ロシアとウズベキスタンがSMR建設で協力—総出力2,100MW超へ拡大、ベトナムへの示唆も

Nga và Uzbekistan hợp tác xây dựng lò phản ứng hạt nhân mô-đun nhỏ (SMR)
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ロシアとウズベキスタンが原子力分野の協力ロードマップに署名し、ウズベキスタン初の原子力発電所プロジェクトで初期コンクリート打設を開始した。当初の小型モジュール炉(SMR)6基・330MWeの計画から、大型炉VVER-1000を2基追加し総出力2,100MWe超へと大幅に拡大。この動きはベトナムのエネルギー戦略にも重要な示唆を与えるものである。

目次

ロードマップ署名と建設着工の詳細

協力ロードマップは、ロシア国営原子力企業ロスアトム(Rosatom)のアレクセイ・リハチョフ総裁と、ウズベキスタン側のウザトム(Uzatom)のアジム・アフメドハジャエフ局長との間で署名された。対象は発電所建設にとどまらず、人材育成、原子力技術に関する市民啓発、さらには将来的な「原子力都市」の形成構想まで含む包括的な内容である。

両国首脳も電話会談を行い、ジザフ(Jizzakh)地域におけるSMR第1号機の進捗を確認。プロジェクトが最高レベルの政治的後押しを受けていることが明確に示された。

ロスアトムによれば、SMR2基の建設用地に関する法的手続き完了後、コンクリート打設が正式に開始された。原子炉建屋の基礎部分に約900立方メートルのコンクリートが使用され、4月中の完了が見込まれている。その後、防水処理を施した上で原子炉の主基礎盤のコンクリート打設に進む予定である。

計画の大幅拡大—330MWeから2,100MWe超へ

当初の契約は2024年5月、ロシアのプーチン大統領のウズベキスタン訪問時に署名されたもので、RITM-200N型SMRを6基、総出力330MWeとする計画であった。RITM-200Nは原子力砕氷船向けに開発された技術を陸上転用したもので、熱出力190MW(電気出力55MWe)、設計寿命約60年という仕様を持つ。第1号機は2029年末の運転開始が予定されている。

しかし2025年9月、モスクワで開催されたWorld Atomic Weekの場で、両国は計画の大幅な変更に合意した。新たな設計では、大型炉VVER-1000(各1GW)を2基、SMR RITM-200Nを2基(各55MWe)とする混合構成に変更。これにより総出力は2,100MWeを超え、当初計画の6倍以上に拡大した。

建設準備は2025年10月から本格化しており、SMR第1号機用に約150万立方メートルの土砂を掘削し、深さ13メートルの基礎坑が造成された。完全稼働時には年間約172億kWhの電力を生産し、ウズベキスタンの総エネルギー需要の約14%を賄う見通しである。

なお、本プロジェクトはロシアにとってSMR技術の初の輸出案件でもあり、商業化戦略上の重要なマイルストーンとなる。ロシア国内では、ヤクーチア(Yakutia)で陸上版RITM-200Nの第1号機が建設中で、2027年の運転開始を予定している。

世界的なSMRトレンドとベトナムへの含意

SMRは従来の大型原子力発電所と比べ、初期投資が相対的に小さく、段階的な導入が可能で、中小規模の電力系統にも適合しやすいという利点がある。米国、カナダ、ロシア、中国、EU諸国が研究・商業化を積極的に推進しており、データセンターや産業コンプレックスへの電力供給源としても注目されている。

ベトナムにとって、このウズベキスタンの事例は極めて参考になる。ベトナムは電力需要が急速に拡大する一方、2050年のネットゼロ目標を掲げており、SMRは長期的に有力な選択肢となり得る。かつてベトナムはロシアのロスアトムおよび日本との協力でニントゥアン省に原子力発電所を建設する計画を持っていたが、2016年に凍結された経緯がある。しかし近年、ベトナム政府は原子力発電の再検討を公式に表明しており、SMR技術の進展は従来型の大型炉よりもハードルの低い導入経路を提示する可能性がある。

投資家・ビジネス視点の考察

本ニュースは直接的にベトナム株式市場を動かすものではないが、以下の観点から注視に値する。

第一に、ベトナムのエネルギー関連銘柄への間接的影響である。ベトナムが原子力発電の再開を正式決定した場合、電力インフラ建設を手がけるPCC1(PC1)、リラマ(LCM)、ペトロベトナム系の電力会社などが恩恵を受ける可能性がある。また、ウラン関連や原子力サプライチェーンに関与する日本企業にとっても、ベトナム市場参入の機会が再浮上し得る。

第二に、ベトナムのエネルギー安全保障と外資誘致の文脈である。電力不足はベトナムの製造業投資誘致における最大のリスク要因の一つであり、安定電源としての原子力導入は、外国直接投資(FDI)の呼び込みにもプラスに作用する。2026年9月に見込まれるFTSE新興市場指数への格上げも、安定したインフラ基盤が評価材料となるため、エネルギー政策の方向性は市場全体のバリュエーションにも影響し得る。

第三に、日本企業の技術的優位性である。三菱重工業や日立GEニュークリア・エナジーなどはSMR関連技術を保有しており、ベトナムが将来的にSMR導入を決定した場合、ロシアだけでなく日本企業にも商機が生まれる。日越関係の深さを考えれば、技術パートナーとしての日本の存在感は依然として大きい。

ウズベキスタンの事例は、新興国がSMRと大型炉を組み合わせた柔軟なエネルギー戦略を採用し始めていることを示す好例である。ベトナムの投資家としては、同国のエネルギー政策の動向を中長期的な投資テーマとして注視しておく価値があるだろう。


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出典: World Nuclear News (WNN), Rosatom

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