こんにちは、ベトナム株投資アドバイザーのベトテク太郎です。
ベトナムの金融政策に大きな転換点がやってきました。今回明らかになった個人預金額の過去最高更新は、低金利環境下でも堅調な資金流入が続いていることを示しており、ベトナム経済の底堅さを物語っています。
「銀行金利が下がっても預金量が増え続ける」という現象は、実は私が現地で日々感じているベトナム人の貯蓄に対する考え方と一致しています。それでは詳しく分析していきましょう。
預金過去最高更新の背景:ベトナム人の堅実な貯蓄志向
今回発表されたデータによると、2025年6月末時点で銀行預金額が約1京5790兆VND(約88兆円)となり、過去最高を更新しました。これは本当に驚異的な数字です。
【内訳】
・個人の預金額が前年末比+8.91%増の約7690兆VND(約43兆円)で過去最高
・法人の預金額が同+5.70%増の約8100兆VND(約45.3兆円)
・マネーサプライは前年末比+9.32%増の1京9580兆VND(約110兆円)超
現地で生活していて感じるのは、ベトナム人の貯蓄に対する堅実な姿勢です。特にハノイやホーチミンの中間層では、「まずは銀行預金で安全に資産を蓄える」という考え方が根強く残っています。
銀行預金が年1.6~5.9%という過去数年で見たときの低金利環境下(コロナ前とかは8%とかでした)でも預金が増え続けているのは、以下の要因が考えられます:
所得水準の着実な向上 ベトナムの一人当たりGDPは年々上昇しており、可処分所得の増加が預金増加の最大の要因です。特にテクノロジー分野や製造業で働く若年層の収入向上は顕著で、彼らが積極的に預金を行っています。
投資リテラシーの向上待ち 現地で投資セミナーなどに参加すると分かるのですが、まだまだ株式投資に対する知識や理解が十分でない層が多く、「安全な銀行預金」を選択する傾向があります。
不動産投資への準備資金 多くのベトナム人にとって「不動産購入」は人生の大きな目標であり、その頭金準備のための預金増加も影響していると考えられます。
金利環境の変化:年末にかけて下落予測の意味
MB証券が予測している「年末にかけて預金金利が4.7%程度に低下」という見通しは、投資家にとって重要なシグナルです。
国家銀行の政策意図 ベトナム国家銀行が預金金利の引き下げを推進する背景には、「貸出金利引き下げによる経済活性化」があります。これは金融緩和政策の一環として理解すべきでしょう。
銀行セクターへの影響 預金金利の低下は、銀行の資金調達コスト削減につながります。私のポートフォリオで保有している銀行株(VCB、CTG、VPBなど)にとっては、利ざや改善要因となる可能性があります。
個人投資家の資金シフト 預金金利がさらに低下すれば、より高いリターンを求めて株式市場や不動産市場への資金シフトが加速する可能性があります。これは株式市場にとってポジティブな要因です。
現地で感じる金融環境の変化
私が実際にベトナムの銀行を利用していて感じる変化について触れておきます。
デジタル化の加速 各銀行のモバイルアプリやオンラインサービスが急速に充実しており、預金や振込などの利便性が大幅に向上しています。これが預金増加の一因でもあります。
金融商品の多様化 従来の定期預金に加えて、各銀行が投資信託や保険商品の販売を強化しており、顧客の選択肢が増えています。
競争激化による金利競争 民間銀行を中心に、預金獲得競争が激化しており、同じ期間でも銀行によって金利差が生じています。
投資戦略への影響:株式市場への資金流入期待
今回のデータから読み取れる投資機会について考えてみましょう。
銀行株への影響 預金増加は銀行の資金調達基盤強化を意味します。特に以下の銀行に注目しています:
- ベトコムバンク(VCB):国営最大手として預金集約力が高い
- VPバンク(VPB):積極的なリテール戦略で預金増加の恩恵大
- テクコムバンク(TCB):デジタル化で若年層の預金獲得に成功
不動産セクターへの期待 預金増加の背景にある「不動産投資への準備」は、将来的な不動産需要増加を示唆しています。ビングループ(VIC)やビンホームズ(VHM)などの大手デベロッパーに注目です。
消費関連株への影響 所得向上による預金増加は、将来的な消費拡大期待につながります。FPT(IT)、ビナミルク(VNM)、マサングループ(MSN)などの消費関連株にもポジティブです。
リスク要因:インフレと実質金利の関係
一方で、注意すべきリスク要因もあります。
インフレリスク 2025年のベトナムのインフレ率が預金金利を上回る場合、実質的な資産価値の目減りが発生します。現在のインフレ率動向を注視する必要があります。
政策変更リスク 金融政策の急激な変更により、金利環境が想定と異なる方向に動く可能性があります。
外資流出リスク グローバルな金利上昇局面では、ベトナムからの外資流出圧力が高まる可能性があります。
まとめ:預金増加は経済成長の証、投資機会の拡大期待
今回の個人預金額過去最高更新は、ベトナム経済の健全性と成長力を示す重要な指標です。低金利環境下でも預金が増加し続けているのは、所得水準の向上と経済への信頼感の表れと言えるでしょう。
年末にかけての金利低下予測は、銀行セクターの収益改善要因となる一方、投資資金の株式市場への流入加速期待も高まります。
現地で生活していて感じるのは、ベトナム人の金融リテラシーが徐々に向上しており、「預金から投資へ」の流れが今後加速する可能性が高いということです。
私のポートフォリオでは、この預金増加トレンドの恩恵を受けやすい銀行株を中心に、不動産・消費関連株への投資を継続していく方針です。
皆さんはこの預金増加と金利低下予測をどう見られますか?ベトナムの金融環境の変化について、ぜひコメント欄でご意見をお聞かせください。
いかがでしたでしょうか。今回の預金過去最高更新について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄やX(@gonviet)のDMでお待ちしています。
この記事が参考になったら、ぜひXでシェアしていただけると嬉しいです。より多くの方にベトナム投資の魅力を伝えたいと思っています。
【メンバーシップのご案内】 より詳細な投資分析や、ポートフォリオの具体的な銘柄情報、現地からのリアルタイム情報をお求めの方は、ぜひメンバーシップへのご参加をご検討ください。 https://note.com/gonviet/membership
一緒にベトナム株でFIREを目指しましょう!
【免責事項】 本記事の内容は、情報提供のみを目的としており、いかなる金融商品または仮想通貨への投資の推奨を意図するものではありません。ベトナム株式投資は価格の変動が大きく、リスクを伴う投資対象です。投資判断はご自身の責任に基づいて行ってください。本記事で提供される情報の正確性、完全性、または最新性については、最大限の注意を払っていますが、保証するものではありません。投資の際には、専門家への相談を推奨いたします。この記事は、法的、税務的、または財務的なアドバイスを提供するものではありません。本記事の情報に基づいて行われた投資による損失や損害について、執筆者および当ウェブサイトは一切の責任を負いません。株式投資およびその関連商品に投資する際は、各国の規制および法律を確認し、法令を遵守することが重要です。
#ベトナム株 #投資 #アジア株 #FIRE
コメント