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EV販売が37カ国で過去最高を記録、ベトナム含む東南アジアも40%増—日本車メーカーへの影響は

Doanh số xe điện lập kỷ lục tại 37 quốc gia
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イラン情勢に端を発する燃料価格の高騰を背景に、2025年3〜4月の電気自動車(EV)販売台数が世界37カ国で過去最高を記録した。東南アジアでも前年同期比40%増の9万台に達し、中国メーカーの攻勢が日本車メーカーの牙城を揺るがしつつある。ベトナムを含む東南アジア市場の構造変化は、日本の投資家にとって見過ごせないシグナルである。

目次

37カ国で記録更新——補助金頼みから「実需主導」へ転換

日経アジアの報道およびS&P Global Mobilityのデータによると、同社が追跡する150カ国のうち、3月にはオーストラリアや英国を含む28カ国で月間EV販売台数が過去最高を更新。4月にはブラジルやフィリピンなど9カ国が新たに加わり、合計37カ国で記録が塗り替えられた。3〜4月を通じて見ると、追跡対象国の91%でEV販売が前年同期比プラスとなり、この比率が90%を超えたのは2023年4月以来初めてである。

注目すべきは、この成長が政府の補助金や優遇策の拡大によるものではなく、むしろ多くの国で補助金が縮小・廃止された後に起きている点である。イラン紛争による原油価格の急騰がガソリン車の維持コストを押し上げ、消費者がランニングコストの低いEVへ自発的に移行する「実需主導」の構造転換が進んでいることを示している。

地域別の明暗——韓国140%増、米中は減少

中東産原油への依存度が高い韓国では、3〜4月のEV販売が前年同期比140%増の8万台超に急伸。新車販売に占めるEVの比率は14ポイント上昇し26%に達した。

東南アジアでは同40%増の9万台を記録し、EV比率は16%に到達した。16%は業界で「ティッピングポイント(普及の臨界点)」とされる水準であり、ここを超えるとEVが急速に大衆化するとされている。実際、世界全体では38カ国でEV比率が10%を突破し、うち28カ国が16%超となった。

EU(欧州連合)でもEV販売は40%増と回復基調に転じた。

一方、中国では1月からのEV購入税優遇の縮小が響き、販売台数は8%減の133万台に落ち込んだ。ただし自動車市場全体の冷え込みが大きいため、EVの市場シェア自体は5ポイント上昇の42%となっている。米国ではEV補助金が昨年9月に終了しており、販売は20%減と大幅に落ち込んだ。

米中2大市場の不振により、世界全体のEV販売増加率は8%にとどまった。しかしこの2カ国を除く148カ国では50%増となり、EVの販売比率も過去最高の12%を記録している。

日本は50%増も、シェアはわずか2%

日本では政府がガソリン価格を補助金で抑制しているため、他国ほどEVへの転換圧力が強くない。それでも1月に見直されたEV補助金制度の効果もあり、3〜4月の販売は50%増となった。ただしEVの市場シェアは約2%と依然として低水準にとどまっており、世界の潮流との乖離が鮮明である。

中国メーカーの輸出攻勢——東南アジアで日本車を脅かす

今回のEVシフトの波は、中国自動車メーカーのグローバル展開を一段と加速させている。中国の自動車業界団体によれば、4月の自動車輸出は前年同期比70%増の90万台に達し、うちEVとプラグインハイブリッド(PHEV)を合わせた「新エネルギー車」の輸出は2倍超の43万台と、輸出全体の約半分を占めた。

IEA(国際エネルギー機関)によると、2025年に米国・欧州・中国以外の市場で販売されるEV・PHEVの55%が中国からの輸入品である。特に中東産原油への依存度が高い東南アジアでは、価格競争力のある中国製EVが急速に浸透しており、長年この地域を支配してきた日本車メーカーにとって深刻な脅威となっている。

IEAは5月20日の報告書で、今回のエネルギー危機への各国の対応が「今後数年間の世界自動車市場を形作る可能性がある」と指摘。1970年代の石油危機が燃費の良い日本の小型車を世界に広めたように、今回のイラン紛争がEV普及の決定的な転機となり得ると分析している。たとえ紛争が沈静化しても、一度EVに乗り換えた消費者がその利便性を体感すれば、ガソリン車に戻る動機は薄い。

投資家・ビジネス視点の考察

ベトナム市場への影響:東南アジアでEV比率が16%の「臨界点」に達したことは、ベトナムのEV関連銘柄にとって追い風である。ベトナムではビンファスト(VinFast、ベトナム初の国産EV メーカー、米ナスダック上場・ティッカー:VFS)がEV市場を牽引しており、地域全体のEV需要拡大は同社の販売台数増に直結する。また、EVに関連する充電インフラ、バッテリー部品、電力関連銘柄にも波及が期待できる。

日本企業への警鐘:トヨタやホンダなど東南アジアに強い日本車メーカーにとって、中国EVメーカーの攻勢は市場シェアの構造的な転換リスクを意味する。ベトナムでもトヨタは長年トップシェアを維持してきたが、ビンファストや中国勢の台頭により競争環境は急速に変化している。日本の自動車部品メーカーでベトナムに生産拠点を持つ企業も、EV対応の遅れが業績リスクとなる可能性がある。

FTSE新興市場指数への格上げとの関連:2026年9月に予定されるベトナムのFTSE新興市場指数への格上げが実現すれば、海外からの資金流入が加速する。その際、成長セクターであるEV関連銘柄は機関投資家の注目を集めやすい。今回のデータが示す東南アジアのEV市場拡大トレンドは、ベトナム市場の「成長ストーリー」の一翼を担う要素として、格上げ後のバリュエーション評価にもプラスに働くだろう。

マクロ的位置づけ:ベトナムは原油の純輸出国でありながらガソリンは輸入に依存する構造を持つ。原油価格の高騰はガソリン小売価格に波及しやすく、消費者のEVシフトを後押しする環境にある。政府も2050年カーボンニュートラル目標を掲げており、EV普及は国家戦略とも整合する。エネルギー安全保障の観点からも、ベトナムにおけるEV市場の成長は中長期的な構造トレンドとして捉えるべきである。


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出典: 元記事

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