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ベトナム、カーボンクレジット市場を新たな発展資源に—国際協力が加速

Thị trường tín chỉ carbon cần được nhìn nhận như một nguồn lực phát triển mới
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ベトナムのカーボンクレジット(炭素クレジット)市場をめぐり、単なる環境政策の枠を超えた「新たな発展資源」として捉え直すべきだとの提言が専門家から示された。ベトナム経済科学会(Hội Khoa học Kinh tế Việt Nam)副会長を務めるホアン・ヴァン・クオン教授・博士(GS.TS Hoàng Văn Cường)は、カーボンクレジットの国際取引に関する協力推進が、気候変動対策という枠組みにとどまらず、国際経済統合、技術革新、グリーンファイナンス(緑色金融)の動員、そしてグローバル・バリューチェーンにおけるベトナム企業の新たな競争優位の構築に直結する「中核的課題」であると強調した。

目次

カーボンクレジット市場とは何か

カーボンクレジットとは、企業や国家が温室効果ガスの排出削減・吸収量を数値化し、それを取引可能な「クレジット」として証券化した仕組みである。パリ協定以降、世界各国では自国の排出削減目標(NDC:国が決定する貢献)の達成手段として、また企業のカーボンニュートラル(脱炭素)戦略の一環として、この市場の整備が急速に進んでいる。ベトナムにおいても、森林保全、再生可能エネルギー、農業分野での排出削減など、豊富なポテンシャルを持つとされてきたが、これまで国内制度の未整備や国際基準との整合性の課題から、その潜在力を十分に発揮できていないとの指摘が根強かった。

ホアン・ヴァン・クオン氏の指摘の要点

ホアン・ヴァン・クオン氏は、カーボンクレジットの国際取引協力を推進することが「実践的かつ重要な意義を持つ」と明言した。同氏の論点で特に注目すべきは、この問題を単なる「環境問題」あるいは「気候変動対応」として矮小化してはならないという点である。むしろ、以下の4つの側面から国家戦略として位置づけるべきだと主張している。

国際経済統合の中核的テーマとして

第一に、カーボンクレジット市場の整備は、ベトナムが進める国際経済統合の深化と表裏一体の関係にある。欧州連合(EU)の炭素国境調整メカニズム(CBAM)をはじめ、主要輸出先の脱炭素規制が強化される中、ベトナムが独自のカーボン市場と国際基準に整合した認証制度を持つことは、輸出企業が海外市場でのアクセスを維持・拡大する上で不可欠な条件になりつつある。

技術革新とグリーンファイナンスの動員

第二に、カーボンクレジット取引の活発化は、再生可能エネルギー、省エネルギー技術、森林管理技術など、脱炭素関連の技術革新を促す起爆剤となり得る。第三に、グリーンボンド(緑色債券)やグリーンローンをはじめとするグリーンファイナンスの資金動員力を高める効果も期待される。国際的な機関投資家や開発金融機関は、明確なカーボン市場を持つ国への投資を優先する傾向が強まっており、ベトナムがこの分野で制度整備を進めることは、海外資本の呼び込みに直結するとみられる。

ベトナム企業の競争優位構築へ

第四に、グローバル・バリューチェーンに組み込まれているベトナム企業にとって、カーボンクレジット市場への参画は新たな競争優位の源泉となり得る。繊維・縫製、電子機器、水産物加工など輸出主導型産業が集積するベトナムにおいて、サプライチェーン全体の脱炭素化要求は年々厳しさを増している。カーボンクレジットを活用した排出量オフセットの仕組みを整えることは、多国籍企業のサプライヤーとして選定される上での差別化要因になり得ると分析されている。

投資家・ビジネス視点の考察

この提言は、ベトナム株式市場における「グリーン関連銘柄」への関心を改めて喚起するものだ。再生可能エネルギー関連企業、森林・農業分野で炭素吸収プロジェクトを展開する企業、さらにはESG(環境・社会・ガバナンス)対応を強化する銀行セクターなどは、今後のカーボン市場制度整備の動向次第で恩恵を受ける可能性がある。特にベトナム政府は国内カーボン市場の試験運用開始を目指しており、制度設計の進展は関連銘柄の株価材料になり得る。

日本企業にとっても示唆は大きい。日本はアジア諸国とのJCM(二国間クレジット制度)を通じてベトナムとの脱炭素協力を進めており、今回のような国内専門家からの積極的な発言は、日越間のカーボンクレジット連携案件が今後さらに拡大する土壌があることを示している。ベトナムに進出する日本企業、特に製造業・エネルギー関連企業にとっては、現地でのカーボンオフセット事業への参画や技術供与が新たなビジネス機会となり得るだろう。

さらに、2026年9月に決定が見込まれるFTSEラッセルによる新興市場指数格上げとの関連も見逃せない。市場の透明性向上や国際基準への整合性強化は、格上げ判断における重要な評価軸の一つである。カーボンクレジット市場のような新たな制度整備が着実に進むことは、ベトナムが国際基準に沿った市場改革を進めているという印象を国際投資家に与え、間接的にではあるが格上げに向けたポジティブな地合いを形成する要素になり得る。

ベトナム経済全体のトレンドという観点からは、輸出主導の成長モデルから、グリーン成長・持続可能な発展モデルへの転換が加速していることを、今回の発言は象徴的に示している。今後、政府がどのようなロードマップで国内カーボン市場を制度化し、国際市場との連結を図っていくのか、引き続き注視する必要があるだろう。


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出典: 元記事

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