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ベトナム人観光客の85%が「サステナブル旅行」重視、ハノイの新観光戦略とは

Trải nghiệm xanh: Sức hút mới của du lịch Thủ đô
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
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世界的な旅行予約サイト大手ブッキング・ドットコム(Booking.com)が発表した第11回「Travel & Sustainability Report(旅行とサステナビリティに関する年次報告書)」によると、ベトナム人旅行者の実に85%が「持続可能な旅行はより重要、あるいは非常に重要である」と回答したことが明らかになった。この数字は、旅行者の意識が単なる観光消費から「環境や地域社会への配慮」を伴う旅行スタイルへとシフトしている、いわゆる「グリーン・トランスフォーメーション(緑色転換)」を如実に反映するものであり、首都ハノイ(Hà Nội)の観光産業にも新たな追い風となりつつある。

目次

ハノイ観光の「新しい魅力」としてのグリーン・ツーリズム

ハノイは1000年以上の歴史を持つベトナムの政治・文化の中心地であり、旧市街(Phố Cổ)や紅河(Sông Hồng)流域の水郷風景、西湖(Hồ Tây)周辺の街並みなど、伝統と近代が交錯する景観で知られる。近年、こうした歴史的資産に加えて「環境配慮型の旅行体験(トラベル・エクスペリエンス)」が新たな観光資源として注目され始めている。具体的には、電動シクロやEバイクを活用した市内周遊ツアー、有機農法を取り入れた郊外の農村ホームステイ、プラスチックごみ削減を掲げるエコロッジやブティックホテルの増加などが挙げられる。

ブッキング・ドットコムの調査は、こうした「グリーン消費」への意識がベトナム国内旅行者の間で急速に広がっていることを裏付けている。85%という数字は、東南アジア地域の中でも高水準であり、都市部を中心に環境意識の高い中間層・若年層が旅行スタイルの選択に大きな影響を与えていることを示唆している。

背景にあるベトナム政府の「グリーン成長戦略」

ベトナム政府はここ数年、「国家グリーン成長戦略(Chiến lược quốc gia về tăng trưởng xanh)」を掲げ、観光分野を含む経済全体でカーボンニュートラルや持続可能な発展を推進している。2050年までのネットゼロ達成を国際公約として掲げるベトナムにとって、観光業は外貨獲得の柱であると同時に、環境負荷の大きい産業でもあるため、両立が政策的な重要課題となっている。ハノイ市当局も観光局を中心に、地域コミュニティと連携したサステナブルツーリズムの推進策を打ち出しており、今回のBooking.comの調査結果は、そうした政策の方向性と旅行者の意識変化が合致していることを示す好材料といえる。

コロナ後の観光回復とグリーン需要の交差点

新型コロナウイルス禍からの観光回復局面において、ベトナムはインバウンド・国内旅行ともに力強い成長を見せてきた。特にハノイは、外国人観光客だけでなく国内富裕層・中間層の週末旅行先としても人気が高まっており、「量の拡大」から「質の向上」へと観光戦略の重心が移りつつある。サステナブルツーリズムはまさにこの「質」を象徴するキーワードであり、環境配慮型の宿泊施設や体験型ツアーへの投資は、今後の観光収入の質的向上に直結すると期待されている。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の調査結果は、直接的な株価材料としてのインパクトは限定的であるものの、中長期的なベトナム観光関連銘柄の投資テーマを考えるうえで重要な示唆を含んでいる。まず、ホテル・リゾート運営大手であるビングループ(Vingroup、ベトナム最大手のコングロマリット)傘下のビンパール(Vinpearl)や、サンウォーターワールド(Sun Group)などの観光インフラ関連企業は、今後「グリーン認証」や「エコ施設」を差別化要因として打ち出す動きを強める可能性がある。こうした企業の環境対応投資は短期的にはコスト増となるが、中長期的にはブランド価値向上と客単価上昇につながる可能性がある。

また、日本企業にとっても示唆に富む。日本の旅行会社やホテルチェーン、さらには環境配慮型の建材・設備メーカーにとって、ベトナムのグリーンツーリズム市場は新たな進出機会となり得る。特に日本は省エネ技術や廃棄物管理のノウハウで強みを持つため、ハノイをはじめとするベトナムの観光地における「サステナブル・インフラ」整備において、技術提携や合弁事業の余地が広がっていると見られる。

さらに、2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げも視野に入れる必要がある。格上げが実現すれば海外機関投資家の資金流入が期待され、観光・消費関連セクターを含むベトナム株式市場全体への注目度が一段と高まる可能性が高い。サステナビリティを重視するESG志向の海外機関投資家にとって、今回のような「グリーン消費意識の高まり」を示すデータは、ベトナム市場への投資判断における一つの安心材料となり得るだろう。

ベトナム経済全体のトレンドとしても、製造業の高度化やデジタル経済の拡大と並行して、観光・サービス業における「持続可能性」への意識転換は、ベトナムが単なる「安価な労働力・観光地」から「質の高い成長市場」へと進化しつつあることを象徴する動きといえる。今後、ハノイをはじめとする主要観光都市がこの「グリーン・トレンド」をどう政策と企業戦略に落とし込んでいくか、引き続き注視する価値がある。


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出典: 元記事

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