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ベトナム・ホーチミン市、上半期の海外送金40億ドル超え—アジア・米州が81%占める

Kiều hối về TP. Hồ Chí Minh hơn 4 tỷ USD trong 6 tháng đầu năm 2026
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
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ベトナム最大の経済都市ホーチミン市(南部の商都であり、旧サイゴン)に2026年上半期(1〜6月)だけで4億ドルを大きく上回る海外送金(キューホイ、kiều hối)が流入したことが明らかになった。海外に住む越僑(ベトナム系移民・出稼ぎ労働者)からの送金は、同市経済を下支えする重要な資金源であり、今回もアジアと米州からの送金だけで全体の81%超を占めるなど、地域的な偏りが鮮明になっている。

目次

上半期だけで4億ドル超の送金流入

ホーチミン市当局および同市に拠点を置くベトナム国家銀行(中央銀行)支店の発表によれば、2026年1月から6月までの半年間にホーチミン市へ送られてきた海外送金額は4億ドルを上回った。ホーチミン市は長年にわたりベトナム国内で最も多くの海外送金を受け取る地域であり、同市に住む親族や、同市を拠点に事業を営む企業・個人にとって、この資金は消費、住宅購入、事業投資、教育費など幅広い用途に使われている。

ベトナムでは「キューホイ」と呼ばれる海外送金が、外貨準備や国際収支を支える柱の一つとして長年重視されてきた。特にホーチミン市は、南部を中心に1970年代後半以降、ボートピープルとして海外へ渡った越僑や、近年は日本・韓国・台湾などへの技能実習生・労働者として渡航した人々の出身地・送金先として重要な位置を占めている。

アジアと米州で81%超を占める地域構成

今回の発表で特に注目すべきは、送金元の地域構成だ。アジアと米州(南北アメリカ大陸)からの送金だけで、全体の81%以上を占めたという。米州には、ベトナム戦争終結後に渡米した越僑コミュニティが大きな存在感を持つアメリカ合衆国が含まれており、カリフォルニア州のオレンジカウンティ(リトルサイゴンと呼ばれる越僑コミュニティが有名)をはじめとする各地からの送金が引き続き太いパイプとなっている。

一方でアジア地域からの送金増加も見逃せない。日本、韓国、台湾、マレーシアなどベトナム人労働者の主要な渡航先国では、技能実習生や特定技能人材、留学生などの数が近年増加傾向にあり、彼らが本国の家族に送る送金がアジア地域からの送金額を押し上げている構図がうかがえる。日本はベトナム人技能実習生・特定技能労働者の最大の受け入れ国の一つであり、日本で働くベトナム人材からの送金も、この「アジア」区分の中で相応の存在感を持っているとみられる。

海外送金がベトナム経済に果たす役割

ベトナムにおける海外送金は、外国直接投資(FDI)や貿易収支と並んで、国の外貨獲得における重要な柱の一つと位置づけられている。世界銀行や国際移住機関(IOM)などの分析でも、ベトナムは世界有数の海外送金受取国として繰り返し取り上げられており、その受け皿としてホーチミン市が突出した存在であることは、同市の経済構造そのものを反映していると言えるだろう。

海外送金は投資性資金としての側面も強く、不動産購入、株式投資、中小企業への出資など、さまざまな形でベトナム国内経済に還流している。特にホーチミン市の不動産市場や消費市場にとって、こうした資金は根強い需要を支える下支え要因として機能してきた経緯がある。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の発表は、ベトナム株式市場、とりわけホーチミン証券取引所(HOSE)に上場する不動産・銀行・小売関連銘柄にとって、間接的ながらポジティブな材料と捉えられる。海外送金の多くは最終的に住宅購入や耐久消費財の購入、あるいは預金・投資という形でベトナム国内の金融システムに流れ込むためだ。特に個人向け住宅ローンや消費者金融を手がける銀行株、住宅需要を取り込むデベロッパー株にとっては、資金流入の裾野が広がることを意味する。

また、2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げをめぐる議論とも関連性がある。海外送金の安定的な流入は、ベトナムの国際収支の健全性を裏付ける材料の一つであり、格付け機関や指数算定機関がベトナム市場を評価する際の「マクロ経済の安定性」という観点からもプラス材料となり得る。外貨準備の積み増しに寄与する海外送金の増加は、ドン安圧力の緩和にもつながり、外国人投資家にとっての為替リスクを軽減する効果も期待できる。

日本企業にとっても、この動向は看過できない。日本で働くベトナム人技能実習生・特定技能人材からの送金がアジア地域の送金増加に寄与しているとみられる点は、日本とベトナムの労働力を通じた経済的つながりの深さを改めて示すものだ。今後、日本国内の人手不足を背景にベトナム人材の受け入れがさらに拡大すれば、対越送金額はさらに増加し、それがベトナム国内消費の押し上げ要因として、日本企業のベトナム事業(小売、消費財、金融サービスなど)にも波及する可能性がある。

ベトナム経済全体のトレンドという観点では、海外送金の安定的な高水準推移は、輸出・FDIに次ぐ「第三の外貨獲得源」としての役割を引き続き果たしていることを裏付けている。今後も四半期・半期ごとの送金動向を注視することで、ベトナム経済の実体的な強さと、株式市場・不動産市場への資金流入圧力を占う手掛かりとなるだろう。


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出典: 元記事

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