MENU
24時間以内で読まれているベトナムニュース

80km・1万1,000ha——ハノイ「紅河大通り」計画が動き出した。現地13年が見る、この街の変わり方

こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。

私はタイ湖(Tay Ho)のそばに住んでいます。朝、散歩がてら湖畔を歩いていると、水面の向こうに高層マンションのシルエットが浮かんでいて、「ハノイってこんなに変わったな」とよく思うんです。でも正直に言うと、ここ数年ずっと引っかかっていたことがあって。湖は整備されてきれいになったのに、紅河(ホン川)沿いのエリアってどうしてあんなに雑然としているんだろう、と。不法占拠気味の建物、舗装が甘い道、増水期には冠水するような低地。あの一帯、ポテンシャルはとんでもないはずなのに、いつまでも手付かずのままだな、という感覚がずっとありました。

そのモヤモヤがようやく動き出したかもしれない、という大きなニュースが入ってきました。

ハノイ市が承認した「紅河景観大通り」計画とは

今回明らかになった計画のスケールを整理すると、まず面積が1万1,000ヘクタール以上、川の両岸に沿って延びる距離が約80kmにおよぶ巨大都市再開発プロジェクトです。ハノイ市当局が正式に投資計画を承認した段階で、国立経済大学のグエン・トゥオン・ラン准教授は「歴史的に重要な計画構想」と評価しています。

何が画期的かというと、ハノイの都市開発の発想そのものが変わる、という点です。これまでのハノイは36の旧市街の通りを中心に発展してきた「街路型」の都市でした。それが今回、「川を主要な開発軸にする」という方針に転換するわけです。ソウルの漢江、パリのセーヌ川、マレーシアやシンガポールの河川沿い都市——世界の主要都市が川を核に発展してきたことを考えると、ハノイがようやく同じ土俵に立つ宣言をした、そんな意味合いがあります。

ただし、紅河には独特の難しさがあります。単なる都市の「装飾」としての川ではなく、北部デルタの歴史と生活に深く刻まれた大きな沖積河川です。増水期には相当な水量が流れ、歴史的に洪水リスクとも隣り合わせで生きてきた土地でもある。だからこそ、デザインだけ真似しても意味がなく、治水技術と都市開発を本当に統合できるかどうかが問われます。

「街路計画」から「河川沿い計画」へ——何が変わるのか

この発想の転換が、なぜそれほど重要なのか。私の目線で少し補足させてください。

タイ湖が整備されて観光地化に成功した背景には、「水辺の価値を認めた」ことがあると思っています。週末にはカフェが賑わい、外国人駐在員のファミリーがサイクリングをして、ロッテセンターから眺めると水面が映える。あの変化は、たった15年くらいの話です。紅河はタイ湖の比ではないスケールを持っています。全長約80kmにわたる両岸が「都市の顔」になったとき、ハノイの景色は別の街と見まごうほどに変わる可能性があります。

ラン准教授が言う「水を基盤とした開発は、環境と持続可能な開発にも長期的な影響を与える」という指摘も興味深いです。紅河が「再生」されれば、トーリッチ川や都心部の湖沼群といった他の水系も活性化される、という連鎖効果の話をしています。ハノイが抱える大気汚染や緑地不足の問題を、川という軸から解きほぐしていく構想でもある、ということです。

最大の難関——数万世帯の移住と伝統工芸の保存

さて、こういうビッグプロジェクトの話が出るたびに、私が現地に住んでいて一番気になるのは「で、そこに住んでいる人たちはどうなるの?」という点です。

紅河氾濫原に住む数万世帯は現在、農業・畜産業・小規模商業・伝統工芸で生計を立てています。バッチャン(陶磁器の村)やニャットタン(桃の花の村)といった、ハノイの観光資源でもある伝統的なエリアも川沿いに点在しています。これをどう扱うか、が計画の真の難所です。

ラン准教授の言葉が印象的でした。「人々はこう問うだろう。『今の住まいの方が良くて美しいなら、なぜ引っ越さなければならないのか?』と」。そういうことなんです。住民の合意なき開発は、どこの国でも必ず頓挫します。ベトナムも例外ではなく、過去にも土地収用が長期化して計画が止まったケースは少なくありません。

