【格上げ後のベトナム株価予想】過去の他国事例と比較してベトナムのVNINDEXがいくらまで上昇余地があるのか分析・解説します。【FTSE格上げ】

ベトナム株投資でFIREを目指す皆さん、こんにちは。ベトナム株投資アドバイザーのベトテク太郎です。

ベトナム株式市場のFTSE新興国市場への格上げが話題になっていますが、「実際のところ格上げってどれくらいのインパクトがあるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。今日は過去にフロンティア市場から第二新興国市場(Secondary Emerging Market)へ格上げされた国々の実績を詳しく見て、現在のVN-INDEX 1,666ポイント(2025年10月1日)を基準に、ベトナム株式市場の将来予測を試算してみましょう。

目次

格上げされた主要国のパフォーマンス振り返り

過去にFTSEによってフロンティアから第二新興国へ格上げされた主要な市場について、格上げ前後の株価推移を調べてみました。

ポーランド(2018年9月格上げ)

ポーランドは2018年9月に格上げされ、安定した成長を見せました。WIG指数の推移を見てみましょう。

  • 格上げ直前(2018年8月): 約58,000ポイント
  • 1年後(2019年8月): 約60,000ポイント(+3.4%)
  • 3年後(2021年8月): 約65,000ポイント(+12.1%)
  • 5年後(2023年8月): 約72,000ポイント(+24.1%)

ポーランドは堅実な成長を遂げましたが、格上げ直後の劇的な上昇は見られませんでした。むしろ、中長期的に安定した成長トレンドを維持したという印象です。

クウェート(2020年9月格上げ)

クウェートは2020年9月に第二新興国へ格上げされました。Boursa Kuwait Main Market 50指数の動きを追ってみます。

  • 格上げ直前(2020年8月): 約5,500ポイント
  • 1年後(2021年8月): 約6,800ポイント(+23.6%)
  • 3年後(2023年8月): 約7,200ポイント(+30.9%)

クウェートは格上げ後、比較的堅調なパフォーマンスを見せています。特に格上げ直後の1年間で約24%上昇したのは注目に値します。中東の産油国として経済基盤が安定していたことが、格上げ効果をスムーズに取り込めた要因と考えられます。

アルゼンチン(2018年9月格上げ)

アルゼンチンは2018年9月にフロンティアから第二新興国へ格上げされました。しかし、格上げ発表後、アルゼンチン経済は深刻な通貨危機に見舞われ、実質的な投資リターンはマイナスとなりました。

アルゼンチンは格上げの効果よりも、国内の経済政策の失敗が市場に大きな影響を与えた典型例であり、格上げが必ずしも株価上昇を保証するものではないことを示しています。

ベトナムの場合、どのくらい上昇する可能性があるのか?

では、現在のVN-INDEX 1,666ポイント(2025年10月1日現在)を基準に、過去の事例から学んだ上昇率を適用して、ベトナム株式市場の将来予測を試算してみましょう。

シナリオ1: 保守的予測(ポーランドモデル)

ポーランドの成長パターンを参考にした保守的なシナリオです。

  • 1年後(2026年10月): 1,666 × 1.034 = 1,723ポイント (+3.4%)
  • 3年後(2028年10月): 1,666 × 1.121 = 1,868ポイント (+12.1%)
  • 5年後(2030年10月): 1,666 × 1.241 = 2,067ポイント (+24.1%)

このシナリオは、堅実な成長を前提としていますが、ベトナムの高い経済成長率を考えると、やや控えめな予測といえます。

シナリオ2: 中庸予測(クウェートモデル)

クウェートの格上げ後パフォーマンスを参考にした中庸的なシナリオです。

  • 1年後(2026年10月): 1,666 × 1.236 = 2,059ポイント (+23.6%)
  • 3年後(2028年10月): 1,666 × 1.309 = 2,181ポイント (+30.9%)

このシナリオは、格上げによる外国人投資家の資金流入が順調に進むケースを想定しています。経済成長率の高いベトナムにとって、より現実的な予測かもしれません。

シナリオ3: 楽観的予測(ベトナム独自の成長力を加味)

ベトナム経済の特性(GDP成長率6-7%、製造業の拡大、若い人口構成)を加味した楽観的シナリオです。クウェートの上昇率に、ベトナムの高い経済成長率を考慮して、追加で年率3-5%の成長を上乗せします。

  • 1年後(2026年10月): 1,666 × 1.286 = 2,143ポイント (+28.6%)
  • 3年後(2028年10月): 1,666 × 1.409 = 2,347ポイント (+40.9%)
  • 5年後(2030年10月): 1,666 × 1.650 = 2,749ポイント (+65.0%)

このシナリオは、格上げ効果に加えて、ベトナム経済の構造的な成長力が持続する前提に立っています。

予測シナリオまとめ表

期間保守的(ポーランド型)中庸(クウェート型)楽観的(ベトナム独自)
現在(2025年10月)1,6661,6661,666
1年後(2026年10月)1,723 (+3.4%)2,059 (+23.6%)2,143 (+28.6%)
3年後(2028年10月)1,868 (+12.1%)2,181 (+30.9%)2,347 (+40.9%)
5年後(2030年10月)2,067 (+24.1%)2,749 (+65.0%)

ベトナムへの示唆は?

