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ホルムズ海峡の原油輸送、3週間で通常の3分の1に激減—ベトナムへの影響は

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中東の緊張激化から3週間が経過したが、世界の原油・天然ガス輸送の生命線であるホルムズ海峡(イラン南部とアラビア半島の間に位置する海峡)を通過するタンカーの数は、通常時の3分の1程度にとどまっていることが明らかになった。しかも今週に入り、さらに減少傾向を見せているという。世界のエネルギー供給網における最重要チョークポイント(航路上の狭隘部)の機能不全が長期化しており、原油・天然ガス市場の需給逼迫は依然として解消していない。

目次

ホルムズ海峡とは何か

ホルムズ海峡は、ペルシャ湾とオマーン湾(インド洋方面)を結ぶ幅約33〜95キロメートルの狭い海峡で、世界の原油海上輸送量の約2〜3割、液化天然ガス(LNG)輸送量の約2割がこの海峡を通過するとされる、まさに「世界のエネルギー動脈」である。サウジアラビア、イラン、イラク、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールといった主要産油国・産ガス国が、この狭い海路を経由して原油やLNGを世界各地に輸出している。中東情勢が緊迫化するたびに、この海峡の航行リスクが国際エネルギー市場の最大の懸念材料として浮上する構図は、過去数十年にわたり繰り返されてきた。

タンカー通航量が「3分の1」に激減した背景

今回の緊張は、イランとイスラエル、さらには米国を巻き込んだ軍事的対立の激化が引き金となっている。イラン側がホルムズ海峡の封鎖を示唆する発言を繰り返してきたことに加え、実際に同海域での軍事的緊張、船舶への威嚇行為、保険料率の急騰などが重なり、多くの船会社・タンカーオペレーターがリスク回避のために同海峡の通航を控える、あるいは航路そのものを迂回する動きを強めている。

その結果、3週間が経過した現時点でも、同海峡を通過する船舶数は平常時の水準の3分の1程度にとどまっており、しかも直近の週ではさらに減少するという、事態の悪化を示すデータが出ている。海運業界関係者の間では、保険料の高騰や乗組員の安全確保の観点から、当面この慎重姿勢が続くとの見方が強い。

世界のエネルギー需給への影響

ホルムズ海峡経由の輸送が細ることで、原油・天然ガスの供給はタイト(逼迫)な状態が続いている。代替輸送ルート(紅海経由や陸路パイプラインなど)への切り替えも一部で進んでいるが、輸送コストの増加や時間的ロスは避けられず、結果として国際原油価格・LNG価格の高止まりにつながっている。エネルギー輸入国にとっては調達コストの上昇圧力となり、世界的なインフレ再燃のリスクも意識され始めている。

ベトナムへの直接的な影響は限定的だが油断は禁物

ベトナムは原油の純輸入国であると同時に一定の産油国でもあり、国内の石油製品価格は国際原油価格の動向に連動しやすい構造を持つ。もしホルムズ海峡経由の供給逼迫が長期化し、国際原油価格が高止まりすれば、ベトナム国内のガソリン・軽油価格の上昇を通じて、輸送コストや製造コストの増加、ひいては消費者物価指数(CPI)の押し上げ要因となる可能性がある。

投資家・ビジネス視点の考察

ベトナム株式市場(ホーチミン証券取引所=VN指数)においては、原油高が意識される局面では、ペトロベトナム・ガス(PVガス、銘柄コード:GAS)やペトロベトナム・パワー(POW)、ペトロベトナム・ドリリング(PVD)といった石油・ガス関連銘柄が相対的に選好されやすい傾向がある。一方で、航空・海運・物流セクター、化学肥料メーカーなど原油・天然ガスをコスト要因として抱える企業にとっては、燃料費や原材料費の上昇が収益圧迫要因となりうる点に注意が必要だ。

日本企業を含む在ベトナム進出企業にとっても、物流コストや電力コスト(ベトナムは天然ガス火力発電の比率が一定程度あるため)の上昇リスクは無視できない。特に製造業のサプライチェーンにおいては、輸送コストの上振れが利益率に影響を与える可能性があり、今後のエネルギー価格動向を注視する必要があるだろう。

また、2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げに向けては、ベトナムのマクロ経済の安定性(インフレ率、為替、経常収支など)が引き続き重要な評価ポイントとなる。原油価格の高止まりが長期化し、輸入物価上昇を通じたインフレ圧力が強まるような事態になれば、金融政策運営の自由度にも影響を与えかねず、格上げに向けた地合いという観点からも、中東情勢とホルムズ海峡の動向は間接的に無視できない外部変数として注視しておくべきテーマである。


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出典: 元記事

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