ベトナム弁護士法改正へ——副首相が弁護士の権限拡大を指示、2026年10月国会審議へ

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ベトナムのレー・ティエン・チャウ副首相は2025年4月28日、弁護士法(改正)の政策に関する会議を主宰し、改正案において弁護士・弁護人・権利擁護者の権限を拡大し、法制度の「進歩」を明確に示すよう求めた。改正法案は2026年10月の国会第2回会期での可決を目指しており、ベトナムの法務環境を大きく変える可能性がある。

目次

会議の概要と改正法案の経緯

4月28日午後、政府庁舎で開催された会議において、司法省のグエン・タイン・トゥー次官が報告を行った。それによると、司法省(Bộ Tư pháp)は4月17日付で政府に対し、弁護士法(改正)の政策文書(第57号)を提出済みである。スケジュール上、改正法案は2026年10月の国会(Quốc hội)第2回会期に上程・可決される計画だ。

改正法案が掲げる4つの政策の柱

今回の改正案は、以下の主要な政策グループを包含している。

第一に、政治的信念・職業倫理・専門能力を兼ね備えた弁護士の育成である。ベトナムでは従来、弁護士の「政治的資質」が重視されてきたが、副首相はこの「政治的信念(bản lĩnh chính trị)」という概念を最大限に制度化・数値化・具体化し、大学教育から実務研修まで一貫した体系を構築するよう指示した。

第二に、弁護士の業務活動における規律・秩序の確保である。近年、ベトナムでは弁護士数が急増しており、2024年時点で全国の弁護士登録数は約2万人を超えるとされる。質の担保と不正行為の防止が喫緊の課題となっている。

第三に、透明性があり公正な競争が行われる法務サービス市場の発展である。弁護士事務所や法律実務組織の専門化・効率化を推進し、国際水準に近づけることが狙いだ。

第四に、弁護士に対する国家管理の刷新と、弁護士の職能団体(ベトナム弁護士連合会など)の自治能力の向上、さらにベトナム祖国戦線(Mặt trận Tổ quốc)の監督機能の強化である。

副首相の具体的指示——権限拡大と制度整備の加速

会議を総括したレー・ティエン・チャウ副首相は、党・国家の指導部が制度整備を重視している点を強調した。党中央委員会の結論第18号(Kết luận số 18-KL/TW)では、「制度の構築・整備とその施行への投資は、発展への投資と同等に位置づけるべきである」と明記されている。

副首相は改正法案について、以下の目標を明確化するよう求めた。

  • 十分な数の弁護士を確保し、専門的要件と国家的要請に応えられる体制を構築すること
  • 党の各決議・結論に定められた方針を、迅速・具体的・効果的に法制化すること
  • これまでの弁護士法の施行状況を総括・評価し、国家管理と自治のバランスを調和させること

特に注目すべきは、弁護士の権利・義務に関する規定について、「弁護士、弁護人、権利擁護者の権限を拡大し、進歩を示す内容に仕上げるべきだ」と明言した点である。これはベトナムの司法制度において、弁護側の立場を強化する方向性を示すものであり、刑事手続きにおける被告人の防御権の実質化にもつながる重要な転換点となり得る。

今後のスケジュール

副首相は司法省に対し、今回の会議および政府メンバーの意見を十分に反映した上で政策内容を速やかに完成させ、改正法案の一式書類を2025年6月10日までに政府に提出するよう指示した。また、法案策定と並行して、施行細則・ガイドラインの草案作成にも直ちに着手するよう求めている。さらに、策定過程では関係機関と連携しながら社会的合意の形成を図り、実効性の高い法案に仕上げることが求められている。

投資家・ビジネス視点の考察

一見すると弁護士法の改正は株式市場と直接的な関係が薄いように見えるが、以下の観点からベトナム進出企業や投資家にとって重要な意味を持つ。

法務環境の透明性向上とFTSE格上げ:2026年9月に判断が見込まれるFTSE新興市場指数へのベトナム格上げにおいて、制度的透明性・ガバナンスの改善は評価項目のひとつである。弁護士の権限拡大による法的保護の充実は、外国人投資家の権利保護の強化につながり、格上げ審査にプラスの材料となる可能性がある。

日系企業への影響:ベトナムに進出する日系企業にとって、現地弁護士の専門性向上やサービス市場の競争促進は、法務コストの適正化や紛争解決の質の向上を意味する。特にM&Aや労務紛争、知的財産関連でベトナム人弁護士の活用が広がれば、ビジネス環境は確実に改善される。

法務関連企業・人材市場:弁護士数の拡大と専門化は、法務テック企業やリーガルサービスのプラットフォーム事業にも追い風となる。ベトナムではデジタル化が急速に進んでおり、法務分野のDXも今後注目される領域である。

ベトナムは経済成長とともに法治国家としての制度整備を急ピッチで進めている。弁護士法の改正は、その象徴的な動きのひとつであり、中長期的なベトナム投資を考える上で、こうした制度面の進展にも目を配る必要がある。


いかがでしたでしょうか。今回のニュースについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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出典: 元記事

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