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【2026年最新】ベトナムの年金受給資格と手当を完全解説|15年で受給可能に、75歳以上は無拠出でも月5万ドン

こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。

ハノイに住んで13年になりますが、最近、日本の友人や読者の方から「ベトナムの年金って実際どうなってるの?」という質問を受けることが本当に増えました。というのも、2025年7月1日に施行された改正社会保険法(41/2024/QH15)で、ベトナムの年金制度が過去最大級の大改正を迎えたからです。

受給に必要な加入期間が「20年から15年へ」と大幅に短縮され、年金を持たない75歳以上の高齢者にも国が手当を支給する仕組みが新設されました。ベトナムで働く日本人にも加入義務が及ぶ制度ですから、これは他人事ではありません。

この記事では、2026年時点の最新ルールに基づいて、ベトナムの年金受給資格、定年年齢、年金額の計算方法、そして年金がない人向けの手当まで、まとめて解説します。

目次

この記事の要点(30秒でわかる結論)

ベトナムの年金受給資格は、2025年7月施行の改正社会保険法により「社会保険への加入期間15年以上+定年年齢到達」に緩和されました。2026年の定年年齢は男性61歳6ヶ月、女性57歳です。年金を受給できない75歳以上の高齢者には、無拠出でも月額50万ドン(約3,000円)の社会年金給付が支給されます。さらに2026年7月1日からは年金支給額が一律8%引き上げられました。

ベトナムの年金受給資格は、2025年7月施行の改正社会保険法により「社会保険への加入期間15年以上+定年年齢到達」に緩和されました。

それでは、順番に見ていきましょう。

受給資格の最大の変更点:加入期間が「20年→15年」に短縮

今回の改正で最もインパクトが大きいのがこれです。

旧法(2014年社会保険法)では、年金を受け取るには最低「20年」の社会保険加入期間が必要でした。これが2025年7月1日からは「15年」に短縮されています。

項目旧法(〜2025年6月)新法(2025年7月〜)
最低加入期間20年15年
受給開始定年年齢到達時定年年齢到達時
対象強制加入・任意加入とも強制加入・任意加入とも

なぜ短縮されたのか。ベトナムでは転職や自営業への転身が多く、20年という壁を越えられずに「脱退一時金」を選んで制度から離脱してしまう人が後を絶ちませんでした。ハードルを15年に下げることで、より多くの人を年金制度の中に留める狙いがあります。

実際、内務省の発表によれば、制度改正後、定年後に年金・社会保険給付・社会年金手当のいずれかを受給する人の割合は約42%まで上昇しています。2026年第1四半期末時点で、毎月の年金・社会保険給付の受給者は350万人を超えました。

2026年の定年年齢は男性61歳6ヶ月、女性57歳

受給資格のもう一つの柱が定年年齢です。ベトナムは2021年から段階的に定年を引き上げるロードマップの真っ最中で、毎年、男性は3ヶ月ずつ、女性は4ヶ月ずつ定年が延びています。

男性女性
2021年60歳3ヶ月55歳4ヶ月
2024年61歳0ヶ月56歳4ヶ月
2025年61歳3ヶ月56歳8ヶ月
2026年61歳6ヶ月57歳0ヶ月
最終到達点62歳(2028年)60歳(2035年)

つまり2026年に年金を受給できるのは、原則として「男性61歳6ヶ月以上・女性57歳以上」で、かつ社会保険に15年以上加入していた人、ということになります。

なお、重労働・有害業務や社会経済的に困難な地域で働いていた人は、最大5歳まで早く退職できる特例があります。

年金額はどう計算される?「45%ルール」を理解する

ベトナムの年金は「平均給与×支給率」で計算されます。支給率のルールは男女で異なります。

女性の場合、加入15年で支給率45%からスタートし、1年加入が増えるごとに2%ずつ加算されます。男性の場合、加入15年で40%からスタートし、20年までは1年ごとに1%、20年以降は1年ごとに2%ずつ加算されます。上限は男女とも75%です。

加入年数男性の支給率女性の支給率
15年40%45%
20年45%55%
25年55%65%
30年65%75%(上限)
35年75%(上限)75%(上限)

ここで注意したいのが早期退職の減額です。規定の定年年齢より早く年金を受け取り始めると、1年早まるごとに支給率が2%減額されます(6ヶ月未満の早期は減額なし、6ヶ月以上12ヶ月未満は1%減額)。

また、国際協定に基づいて受給資格を得た外国人労働者などで、ベトナム国内での加入期間が15年未満の場合は、加入1年あたり平均給与の2.25%で年金額を計算する特別ルールも設けられています。

年金がない人への手当:75歳以上なら無拠出でも月50万ドン

今回の改正のもう一つの目玉が「社会年金給付(社会退職手当)」の新設です。

年金も毎月の社会保険給付も受けていない75歳以上の国民は、保険料を一切払っていなくても、国家予算から月額50万ドン(約3,000円)の手当を受け取れます。貧困世帯・準貧困世帯に属する人は、70歳から受給可能です。

