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2026年7月24日時点で、ベトナム証券市場に上場する企業および銀行1,523社のうち500社(市場全体の時価総額の26.7%を占める)が2026年第2四半期(4〜6月期)の財務諸表または業績速報を公表し、税引後利益の合計が前年同期比19.7%増となったことが明らかになった。決算発表シーズンの序盤ながら、市場全体の収益基調が引き続き上向いていることを示す数字として、投資家の注目を集めている。
500社が示す決算シーズンの序盤戦況
ベトナムの証券市場は、ハノイ証券取引所(HNX)とホーチミン証券取引所(HOSE)を中心に、上場企業・銀行を合わせて1,523社が名を連ねる。今回集計対象となったのは、このうち決算発表または業績速報を出した500社であり、全体の約33%に相当する。ただし時価総額ベースで見ると市場全体の26.7%にとどまっており、いまだ多くの大型株・主力銘柄の決算発表が控えている段階だ。つまり、今回の「19.7%増」という数字はあくまで序盤データであり、今後発表される大手企業の決算次第で最終的な市場全体の増益率は上下する可能性がある点には留意が必要である。
ベトナムでは日本と同様、四半期ごとに上場企業が財務諸表(Báo cáo tài chính)または業績速報(ước tính sơ bộ kết quả kinh doanh)を公表する慣行がある。特に第2四半期決算は、年間業績のトレンドを占う上で重要な指標として市場関係者から重視されている。今回、税引後利益が前年同期比で約2割増となったことは、2025年後半から続くベトナム経済の回復基調が、企業収益の面でも着実に裏付けられつつあることを意味する。
増益の背景にあるベトナム経済のマクロ動向
ベトナムは近年、輸出製造業(特に電子機器・繊維・履物などの労働集約型産業)を中心とした外需の回復に加え、国内消費の持ち直し、そして政府による積極的なインフラ投資・公共事業支出が経済成長を下支えしてきた。加えて、ベトナム国家銀行(Ngân hàng Nhà nước Việt Nam、中央銀行に相当)による緩和的な金融政策も、企業の資金調達コストを抑制し、収益改善に寄与しているとみられる。
銀行セクターについても、与信残高の拡大や不良債権処理の進展などを背景に、業績が堅調に推移している銀行が多いと見られ、今回の全体増益率を押し上げた一因になっている可能性が高い。ベトナムの証券市場では、銀行株が時価総額に占める割合が非常に大きいため、銀行セクターの決算動向は市場全体の指標に強く影響する構造がある点も、日本の投資家は理解しておくべきポイントだ。
今後発表される大型株の動向に注目
今回のデータはあくまで500社分であり、ビングループ(Vingroup、ベトナム最大手のコングロマリット)や、ビナミルク(Vinamilk、乳製品最大手)、ホアファット(Hoa Phat、鉄鋼最大手)といった時価総額上位の主力企業の多くは、まだ決算を発表していないとみられる。これらの大型株の業績次第で、市場全体の増益率は今後さらに上振れ、あるいは下振れする可能性がある。特に不動産セクターや消費関連セクターの大手企業の決算内容は、ベトナム経済の実態をより正確に映し出す指標として注視されるべきだろう。
投資家・ビジネス視点の考察
今回の19.7%という増益率は、ベトナム株式市場(VN-Index)にとって強気材料と受け止められる可能性が高い。特に外国人投資家にとっては、企業収益の裏付けがある中での株価上昇は、単なる期待先行の相場ではなく、ファンダメンタルズに基づいた評価であることを示す重要なシグナルとなる。
ここで見逃せないのが、2026年9月に予定されているFTSE(英FTSEラッセル社が算出する株価指数)による「新興市場(Secondary Emerging Market)」への格上げ判断だ。ベトナムは長らく「フロンティア市場」に分類されてきたが、証券決済制度の改善(外国人投資家向けの前払い義務の緩和など)を背景に、格上げ期待が高まっている。仮に格上げが実現すれば、パッシブファンド・アクティブファンド双方から数十億ドル規模の資金流入が見込まれるとの試算もあり、今回のような企業収益の改善傾向は、格上げ後のベトナム市場の「質」を裏付ける材料としても重要な意味を持つ。
日本企業にとっても、ベトナムに進出済みの製造業・小売業・金融機関などは、現地パートナー企業や取引先企業の業績動向を注視する必要がある。特にサプライチェーン上で密接な関係にある製造業セクターの決算内容は、今後の追加投資判断や事業拡大計画に直結する情報となるだろう。また、ベトナム株式市場への投資を検討する日本の個人投資家にとっても、今回のような決算集計データは、市場全体の温度感を把握する上で有用な一次情報である。
総じて、ベトナム経済は輸出・消費・金融の各セクターがバランスよく回復基調にあり、今回の決算発表序盤データはそのトレンドを裏付けるものと言える。今後発表される大型株の決算、そしてFTSE格上げの正式決定に向けた動向を、引き続き注視していきたい。
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出典: 元記事












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