【ドン高トレンド継続が濃厚?】為替でベトナム株投資が完全に有利な件を解説してみる【JPY/VND為替シナリオ完全分析】

こんにちは、ベトナム株投資アドバイザーのベトテク太郎です。

ベトナム株投資を考えている方、あるいはすでに投資している方の多くが気にしているのが「為替リスク」ではないでしょうか。実は今、日本円とベトナムドンの為替相場が大きな転換点を迎えているんです。

高市早苗が新首相になることが決まり、ちまたでは円安が加速するという見方が強まっています。1ドルは148円まで円安が進み、1円は178ベトナムドンで推移しています。

ハノイで生活していて肌で感じるのは、ベトナム経済の底堅さです。街を歩けば新しいビルが次々と建ち、外国企業の進出が加速しています。この経済成長が、今後10年の為替相場にどう影響するのか。今回は、過去のチャート分析と3つのシナリオから、ベトナム株投資における為替戦略を徹底解説します。

目次

JPY/VND為替レートの歴史を振り返る

まず、過去の動きを確認しておきましょう。

1997年のアジア通貨危機前後、1円は約10ベトナムドンでした。その後、2008年の世界金融危機を経て200ドン台へ。2012年にはドン安のピークである280ドン近くまで上昇しました。

この時期、ベトナムは高インフレと経済不安定に悩まされていたんです。私がベトナムに来た頃は、まさにこの混乱期の名残がありました。しかし、2014年以降は170〜220ドンのレンジ相場に落ち着き、ベトナム経済も安定成長路線に入りました。

注目すべきは、2022年以降の動きです。一時220ドン台まで上昇した後、現在は178ドン付近まで低下しています。つまり、ドン高方向へのトレンドが明確になってきているわけです。

なぜ今、ドン高トレンドなのか

ハノイの街で実感するのは、外資企業の投資意欲の高さです。特にサムスンやLGといった韓国企業、そして日系企業も製造拠点をどんどん拡大しています。

ベトナムの外貨準備高は増加を続けており、2024年時点で過去最高水準に達しています。これは、輸出好調と外国直接投資の流入が続いている証拠です。GDP成長率も年率6〜7%を維持しており、この経済成長がドンの価値を支えているんです。

一方の日本円はどうでしょうか。低金利政策が長期化し、経済成長率も低迷しています。この構図が続く限り、JPY/VNDは下落(ドン高)トレンドを継続する可能性が高いと見ています。

今後10年の為替シナリオ【3つの可能性】

ここから、今後10年間の為替相場を3つのシナリオで分析します。投資戦略を考える上で、複数のシナリオを想定しておくことは非常に重要です。

シナリオ1: ベースケース「緩やかなドン高トレンド」(確率50%)

最も可能性が高いのが、このシナリオです。

2025年から2028年は、160〜190ドンのレンジ相場が続くと予想しています。ベトナム経済は年率6〜7%の安定成長を維持し、製造業のベトナムシフトがさらに加速します。日本企業も、中国リスクを避けてベトナムへの投資を増やすでしょう。

2029年から2032年にかけて、150〜170ドンへと徐々に低下(ドン高進行)していきます。この頃にはベトナムが中所得国の仲間入りを果たし、経済構造も一段と成熟化しているはずです。インフレ管理にも成功し、為替の安定性が増します。

そして2033年から2035年は、140〜160ドンで安定すると見ています。2035年の目標値は約150ドンです。これは現在(178ドン)から約16%のドン高を意味します。

つまり、ベトナム株で10%値上がりすれば、為替差益も含めて約26%のリターンが期待できるということです。この複利効果は無視できません。

シナリオ2: 楽観シナリオ「経済急成長による大幅ドン高」(確率25%)

次に、より楽観的なシナリオを考えてみましょう。

ベトナムが半導体やハイテク産業の一大集積地になった場合、このシナリオが現実になります。サムスンはすでにベトナムを最重要拠点と位置づけていますし、アップルもベトナム生産を拡大中です。この流れが加速すれば、外国直接投資が急増します。

