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業績悪化が止まらないヴィナサンから主要株主が撤退——VNS株に何が起きているのか

こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。

ハノイに13年住んでいると、タクシー業界の変化を肌で感じる場面が多くなりました。数年前まで「グラブとヴィナサン、どっちにする?」と選んでいた移動手段が、いつの間にか「グラブ一択」になっている。街の変化は、データより先に体感できるものです。

今回はその「肌感覚」が数字で裏打ちされた形になりました。ホーチミン証券取引所に上場するベトナムの老舗タクシー会社、ヴィナサン(証券コード:VNS)の主要株主が保有比率を大幅に引き下げ、実質的に撤退を完了させたというニュースです。

目次

キム・グー・コンサルティングが5%超から3.7%へ引き下げ

6月19日、キム・グー・コンサルティング社(旧称:タウラス・コンサルティングとも呼ばれていた同社)が、ヴィナサン株式を909,901株売却したと発表しました。これにより同社の保有比率は5%超から3.7%へと低下し、「主要株主」の要件である5%を下回りました。

取引は5月15日から6月12日にかけて、取引所上での直接売却という形で実行されています。5%未満になったことで、キム・グー・コンサルティングはヴィナサンの主要株主リストから正式に外れることになります。

注目すべきは、2026年だけを見ても、同社の持ち分は12.5%から3.7%まで急速に縮小しているという点です。単なる利益確定というよりも、組織的な撤退といった方が実態に近いでしょう。

なお、6月19日付の報告書によれば、キム・グー・コンサルティングはダン・ティエン・シー氏をヴィナサン取締役会の株式資本代表者として依然として擁しています。株式保有は大幅に減らしたものの、経営への関与はまだ完全に切れていない、という微妙な状態です。

第1四半期:売上4%減、純利益56%減という厳しい現実

主要株主の撤退は、業績の悪化という文脈と切り離して考えることができません。

ヴィナサンの2025年第1四半期の業績は、売上高が前年同期比4%減、純利益にいたっては56%減という深刻な数字でした。タクシー事業という労働集約型ビジネスで純利益が半分以上吹き飛ぶというのは、構造的な問題が積み重なっているサインです。

ライドシェアの浸透が続く中、車両コストや人件費といった固定費の重さが収益を圧迫し続けているのは、ハノイでもホーチミンでも変わらない現象です。伝統的なタクシービジネスモデルの難しさが、そのまま数字に出てきています。

株価も年初来12%安——市場の評価は明確

業績の厳しさは株価にも素直に反映されています。6月22日時点でVNS株の年初来パフォーマンスは12%安。VN-Indexの動きと比較して、明らかにアンダーパフォームしている状況です。

主要株主が大量保有報告書の提出義務を生じさせる5%ラインを意識しながら持ち分を減らしていくというのは、それ自体が市場へのシグナルになることがあります。特にインサイダー的な位置にいた創業家・オーナー寄りの機関投資家が撤退する場合はなおさらです。今回のキム・グー・コンサルティングのケースを、単なるポートフォリオ調整と見るか、業績見通しへの懐疑と解釈するかは、読者それぞれの判断になってくると思います。

「移動の民主化」の波に乗れなかった老舗の苦境

ヴィナサンは、ベトナムのタクシー業界が形成された時代を代表する企業です。しかし、グラブやBeをはじめとするライドシェアが生活インフラとして定着した現在、伝統的なメーター制タクシー会社がその波にどう向き合うかというのは、ベトナム市場の外からも観察している投資家にとって重要なテーマです。

タクシーフォン(Taxi Phone)のビジネスモデルで長年培ったブランド力は一定の資産ではあります。それでも、スマホアプリで価格が透明化され、配車がリアルタイムで確認できる時代に、電話で予約するタクシーが復権する道筋を描くのは、なかなか難しい。

そういうことなんです。主要株主の撤退は「数字の悪さへの反応」ですが、その根っこにあるのは、ビジネスモデル自体が時代の変化に追いついていないという構造問題です。

今後のヴィナサンの動向として個人的に注目しているのは、電気タクシーへの移行や新しいモビリティサービスへの参入を試みるかどうかです。ライバルのVinhomes系電気タクシー「Xanh SM」が急速に台頭しているベトナム市場で、VNSが生き残りの戦略をどう描くか。それが株価の行方を左右する最大の変数になるでしょう。

VNS株を継続観察しているという方は、ぜひ次の決算発表での業績トレンドと、事業転換に関する経営陣のコメントを丁寧に追ってみてください。投資判断はご自身の責任でお願いしますが、ひとつの参考情報として。

いかがでしたでしょうか。今回のヴィナサン株主撤退ニュースについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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本記事で提供される情報は、執筆者の個人的な分析と見解に基づくものであり、投資判断の最終的な決定は読者ご自身の責任において行ってください。ベトナム株式投資は価格変動が大きく、元本割れのリスクを伴います。

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