ただ、专门家の提言は単純な強制移転ではなく「現地での定住と新地域への移転の柔軟な組み合わせ」です。法的書類を所持して安定した生活を送っている世帯については、居住を維持しながら居住空間を近代化していく。その一方で、バッチャンやニャットタンの伝統工芸は保存しつつ、より環境に優しく近代化されたかたちで再設計する。日本の桜の名所が体系的に整備されて世界的な観光地になった事例を引き合いに出しているのは、なかなか面白い視点だと思いました。

10年で完成できるか——投資家として見るポイント

実現可能性について、ラン准教授は「ハノイが本気で取り組むなら、約10年以内に実現可能」という見方を示しています。根拠として挙げているのは、独自の仕組みと潤沢な財源、最新技術の活用、そして高い政治的決意の3点です。

現地に住んでいる感覚から言うと、ベトナムのインフラ整備のスピードはここ数年で明らかに加速しています。ハノイのメトロ2A号線が開通した後、次々と延伸計画が進んでいますし、高速道路の建設もかつてとは別のペースで動いている印象です。「本気でやる」と決めたときの実行力は、外から見る以上に強い。ただ土地収用と住民移転の問題だけは、お金と技術では解決できない部分を含むので、ここがボトルネックになる可能性は正直あると思っています。

投資家の目線で見たとき、このプロジェクトが注目に値するのは、不動産・建設・インフラという広いセクターへの波及効果が期待できる点です。特に紅河沿いの開発地域が「住宅・商業・観光・文化・イノベーションの中心地」になるとすれば、ハノイの不動産市場における地価の再評価につながる可能性があります。個別の銘柄については各社の事業状況や財務内容を踏まえた慎重な分析が必要ですが、「ハノイという都市の付加価値が上がる」という構造的な変化は、長期投資家として注目に値する動きだと私は考えています。

完成後の紅河沿いがどんな姿になるか、正直まだ想像しにくいほどのスケールです。でも、これがうまくいけば、ハノイは「千年の都市」としての歴史と「現代アジアの河畔都市」としての新しい顔を同時に持つ、本当にユニークな首都になる可能性がある。そういうことなんです。

タイ湖の朝の散歩をしながら、紅河の向こう側に何が建つのかを想像する日が、私にはしばらく続きそうです。

いかがでしたでしょうか。今回の紅河景観大通りプロジェクトについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

この記事が参考になったら、ぜひXでシェアしていただけると嬉しいです。より多くの方にベトナム投資の魅力を伝えたいと思っています。

【メンバーシップのご案内】 より詳細な投資分析や、ポートフォリオの具体的な銘柄情報、現地からのリアルタイム情報をお求めの方は、ぜひメンバーシップへのご参加をご検討ください。 https://note.com/gonviet/membership

一緒にベトナム株でFIREを目指しましょう!

【速報ニュース】 ベトナム経済や社会の速報ニュースは私のサイト日刊ベトナム経済通信もご活用ください。こちらのサイトは毎日ベトナムの経済、社会、投資関連情報をいち早く速報ニュースで配信しているニュースサイトです。


【免責事項】 本記事は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品への投資の勧誘や推奨を意図するものではありません。執筆者は金融商品取引業の登録を受けておらず、投資助言・代理業を行う資格を有していません。

本記事で提供される情報は、執筆者の個人的な分析と見解に基づくものであり、投資判断の最終的な決定は読者ご自身の責任において行ってください。ベトナム株式投資は価格変動が大きく、元本割れのリスクを伴います。

本記事の情報の正確性、完全性、最新性については最大限の注意を払っていますが、保証するものではありません。本記事の情報に基づいて行われた投資による損失や損害について、執筆者は一切の責任を負いません。

投資判断に際しては、金融商品取引業の登録を受けた専門家への相談を強く推奨いたします。本記事は法的、税務的、財務的なアドバイスを提供するものではありません。

#ベトナム株 #投資 #アジア株 #FIRE #ベトナム #投資信託 #資産形成 #ベトナムニュース #海外ニュース #ニュース #経済

noteメンバーシップのご案内

ベトテク太郎noteメンバーシップ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次