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ハノイ市、地下空間・低空空間の利用料徴収を制度化—不動産開発に新規制

Hà Nội triển khai Nghị quyết về các khoản thu từ không gian ngầm, không gian tầm thấp
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ハノイ市(ベトナムの首都)人民委員会は、地下空間および低空空間の開発・利用から生じる収入に関する新たな規定の実施計画を正式に発表した。これは都市部の立体的な空間資源を初めて体系的に「収益化」する試みであり、今後の不動産開発やインフラ投資の在り方に少なからぬ影響を及ぼす可能性がある。ベトナムの首都が抱える土地不足と都市開発需要の高まりを背景に、地上だけでなく地下・上空の空間までも行政管理と財源確保の対象とする本格的な制度整備が始まったといえる。

目次

ハノイ市が実施計画第285号を発表

今回の動きは、ハノイ市人民委員会常務副委員長のズオン・ドゥック・トゥアン(Dương Đức Tuấn)氏が署名し発行した「実施計画第285号(Kế hoạch số 285/KH-UBND)」に基づくものである。この計画は、ハノイ市人民評議会(HĐND thành phố)が採択した決議、すなわち市内における地下空間および低空空間の開発・利用から生じる一部の収入項目を定めた決議を具体的に実行に移すためのロードマップとなる。

ベトナムでは近年、地方自治体レベルでの財源確保や都市計画の高度化が課題となっており、ハノイ市のような大都市では地上の土地資源がすでに逼迫している。そのため、地下鉄(メトロ)や地下駐車場、地下商業施設といった「地下空間」の活用、さらにはドローン物流やエアタクシーなど将来的な利用が見込まれる「低空空間」の管理・課金の枠組みを整備する必要性が高まっていた。今回の実施計画は、こうした立体的な都市空間の利用を制度的に位置付け、これらの空間から得られる収入を市の財源として明確化することを狙いとしている。

地下空間・低空空間という新たな政策領域

「地下空間(không gian ngầm)」とは、文字通り地下鉄駅やトンネル、地下ショッピングモール、地下駐車場などを指すが、近年のハノイ市では都市交通の混雑緩和策として地下鉄路線(例:カットリン-ハドン線など)の整備が進められており、地下空間の商業利用や附帯施設の設置に伴う権利関係の整理が急務となっていた。一方で「低空空間(không gian tầm thấp)」という概念は、ベトナムの行政文書としては比較的新しい表現であり、低高度を飛行するドローンや将来的な都市航空交通(UAM:Urban Air Mobility)などを想定した規定と見られる。これらの空間利用に対して使用料や許可料といった形で収入を得る仕組みを構築することは、単なる財源確保にとどまらず、都市の三次元的な空間管理をどう制度化するかという、ベトナムの都市行政における先進的な取り組みとも言える。

市人民評議会決議の位置づけ

本件の根拠となっているのは、ハノイ市人民評議会が可決した決議であり、地方議会レベルでの法的根拠に基づき、地下・低空空間の開発利用から生じる特定の収入項目を明文化したものである。ベトナムの行政システムにおいて、省・直轄市クラスの人民評議会は、中央政府の枠組みの下で独自の財政関連決議を制定する権限を有しており、ハノイ市は先進的な都市管理モデルとして、こうした新領域の規定を全国に先駆けて整備した形となる。今回の実施計画第285号は、この決議を現場レベルでどのように運用していくかを定める、いわば「執行マニュアル」としての性格を持つ。

今後の展開と留意点

元記事の時点では、具体的な料金体系や対象となる事業者・施設の範囲、徴収開始時期などの詳細については明らかにされていない。しかし、都市部における地下・低空空間の商業利用が今後さらに拡大することを見据え、関連する不動産デベロッパー、インフラ運営事業者、さらには物流・ドローン関連事業者にとっては、新たなコスト要因あるいは事業機会として注視すべき動きであることは間違いない。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の実施計画は、直接的にはハノイ市の行政運用に関するものであり、即座に株式市場全体を動かすような性質のニュースではない。しかし、中長期的な視点で見れば、いくつかの重要な示唆を含んでいる。

まず、不動産・インフラ関連銘柄への影響である。ハノイ市内で大規模な複合開発を手掛けるデベロッパー(地下駐車場や地下商業施設を伴う大型プロジェクトを展開する企業など)にとっては、地下空間利用に伴う新たなコスト項目が発生する可能性がある。一方で、こうした制度整備はルールの明確化という側面もあり、これまで曖昧だった地下空間の権利関係が整理されることで、逆に大型プロジェクトの許認可プロセスが円滑化するという見方もできる。ベトナム証券市場に上場する主要デベロッパーの今後の開示情報や、地下鉄・地下商業施設プロジェクトの進捗には注意を払う価値があるだろう。

次に、ドローン・低空物流関連の新興ビジネスへの影響である。「低空空間」に対する課金の枠組みが整備されるということは、裏を返せばベトナム政府が将来的なドローン配送や都市航空交通の実用化を見据えて制度設計を始めていることを意味する。日本企業の中には、物流分野やスマートシティ関連技術でベトナム進出を検討する企業も多く、こうした規制動向は事業計画を立てる上で早期に把握しておくべき情報である。

また、FTSEラッセルによる新興市場指数への格上げ(2026年9月の決定が見込まれる)との関連で見ると、ベトナムは市場インフラ・法制度の透明性向上を評価基準の一つとされており、今回のような地方自治体レベルでの制度整備の積み重ねは、間接的にせよ「法制度の成熟度」を示す材料の一つとなり得る。もっとも、これはあくまで都市計画・財政分野の一施策であり、格上げの直接的な判断材料になるわけではない点には留意が必要だ。

総じて、ハノイ市の今回の動きは、ベトナムの首都が土地資源の制約に直面する中で、都市空間を立体的に捉え直し、新たな財源と管理の枠組みを模索している象徴的な事例と言える。今後、他の主要都市(ホーチミン市、ダナン市など)が同様の制度を追随して導入するかどうかも、ベトナムの都市開発トレンドを占ううえで注目される点である。


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出典: 元記事

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