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世界経済の先行き不透明感が増し、ベトマの事業環境も決して順風満帆とは言えない中、現地に進出する欧州系企業の間で経営者の景況感が改善しているという興味深い調査結果が明らかになった。欧州ビジネス協会(EuroCham:ヨーロピアン・チェンバー・オブ・コマース・イン・ベトナム)が実施した最新のビジネス信頼感指数(BCI:ビジネス・コンフィデンス・インデックス)調査によると、グローバル経済の不安定さや国内ビジネス環境の課題に直面しながらも、企業の信頼感は着実に上向いているという。逆風の中でもしたたかに事業を回し続けるベトナム進出企業の実態が浮き彫りになった格好だ。
EuroChamの最新調査が示す企業心理の変化
EuroChamは欧州連合(EU)加盟国を中心とした企業がベトナムでビジネスを展開する上での声を集約し、定期的にビジネス信頼感指数を発表している団体である。ベトナム政府や関係省庁との対話窓口としても機能しており、その調査結果は外資系企業の投資マインドを測る重要な指標として、内外の政策関係者や投資家から注目されてきた。
今回の調査では、米国の関税政策の行方や世界的なサプライチェーンの再編、インフレ圧力の継続といった外部要因が企業経営に重くのしかかる中でも、ベトナムでビジネスを行う欧州企業の多くが「今後の見通しは決して悲観的ではない」と回答した点が特徴的だ。国内のビジネス環境については、行政手続きの煩雑さやインフラ整備の遅れ、法制度の運用面での不透明さなど、これまでも指摘されてきた課題が依然として解消されていないとの声が根強い。それにもかかわらず、企業の信頼感指数自体は改善傾向を示しており、これは短期的な逆風よりも中長期的なベトナム市場の成長ポテンシャルを重視する企業マインドの表れと解釈できる。
「逆風の中での適応力」がキーワードに
元記事のタイトルにもある通り、今回のテーマは「複数の圧力の中で奮闘する企業(doanh nghiệp xoay xở giữa loạt áp lực)」である。すなわち、単一の課題ではなく、グローバルなマクロ経済環境の悪化、地政学的リスク、国内の制度的課題という複合的な圧力が同時に企業経営者にのしかかっている状況を指す。こうした複合的な逆風の中でも企業が「何とかやりくりしながら(xoay xở)」事業を継続し、むしろ将来への期待を高めているという構図は、ベトナム経済のレジリエンス(強靭性)を象徴するエピソードとして注目に値する。
背景には、ベトナムが「チャイナ・プラスワン」戦略の受け皿として世界的なサプライチェーン再編の恩恵を受け続けている構造的な要因がある。米中対立の長期化や地政学リスクの高まりを背景に、多国籍企業が生産拠点を中国一極から分散させる動きは依然として続いており、ベトナムはその有力な移転先の一つとして位置づけられている。欧州企業にとっても、EUとベトナムの間で発効しているEVFTA(EU・ベトナム自由貿易協定)による関税優遇措置は大きな魅力であり、短期的な逆風があっても中長期的な生産・投資拠点としての価値を見直す動きが根強いとみられる。
残る課題と政府への期待
一方で、調査からは行政手続きの効率化、インフラ投資の加速、法制度運用の透明性向上など、ベトナム政府に対する継続的な改善要望も浮かび上がっている。ベトナムはここ数年、行政手続きのデジタル化や投資許認可プロセスの簡素化を進めてきたが、地方によって運用にばらつきがあることや、通関・税務手続きの複雑さは依然として外資系企業にとっての悩みの種となっている。欧州企業の信頼感が改善しているとはいえ、こうした構造的課題の解消なくしては、さらなる投資拡大の障壁になりかねないという指摘も根強い。
投資家・ビジネス視点の考察
今回のEuroCham調査結果は、ベトナム株式市場や進出企業にとって複数の示唆を含んでいる。第一に、外資系企業の景況感改善は、ベトナムの製造業セクターや工業団地関連銘柄、物流・港湾関連銘柄にとってポジティブな材料となり得る。欧州企業による追加投資や生産能力拡大の動きが続けば、これらのセクターの業績にも波及効果が期待できるためだ。
第二に、日本企業にとっても示唆に富む。日本もベトナムにとって主要な投資国の一つであり、欧州企業と同様に「グローバルな逆風の中でもベトナム市場を重視する」という戦略は共通している。今回の調査結果は、日本企業がベトナムでの事業継続・拡大を検討する際の参考材料としても有用だろう。特に、行政手続きの課題については日系企業からも同様の声が上がっており、政府の改善スピードを注視する必要がある。
第三に、2026年9月に決定が見込まれるFTSEラッセルによる新興国市場への格上げとの関連性も見逃せない。外資系企業のビジネス信頼感の改善は、ベトナムの投資環境全般に対する外国人投資家の評価向上とも連動しやすく、株式市場への外国人資金流入を後押しする材料の一つとなり得る。FTSE格上げが実現すれば、パッシブ資金を中心に数十億ドル規模の資金流入が期待されるとの見方もあり、企業景況感の改善はその地合いをさらに下支えする好材料と位置づけられる。
総じて、今回のニュースは「ベトナム経済は逆風下でも底堅い」という近年一貫したトレンドを裏付けるものであり、短期的な世界経済の不透明感に一喜一憂するのではなく、中長期的な視点でベトナム市場を評価する投資家にとっては安心材料と言えるだろう。
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出典: 元記事












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