEAN 2026のロードショーにおいて、MD Care Vietnam(ベトナムの医薬化粧品企業)の創業者であるド・クオック・トゥアン氏は、2025〜2026年のベトナム市場が数年前と比べて大きく変化したと指摘した。

かつてベトナムの消費者は広告を頼りに商品を選んでいたが、現在は有効成分、製造技術、生産地、ブランドの信頼性、そしてコミュニティからの評判を重視するようになっている。PDRN、エクソソーム、レチノイド、スピキュール、マイクロバイオームといった最新の成分・技術トレンドを、ベトナム市場はグローバル市場とほぼ同時にキャッチアップしているという。

トゥアン氏によれば、消費トレンドはメイクアップや基本的なスキンケアから、治療・修復・アンチエイジング系の医薬化粧品へと明確にシフトしている。

人口構造が生む巨大な成長余地

ベトナムの化粧品市場に大きな追い風となっているのが、若い人口構成である。15〜45歳の年齢層が総人口の約50%を占めており、この層がスキンケア・肌治療製品の主要な消費者となっている。所得水準の向上と消費意識の改善に伴い、日常的にスキンケア製品を使用するベトナム人の割合は急速に拡大中だ。

中間所得層・高所得層の比率が年々上昇していることも、医薬化粧品市場の拡大を下支えしている。消費者は単なる美容にとどまらず、肌の健康や専門的なケアソリューションにまで関心を広げている。

国内ブランドの勝機と課題

ベトナム市場はASEAN第3位の規模を持ちながら、競争はまだ過度に激化しておらず、国内ブランドにとって参入余地が大きい。市場の特徴として以下が挙げられる。

  • 海外ブランド・新技術に対してオープンな市場環境
  • 消費者の医薬化粧品に関する知識水準が向上
  • 明確なポジショニングを持つニッチブランドの成長余地が大きい
  • EC(電子商取引)の急成長が顧客獲得を加速

国内ブランドには、R&D(研究開発)を自社で主導できること、トレンドへの素早い対応、ベトナム人の肌質に最適化した処方開発が可能であること、そして輸入品のような中間コストが不要なため価格競争力を持てることなど、複数の優位性がある。Cocoon(ベトナム発のナチュラルコスメブランド)は国内ブランド成功の代表例として、業界内で広く認知されている。

ただし、価格設定とブランドポジショニングのバランスが最大の課題である。価格が低すぎると品質への信頼を得にくく、逆に欧州・韓国からの輸入品に近い価格帯では競争優位を失う。ブランド構築には2〜3年を要し、製品品質、原料の透明性、実証データ、専門家やKOL・KOCとの連携を通じた市場の信頼獲得が不可欠だとトゥアン氏は述べている。

COSMOPROF CBE ASEAN 2026──域内連携の加速

2025年のCOSMOPROF CBE ASEAN Bangkok(バンコク)には66カ国・地域から23,000人以上が来場した。2026年は6月24〜26日にバンコクのクイーン・シリキット国際会議場で開催予定で、規模を50%拡大し、2,500以上の出展者・ブランドが参加、70カ国以上から約25,000人の来場を見込む。ベトナム企業・バイヤーの参加も大幅に増える見通しだ。

2026年には初めて「Cosmopack CBE ASEAN Bangkok 2026」が併設され、原材料、パッケージ、機械、OEM・ODM、ワンストップソリューションなど、美容産業のサプライチェーンに特化した展示ゾーンが設けられる。

投資家・ビジネス視点の考察

ベトナム化粧品市場の急成長は、複数の観点から投資・ビジネス機会を示唆している。

ベトナム株式市場への影響:ホーチミン証券取引所(HOSE)に上場する消費財・小売関連銘柄、特にEC関連やリテール企業にとって、化粧品セクターの成長は追い風となる。医薬化粧品を手がける国内企業が今後IPOや上場を目指す動きも期待される。

日本企業への示唆:日本の化粧品メーカーにとって、ベトナムは有望な輸出先であると同時に、現地ブランドとのOEM・ODM提携、原料供給、技術ライセンスといった形での参入機会も拡大している。資生堂やコーセーなどが既にASEAN展開を強化しているが、ベトナム市場特有の「成分重視」「SNSコミュニティ主導」の消費行動に適応できるかが鍵となる。

FTSEの新興市場指数格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場への格上げが実現すれば、ベトナム株式市場全体への資金流入が加速し、消費セクターを含む内需関連銘柄の再評価につながる可能性がある。化粧品市場の成長ストーリーは、格上げ後に海外機関投資家が注目するテーマの一つとなり得る。

マクロ的位置づけ:化粧品市場の拡大は、ベトナムの中間層拡大・消費高度化という構造的トレンドの一断面である。製造業中心の成長モデルから内需主導型経済への移行を象徴するセクターとして、中長期の投資テーマとして位置づけられる。


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出典: 元記事

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