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東南アジアEC市場、5年で2900億ドルへ──決済インフラの主役交代が始まった

こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。

2,900億ドル。この数字を最初に見たとき、正直ちょっと笑いました。「また景気のいいレポートか」と思ったんですが、読み込んでいくうちに笑えなくなってきた。

決済プラットフォーム2C2P by Antomが発表したレポートによると、東南アジアのeコマース市場は2024年の1,563億ドルから2029年には2,898億ドルへ、5年間でほぼ2倍に膨らむと予測されています。年平均成長率(CAGR)にして13.2%。インドの22.1%に次いで、世界で2番目に成長率の高いeコマース地域になるという話です。

数字だけ並べるとピンとこないかもしれませんが、2029年はまだ3年先ですよ。3年でこれだけ変わるという予測が出ているわけです。

ハノイの屋台で感じる「現金の終わり」

正直なところ、この話は私にとってまったく驚きではありません。

ハノイで13年暮らしていると、デジタル決済の浸透は数字以前に「生活の変化」として毎日実感しています。5年前、近所のおばちゃんたちは路地の市場で現金を出し合って野菜を買っていた。今はその同じおばちゃんたちが、スマホのMoMo(電子ウォレット)で支払いを済ませて颯爽と去っていきます。バインミーの屋台にも、コーヒーショップにも、薬局にも、QRコードが貼ってある。タクシーの運転手ですら、現金を持っていなくても「QRで払って」と笑顔で言う。

現金が「邪魔くさいもの」になっていく感覚、ここ2〜3年で明確に変わってきました。

今回のレポートが示す数字は、その肌感覚を裏付けるものとして読むべきだと思っています。

「97%がデジタル決済」の意味

レポートで私が最も注目したのは、2029年までにデジタル決済が東南アジアのeコマース全体の97%を占めるという予測です。2024年の89%からさらに8ポイント上昇する見通しで、オフライン決済(現金払い)はわずか3%に押しやられる計算になります。

日本のキャッシュレス比率が2023年でようやく39%を超えた、という話と比べてみてください。東南アジアはすでに「キャッシュレス」という段階を飛び越えて、「デジタルがデフォルト」という世界に入りつつあります。

中でも注目なのがインドネシア、タイ、そしてベトナムの国内決済手段の成長です。この3カ国における国内決済(リアルタイム送金・現地銀行ベースのシステム)の取引額は、2024年の451億ドルから2029年には920億ドルへ、104%増加すると予測されています。

ベトナムでいえば、VNPay、MoMo、ZaloPayといった国内プラットフォームが主役になっていく世界です。外資の決済サービスではなく、ベトナム生まれのプラットフォームが市場を席巻している。この点は、ベトナム市場を見るうえで非常に重要な視点だと考えています。

BNPLが「消費の門戸」を開く

もう一つ見逃せないのが、BNPL(後払い決済)の急拡大です。2024年の69億ドルから2029年には189億ドルへ、174%増という予測が出ています。

なぜBNPLが東南アジアで爆発的に伸びるのか。構造的な理由があります。この地域には銀行口座を持っていない、あるいはクレジットカードの審査が通らないという層が依然として多い。そういった人たちにとって、BNPLは「初めてのクレジット」になるわけです。

ベトナムでも、地方出身の若い世代を中心にこの傾向は顕著です。月収が数百万VNDという層にとって、スマホやバイクを一括払いするのは現実的ではありません。でもBNPLなら少額の分割払いで手が届く。消費へのアクセスが広がることで、市場全体のパイが大きくなっていく。

「富の南下」の観点からも、この動きは非常に示唆に富んでいます。

中小企業が「越境EC」に動き出した

今回のレポートで個人的に面白かったのは、中小企業(SME)に関する分析です。東南アジア6カ国の600社を対象にした調査によると、2029年には東南アジアのeコマース総額の約58%を中小企業が占めると予測されています。

さらに注目したいのが、調査対象の中小企業の4分の3が「今後2年以内に国際市場への進出を計画している」と回答したという事実です。越境ECへの参加を促進するだけで、地域全体に約208億ドルの追加収益をもたらす可能性があるという試算もあります。

これは投資家として「どこにお金が流れていくか」を考えるうえで、重要なヒントを与えてくれます。

物流インフラ、決済インフラ、越境決済サービス、倉庫・配送・通関。eコマースの成長の恩恵を受けるのはプラットフォームの巨人だけではありません。その周辺で「インフラ」を支える企業群にも、確実にお金が流れていく構造があります。

そういうことなんです。

東南アジアのeコマースが2,900億ドル市場になるという話は、単なるデジタル化のトレンド記事ではありません。誰が決済インフラを握るか、誰が物流を担うか、誰が中小企業のデジタル化を支援するか。その「インフラの主役争い」が今まさに進行中であって、ハノイで毎日この景色を見ている私には、その変化のスピードは想像以上に速いと感じています。


いかがでしたでしょうか。今回の東南アジアeコマース市場の成長予測について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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