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ベトナム銀行界、保険手数料収入が上半期に急拡大—テコムバンクとVPバンクの実態

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ベトナムの大手銀行にとって、保険事業がこの上半期(2026年1〜6月期)の業績を大きく押し上げていることが明らかになった。特にテコムバンク(Techcombank、ベトナムの民間大手商業銀行)とVPバンク(VPBank、消費者金融に強みを持つ大手民間銀行)では、保険関連の手数料収入が急拡大し、両行の役務手数料収入(サービス収入)全体を牽引、結果として二桁台の増益を達成する主要因の一つとなった。

目次

保険収入が銀行の「稼ぎ頭」に

ベトナムでは近年、銀行と保険会社が独占的な提携契約(バンカシュアランス、銀行窓口での保険販売)を結び、銀行の窓口網を通じて生命保険や損害保険商品を販売する仕組みが急速に広がっている。テコムバンクは大手保険グループとの提携を通じて、VPバンクは自社グループ内の保険子会社を活用する形で、それぞれ保険販売チャネルを強化してきた経緯がある。

今回明らかになったデータによれば、両行における保険関連収入は前年同期比で大幅な増加を記録し、金額ベースでは合計で「千億ドン単位」の規模に達したとされる。これは銀行の伝統的な収益源である融資利息収入とは異なる「非金利収入」の柱であり、収益の多角化という観点からも銀行経営陣が重視してきた分野だ。

二桁増益を支えた構造的要因

ベトナムの主要銀行はこの上半期、軒並み二桁台の増益を記録しており、その背景には保険手数料に加えて、貸出資産の拡大、不良債権処理コストの低下、デジタルバンキング関連手数料の伸びなど複合的な要因があるとみられる。しかし、保険収入の伸びが特に目立つ形でサービス手数料収入(Thu dịch vụ)全体を押し上げた点は、今回の決算シーズンにおける大きな特徴の一つといえる。

ベトナムの銀行業界では、コロナ禍後の景気回復局面において、保険販売が一時的に停滞した時期があった。バンカシュアランス契約をめぐる不透明な販売手法(顧客への誤解を招く説明など)が社会問題化し、金融当局(国家銀行、ベトナム中央銀行に相当)が販売プロセスの透明化を求める規制強化に動いたためだ。今回、テコムバンクやVPバンクで保険収入が回復・拡大していることは、こうした規制対応を経て販売体制が再構築され、顧客の信頼回復が進みつつあることを示唆している。

他行への波及と業界全体の動き

保険収入の拡大はテコムバンクとVPバンクに限った動きではなく、ベトナムの大手商業銀行全般に共通するトレンドとみられる。国営系銀行(BIDVやベトコムバンクなど)を含め、多くの銀行が保険会社との提携見直しや新規契約締結を進めており、今後もこの分野が銀行の収益源として存在感を増していく可能性が高い。

投資家・ビジネス視点の考察

ベトナム株式市場において銀行株は時価総額の大きな部分を占めており、外国人投資家にとっても重要な投資対象である。今回のような保険手数料収入の拡大は、銀行の収益構造を「金利収入依存」から「非金利収入型」へとシフトさせる動きであり、金利変動リスクに対する耐性強化という観点からもポジティブに評価されやすい。特にテコムバンクやVPバンクのように非金利収入の比率を高めている銀行は、将来的な収益の安定性という点で市場から相対的に高い評価を受ける可能性がある。

また、2026年9月に決定が見込まれるFTSE(英FTSEラッセル社が算出する株価指数)の新興市場指数への格上げをめぐる思惑とも無関係ではない。ベトナム市場が新興国市場入りを果たせば、海外の機関投資家によるベトナム株への資金流入が期待され、銀行株はその主要な受け皿の一つとなる可能性が高い。収益基盤が多角化し、決算の質が向上している銀行は、格上げ後の資金流入局面において選好されやすい銘柄群となるだろう。

日本企業の視点では、日系金融機関やメガバンクがベトナムの銀行に出資・提携している例も多く(三菱UFJ銀行のVPバンクへの出資などが代表例)、こうした保険事業を含む非金利収入の伸びは、出資先銀行の企業価値向上に直結するテーマである。ベトナム進出を検討する日本の保険会社にとっても、バンカシュアランス市場の回復・拡大は新たなビジネスチャンスを示す材料といえるだろう。


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出典: 元記事

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