こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。
5月に入って、ハノイの街はまた少し活気が戻ってきた気がします。夜のビアホイ(路上の屋台ビール)に人が増えているというのは、ある種の景気計なんですが、それはさておき。
証券会社SHSリサーチが5月の戦略レポートを発表しました。内容を一言でまとめるなら、「今の市場は理にかなったバリュエーションにある」というものです。ちょっと地味に聞こえますかね。でもこれ、投資家にとってはかなり重要なメッセージなんです。
市場全体の話をするときに、ビングループ(VIC)を外して考えるというのはひとつの基本動作です。VICは時価総額がとにかく大きいので、含めると市場全体のPERやPBRが歪む。それを除外した場合、残りの企業群の時価総額は約3,200億ドル、PERは12.96倍、PBRは1.8倍という水準になります。
PER12倍台というのは、どう見ればいいでしょうか。日本の東証プライムが現在15〜17倍程度で動いていることを考えると、ベトナム市場は明らかに低い水準にある。ASEANの中でフィリピン(PSEi)が15倍前後、インドネシア(JCI)が13〜14倍前後と言われる中でも、数字だけ見れば「まだ割安感がある」という評価は成立します。

4月を振り返ると、VN指数は1,600ポイント台から5週連続で上昇し、1,900ポイント付近まで回復しました。AGM(株主総会)シーズンと2026年第1四半期の決算開示が重なり、多くの企業が中期的な成長計画を改めて示した時期でもありました。ハノイ在住の人間として感じるのは、この春の雰囲気の変化です。タイ湖沿いのカフェでノートパソコンを広げる個人投資家が増えてきた。スマートフォンで証券アプリを開いている若い人の数が、目に見えて増えています。
ただ、SHSリサーチは手放しでポジティブなわけではありません。5週連続で上昇してきた市場は、短期的にはピークを迎えるリスクも指摘されています。中東の地政学的緊張が新たな局面に入っていること、信用成長率が鈍化していること、エネルギーコストの上昇が企業業績に滲み出てきていること、そしてマージンローン比率が高い水準にとどまっていること。これらはリアルなリスク要因で、1,900ポイントに乗せた後の動きには慎重さが必要です。
でも、そのリスクと向き合った上で「妥当なバリュエーション水準」という評価が出てきているところに、今の市場の面白さがあります。完全に楽観でも悲観でもない、正直なレポートです。
セクター別では、証券・住宅不動産・銀行・肥料・鉄鋼が注目を集めています。
証券セクターは、FTSE Russell二次新興市場への昇格発表が中期的な追い風になるとSHSは見ています。これは以前から私が繰り返し伝えてきた「昇格タイマー」の話と直結します。昇格が正式に決まれば、パッシブ資金の機械的な流入が始まる。その流れを証券会社は直接受ける立場にあります。加えて、2026年6月のMSCI見直しでウォッチリスト入りの可能性もある、というのがSHSの見立てです。これが実現すれば「第二のタイマー」が動き始めることになります。
銀行セクターは時価総額の大きな比率を占めており、多くの銀行が2026年の高成長計画を打ち出している。4月にモーニング・バイ・コーヒーを飲みながら各行の株主総会資料を読んでいましたが、強気な姿勢は一致していました。昇格後の外資流入先としても筆頭候補になります。
鉄鋼については、工業貿易省が中国からの大型熱延鋼板(HRC)輸入に対する相殺関税を正式に課したというニュースが背景にあります。これはホアファット(HPG)など国内鉄鋼メーカーにとって、競争環境が改善するという意味で注目に値する動きです。公共投資の拡大トレンドとこの保護主義的措置が重なれば、鉄鋼セクターにとって追い風になる可能性があります。
肥料セクターは引き続き価格高止まりが続いており、企業利益にとってはプラスの環境が続いています。
今の市場をどう見るかは、結局のところ自分の投資スタイルと時間軸によるわけです。短期で動くなら1,900ポイント付近の過熱感には注意が必要です。でも中長期でFTSE昇格というメカニズムを軸に置くなら、PER12倍台という現在の水準は、後から振り返れば「あの時が仕込み時だった」になる可能性は十分にある。そういうことなんです。
いかがでしたでしょうか。今回のSHSリサーチ5月市場見通しについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
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