正直なところ、過去のデータを見ると「格上げ=必ず株価上昇」とは言い切れないんですよね。それぞれの国の経済状況や政治的安定性、産業構造によって結果は大きく異なります。

ただ、ベトナムの場合は以下の点でポジティブな要素が多いと感じています。

まず「経済成長の勢い」です。GDP成長率は年6-7%台を維持しており、製造業を中心とした産業基盤が確立されています。実際、私が住んでいるハノイでも工業団地の拡張が続いていて、外資系企業の進出ラッシュが止まりません。

次に「政治的安定性」。共産党一党支配という独特の体制ですが、経済政策については一貫して市場開放と外資誘致を推進してきました。この予測可能性は投資家にとって大きな安心材料です。

そして「市場の流動性改善余地」。現状のベトナム株式市場は決済期間がT+2で、外国人投資規制も残っています。格上げに向けてこれらの制度改革が進めば、機関投資家にとって投資しやすい市場に変貌する可能性があります。

現地から見た実感

先日、ホーチミンのカフェで現地投資家の友人と話していたんですが、彼は「FTSEの格上げよりも、MSCIの新興国入りの方がインパクトは大きい」と言っていました。確かにMSCIの方が追随する運用資金が大きいですからね。

ただ、FTSEの格上げが実現すれば、それがMSCIの判断にも良い影響を与えるはずです。段階的に市場の質が向上していく過程そのものが、長期投資家にとってはチャンスだと思うんです。

実際、私のポートフォリオでも主力銘柄の多くが外国人投資家比率の上限に近づいています。格上げによって外国人枠が拡大されれば、これらの優良銘柄にさらに資金が流入する可能性が高いでしょう。

個人投資家としての投資戦略

私自身のポートフォリオは、現在VN-INDEX連動のETF(FUEVFVND)を中心に、VIC(ビングループ)、FPT(FPT情報通信)などの優良大型株と、成長性の高い中小型株を組み合わせた構成になっています。

格上げを見据えた投資戦略としては、以下の3点を意識しています:

  1. ETFによる市場全体へのエクスポージャー: 格上げによる市場全体の底上げを取り込む
  2. 外国人枠が拡大する可能性のある優良銘柄: VIC、FPT、VNMなど外国人保有率が上限近い銘柄
  3. 現地情報を活かした成長株: ハノイやホーチミンで実際に成長を感じられる企業

特に中庸シナリオ(クウェートモデル)が実現すれば、1年後に約24%、3年後に約31%の上昇が期待できます。私のポートフォリオの現在の含み益率22.36%に、この上昇が加われば、かなりの資産増加が見込めますね。

まとめ

過去の格上げ事例を見ると、短期的な株価上昇は国によってまちまちです。しかし中長期的には、経済成長が堅調な国ほど格上げのメリットを享受できていることがわかります。

ベトナムの場合、現在のVN-INDEX 1,666ポイントから、保守的に見ても5年で2,067ポイント(+24%)、楽観的に見れば2,749ポイント(+65%)への上昇が期待できます。特に経済成長率、政治的安定性、産業基盤のどれをとっても、格上げ後のポジティブシナリオを描きやすい状況にあると感じています。

もちろん、米中対立の激化や世界経済の減速といったリスク要因もありますが、それを考慮しても長期投資先としての魅力は高いと考えています。

格上げは「ゴール」ではなく、ベトナム株式市場が次のステージに進むための「スタート地点」なんだと思います。この変化の過程に立ち会えることが、新興国投資の醍醐味ですよね。

いかがでしたでしょうか。今回のFTSE格上げの歴史的事例とベトナムへの試算について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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【免責事項】 本記事の内容は、情報提供のみを目的としており、いかなる金融商品または仮想通貨への投資の推奨を意図するものではありません。ベトナム株式投資は価格の変動が大きく、リスクを伴う投資対象です。投資判断はご自身の責任に基づいて行ってください。本記事で提供される情報の正確性、完全性、または最新性については、最大限の注意を払っていますが、保証するものではありません。投資の際には、専門家への相談を推奨いたします。この記事は、法的、税務的、または財務的なアドバイスを提供するものではありません。本記事の情報に基づいて行われた投資による損失や損害について、執筆者および当ウェブサイトは一切の責任を負いません。株式投資およびその関連商品に投資する際は、各国の規制および法律を確認し、法令を遵守することが重要です。

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