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ベトナム・ハイフォン市が韓国KISTと提携、バイオテック拠点化でスタートアップ世界トップ1000入り

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ベトナム北部の主要港湾都市ハイフォン市が、韓国科学技術研究院(KIST)との間でバイオテクノロジー分野を中心とした技術移転に関する覚書(MOU)を締結した。同市はスタートアップエコシステムの世界ランキングで初のトップ1,000入りを果たしており、韓国との連携を通じてR&D拠点都市としての地位確立を急いでいる。

目次

KISTとの包括的MOU——6つの協力軸

2025年5月26日午後、ハイフォン市科学技術局のグエン・カオ・タン局長と、韓国科学技術研究院(KIST)のサン・ロク・オー院長がオンライン形式でMOUに署名した。KISTは1966年設立の韓国を代表する国立総合研究機関であり、韓国の産業化・技術立国を支えてきた中核的存在である。

MOUでは以下の6つの協力軸が設定された。

  • イノベーションインフラへの投資
  • 「KISTハイフォンセンター」および「KIST–HaiPhong Techhub」の設立・運営
  • 質の高い科学技術人材の育成
  • イノベーションネットワークの構築
  • 技術の需給マッチング
  • 研究成果の商業化および有望技術の移転

優先分野は医療バイオおよびバイオテクノロジー(Bio-Tech)とされ、ハイフォン市内にR&Dサテライトセンターを形成し、投資誘致を加速させる方針である。

世界スタートアップランキング初のトップ1,000入り

グエン・カオ・タン局長は、国際的なスタートアップ調査機関StartupBlinkの最新ランキングで、ハイフォン市が世界765位・東南アジア23位にランクインし、初めてトップ1,000に入ったことを明らかにした。ベトナム国内でこのランキングに名を連ねる都市はわずか4つであり、ハイフォン市の急速なエコシステム成長が国際的にも認知され始めている。

ハイフォン市は従来、工業団地と港湾物流の街として知られてきた。LGディスプレイやブリヂストンなど日系・韓国系の大手製造拠点が集積するが、近年はイノベーション都市への転換を掲げ、スマートシティやスタートアップ支援に力を入れている。

「スマートシティ運営」をテーマにスタートアップコンテストも始動

同日、ハイフォン市は「ハイフォン市イノベーション・スタートアップ人材発掘コンテスト2026」を発表した。テーマは「Smart City Operations(スマートシティ運営)」で、都市管理、港湾運営、物流分野における実践的な技術ソリューションを募集する。同コンテストは国会決議第226/2025/QH15号に基づく新たな制度設計の準備とも連動している。

さらにハイフォン市は「Living Lab」モデル——実際のデータと市場を活用した実証実験空間——の構築を計画しており、規制サンドボックスの仕組みを導入する。半導体チップやAIといった戦略的技術の発展を促し、2030年までにイノベーション都市の世界トップ200入りを目指すとしている。

韓国企業間の技術移転契約も同時に締結

同イベントでは、KIST江陵分院センターと韓国企業ECO-HOPIA社の間で技術移転契約が結ばれたほか、ECO-HOPIA社とベトナムのソンザー・グリーン農業有限会社(Nông nghiệp xanh Sông Giá)との間でもMOUが締結された。農業バイオ分野での日韓越連携の広がりを示すものである。

ハイフォン市科学技術局は、同市が「韓国技術の受け入れ・移転における地域トップの拠点」となることを目標に掲げている。これはベトナム共産党政治局決議第57号——科学技術・イノベーション・デジタルトランスフォーメーションの飛躍的発展に関する決議——および国家スタートアップ戦略の具体化でもある。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の動きは、ベトナムが単なる「製造委託先」から「イノベーション拠点」へと進化する長期トレンドの一端を示している。いくつかの注目ポイントを整理する。

1. バイオテック関連銘柄への注目:ベトナム株式市場では医薬品・バイオ関連の上場企業(DHG=ハウザン製薬、IMP=インファーメックスなど)が存在するが、R&D機能の高度化が進めば、中長期的にセクター全体のバリュエーション底上げにつながる可能性がある。

2. ハイフォン市関連の恩恵:ハイフォン市に拠点を持つ工業団地運営企業(例:ディンブー工業団地関連)や港湾物流企業は、スマートシティ化やR&D拠点集積による地価・賃料上昇の恩恵を受ける可能性がある。

3. 日本企業への示唆:ハイフォン市にはすでに多くの日系製造業が進出しているが、今後はバイオテックやAI領域での産学連携の機会も広がる。特にKIST Techhubのようなオープンイノベーション拠点は、日系企業にとっても技術パートナー発掘の場となり得る。

4. FTSE新興市場指数格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるベトナムのFTSE新興市場指数への格上げに向け、ベトナム政府は国際的な信認獲得を急いでいる。科学技術分野での国際連携の拡充は、市場の成熟度や制度整備のアピール材料となり、格上げ判断にプラスに働く間接的要素と言えるだろう。

ハイフォン市が掲げる「2030年イノベーション都市トップ200」という目標は野心的だが、KISTという実績ある研究機関との連携、Living Lab・サンドボックスといった先進的制度設計、そして港湾・物流という既存の産業基盤を組み合わせれば、決して絵空事ではない。ベトナム地方都市のポテンシャルに改めて注目すべき局面である。


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出典: 元記事

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