従来この種の給付は80歳からでしたが、受給開始年齢が75歳に引き下げられたことで、約50万人の高齢者が新たに給付を受けられるようになりました。

さらに面白いのは、地方政府が独自に上乗せしている点です。

都市月額給付日本円換算(約)
全国基準(政令176/2025)50万ドン3,000円
ハノイ市(2026年1月〜)65万ドン3,900円
ホーチミン市(2025年9月〜)65万ドン3,900円
ハイフォン市70万ドン4,200円

月3,000円と聞くと少なく感じるかもしれませんが、ベトナムの地方部の生活水準を考えると、無拠出でもらえるセーフティネットとしては意味のある金額です。手当に加えて、健康保険料の国庫負担と葬祭費補助もセットで付いてきます。

現在、国会では受給開始年齢を70歳、あるいは65歳まで引き下げるべきだという請願も議論されており、今後さらに対象が広がる可能性があります。

2026年7月から年金は8%増額

もう一つ、受給者にとって朗報がありました。政令162/2026/ND-CPに基づき、2026年7月1日から年金・社会保険給付・月額手当が一律8%引き上げられています。月額給与が380万ドン未満の低額受給者には、追加の調整措置も用意されています。

インフレと生活費の上昇に合わせて給付を実質的に維持する措置で、ベトナム政府が社会保障の拡充に本腰を入れていることがよくわかります。

ベトナムで働く日本人にも他人事ではない話

ここ、意外と知られていないのですが、外国人労働者も2018年12月からベトナムの強制社会保険の対象です。改正法では、労働許可証の有無を問わず「12ヶ月以上の労働契約」があれば原則加入義務があると明確化されました(社内異動者などの例外あり)。

つまり、ベトナムで現地採用として長く働く日本人なら、15年加入すればベトナムの年金受給資格を得られる時代になった、ということです。私の周りでも「ベトナムで15年働いたから年金がもらえるかも」という話が現実味を帯びてきました。帰国時には脱退一時金の選択肢もありますが、2025年7月以降の新規加入者には一時金の受給制限が厳格化されている点には注意が必要です。

投資家の視点:年金制度の拡充が意味するもの

さて、このブログはベトナム株投資のブログですから、最後に投資家目線でこのニュースを読み解いておきます。

年金制度の拡充は、一見すると株式市場に関係なさそうに見えます。でも実は、長期的なベトナム株のストーリーに深く関わっています。

第一に、社会保障のカバレッジ拡大は個人消費の安定につながります。老後不安が和らげば、過剰な予備的貯蓄が消費や投資に回りやすくなります。MWGやPNJのような消費関連銘柄の長期的な追い風になる構図です。

第二に、社会保険基金の積立資産は国債市場や金融市場の厚みを支える機関投資家マネーでもあります。年金加入率が42%まで上昇してきたという事実は、ベトナムの金融システムが「成熟国型」へ一歩ずつ近づいていることを示しています。

第三に、保険・資産運用ビジネスの成長余地です。公的年金だけでは足りないと考える中間層が増えるほど、民間の生命保険や投資信託への需要が育ちます。バオベト・ホールディングス(BVH)のような保険銘柄や、証券各社の資産運用部門にとっての長期テーマです。

日本が高度成長期に国民皆年金を整えていったように、ベトナムも今まさに社会保障のインフラを整備している段階です。私が「富の南下」シリーズで書いてきた通り、制度の成熟は資本が安心して流れ込むための土台になります。年金改革はその静かな、しかし確実な一歩だと私は見ています。

詳しくは富の南下・第1回もあわせてご覧ください。

まとめ:15年・61歳6ヶ月・50万ドン、この3つの数字だけ覚えて帰ってください

長くなったので、最後にもう一度だけ整理します。ベトナムの年金は「15年」加入すれば受給資格が得られ、2026年の定年は男性「61歳6ヶ月」・女性「57歳」、年金がない75歳以上には無拠出で月「50万ドン」の手当が出る。そして2026年7月からは支給額が8%増えた。

制度のハードルを下げて加入者を増やし、こぼれ落ちる高齢者は手当で拾う。ベトナムの社会保障は、経済成長と並走しながら着実に厚みを増しています。

そういうことなんです。

いかがでしたでしょうか。今回のベトナムの年金制度改正について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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【免責事項】 本記事は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品への投資の勧誘や推奨を意図するものではありません。執筆者は金融商品取引業の登録を受けておらず、投資助言・代理業を行う資格を有していません。

本記事で提供される情報は、執筆者の個人的な分析と見解に基づくものであり、投資判断の最終的な決定は読者ご自身の責任において行ってください。ベトナム株式投資は価格変動が大きく、元本割れのリスクを伴います。

本記事の情報の正確性、完全性、最新性については最大限の注意を払っていますが、保証するものではありません。本記事の情報に基づいて行われた投資による損失や損害について、執筆者は一切の責任を負いません。

投資判断に際しては、金融商品取引業の登録を受けた専門家への相談を強く推奨いたします。本記事は法的、税務的、財務的なアドバイスを提供するものではありません。

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