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ベトナムCII社の転換社債に申込殺到、募集額の324%到達—ホーチミン高速道路拡張プロジェクトへの期待

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ベトナムのインフラ投資大手であるホーチミン市技術インフラ投資株式会社(CII、ホーチミン証券取引所上場)が発行する転換社債に、募集額の約3.2倍に相当する申込みが殺到している。無担保・15年満期という条件にもかかわらず、投資家の旺盛な需要が示された形であり、ベトナムにおけるインフラ投資への高い関心を改めて浮き彫りにした。

目次

転換社債の概要—2,500億ドン規模の大型起債

CIIは2026年4月1日から、銘柄コード「CII425002」として2,500万口の転換社債の募集を進めている。1口あたりの発行価格は10万ドンで、総発行額は2,500億ドン(原文ママ:2.500 tỷ đồng=2兆5,000億ドン)に達する。満期は15年と長期に設定されており、普通株式への転換権が付された転換社債である一方、ワラント(新株予約権)は付帯せず、担保資産も設定されていない。

転換比率は1:8、すなわち社債1口につき普通株式8株に転換可能であり、転換価格は1株あたり1万2,500ドンとなる。転換は2027年1月25日から2039年1月25日まで計13回の転換期が設定されている。

申込額は8,100億ドン超—募集額の324%に到達

CIIの発表によると、2026年6月9日午後5時時点で、同社債に対する投資家からの購入申込総額は8,100億ドン(原文ママ:8.100 tỷ đồng=8兆1,000億ドン)を超え、募集額の約324%に相当する水準に達した。無担保の社債にもかかわらずこれほどの超過需要が生じたことについて、CII側は「インフラ投資分野の魅力の高さに加え、CIIの信用力、財務基盤、大規模インフラプロジェクトの遂行能力が投資家から高く評価された結果」と分析している。

調達資金の使途—ホーチミン〜チュンルオン〜ミートゥアン高速道路の拡張

今回の社債発行で調達する資金は、ホーチミン市とメコンデルタ地域を結ぶ幹線ルートである「ホーチミン市〜チュンルオン〜ミートゥアン高速道路」の拡張プロジェクトに充当される。この高速道路はベトナム南部の物流・交通の大動脈であり、急増する交通量への対応が喫緊の課題となっていた。CIIはBOT(建設・運営・移転)方式でチュンルオン〜ミートゥアン区間を既に運営しており、同区間の料金収入は安定的な成長を続けている。

2026年第1四半期の業績—交通料金収入は堅調も純利益は減少

CIIの2026年第1四半期の連結税引後利益は408億ドンとなり、前年同期の956億ドンから大幅に減少した。ただし、販売・サービス提供に係る粗利益は前年同期比240億ドン増加しており、交通料金徴収事業が安定した増収基調を維持していることが背景にある。交通料金収入は7,100億ドン超に達し、前年同期比9%増を記録した。

CIIによれば、この増収は運営中プロジェクトの通行車両数の増加と、BOT高速道路チュンルオン〜ミートゥアン区間における料金改定が寄与したものである。一方、一部BOTプロジェクトにおける「財務的利益」(交通料金収入を通じて回収される性質のもの)が当期に減少したことにより、金融収益が前年同期比800億ドン減少し、最終利益の押し下げ要因となった。

なお、2026年6月10日の取引終了時点で、CII株の株価は前日比6.71%上昇の1万7,500ドンとなっている。転換価格1万2,500ドンとの比較では約40%のプレミアムが存在しており、転換社債の投資家にとっても転換メリットが見込める水準にある。

投資家・ビジネス視点の考察

今回のCII転換社債への申込殺到は、複数の観点から注目に値する。

第一に、ベトナムのインフラ投資需要の強さである。ベトナム政府は南北高速道路の全線開通をはじめ、空港・鉄道・都市交通など大規模インフラへの投資を加速させている。民間資本の活用はその柱の一つであり、CIIのようなインフラ専業企業への資金流入は今後も継続が見込まれる。日本企業にとっても、ベトナムのインフラ関連サプライチェーンへの参入機会は拡大傾向にある。

第二に、ベトナム社債市場の回復を示すシグナルである。2022〜2023年に社債市場は不動産企業のデフォルト問題で大きく冷え込んだが、今回の無担保社債が3倍超の申込みを集めたことは、市場の信認回復を裏づけるものといえる。ただし、投資家は個別企業の信用力を厳しく選別しており、すべての社債発行が同様の結果を得られるわけではない点には留意が必要である。

第三に、2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げとの関連である。格上げが実現すれば、海外機関投資家からの資金流入が加速し、ベトナム株式市場全体の流動性が向上する。CIIのようなインフラ関連銘柄は、政府の公共投資拡大と相まって恩恵を受ける可能性がある。転換社債の株式転換が進めば発行済株式数の増加による希薄化リスクはあるものの、調達資金が収益性の高い高速道路拡張に充当されることで、中長期的な企業価値向上が期待される。

CIIの株価は足元で上昇基調にあり、インフラセクターへの関心の高まりとともに今後の動向を注視したい。


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出典: 元記事

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