さらに、ベトナム株式市場がMSCI新興国指数に正式組み入れされれば、海外からの資金流入が一気に増えるでしょう。貿易黒字も拡大し、外貨準備高がさらに積み上がります。

このシナリオでは、2025年から2030年にかけて170ドンから130ドルへと大きく低下します。2031年から2035年には120〜140ドンで推移し、2035年の目標値は約120ドンです。これは現在から約33%のドン高を意味します。

ベトナム株で20%値上がりすれば、為替差益を含めて約53%のリターンになります。夢のようなシナリオですが、決して非現実的ではありません。ハノイの工業団地を見ていると、この可能性を感じずにはいられません。

シナリオ3: 悲観シナリオ「地政学リスクによるドン安」(確率25%)

一方で、リスクシナリオも想定しておく必要があります。

米中対立が激化し、ベトナムが板挟みになった場合、外資が引き上げる可能性があります。また、ベトナムでは不動産市場が過熱気味で、バブル崩壊のリスクもゼロではありません。政治的な不安定化や、大規模な汚職スキャンダルも警戒すべき要因です。

このシナリオでは、2025年から2030年にかけて180〜210ドンへと上昇(ドン安)し、2031年から2035年には200〜230ドンで推移します。2035年の目標値は約210ドンで、現在から約18%のドン安です。

この場合、ベトナム株が20%値上がりしても、為替差損で相殺され、最終リターンは約2%にとどまってしまいます。このリスクは認識しておくべきでしょう。

ただし、ハノイで生活している私の実感としては、このシナリオの可能性は低いと考えています。ベトナム政府は外資誘致に非常に積極的ですし、経済政策も安定しています。

ベトナム株投資で為替差益を最大化する戦略

では、これらのシナリオを踏まえて、どんな投資戦略が有効でしょうか。

ドン高局面での利益確定ルール

まず重要なのは、利益確定のタイミングを事前に決めておくことです。私は以下のルールをおすすめしています。

JPY/VNDが160ドルを切ったら、保有株の30%を利益確定します。これで為替差益と株式値上がり益の両方を確保できます。さらに140ドルを切ったら、残りの50%を利確します。

ただし、全てを売却する必要はありません。優良企業の株は長期保有を続け、配当を受け取り続けるのも良い戦略です。

ドン安局面での仕込み戦略

逆に、JPY/VNDが180ドルを超えてきたら、これは絶好の買い場です。為替が不利な状況だからこそ、ベトナム株を割安に仕込めるチャンスと捉えましょう。

200ドルを超えたら、積極的に追加投資を検討してください。長期的にはドン高トレンドが続く可能性が高いため、この時期に仕込んだ株は将来大きなリターンをもたらすでしょう。

ドルコスト平均法で為替リスクを分散

為替変動が読めない方には、ドルコスト平均法が最適です。毎月一定額をベトナム株に投資し続けることで、為替リスクを時間分散できます。

私自身も、給料の一部を毎月自動的にベトナム株へ投資しています。為替が良い時も悪い時も、淡々と買い続けることで、長期的には平均取得価格が安定します。

為替変動をモニタリングする重要指標

ベトナム株投資家として、以下の指標は定期的にチェックすべきです。

ベトナムのインフレ率

目標は年率4%以下の維持です。インフレが6%を超えてくると、ドン安圧力が高まります。ベトナム統計総局のウェブサイトで毎月発表されるので、必ず確認しましょう。

外貨準備高の推移

外貨準備高が増加していれば、ドン高圧力が高まります。ベトナム国家銀行が四半期ごとにデータを公表しています。逆に急減した場合は、ドン安リスクのシグナルです。

貿易収支と外国直接投資

貿易黒字が拡大し、外国直接投資が増加していれば、ベトナム経済は健全です。これらのデータもベトナム統計総局で確認できます。

ハノイで生活していると、外資系企業の進出ニュースが頻繁に入ってきます。こうした現地情報も、投資判断の重要なヒントになります。

税務上の注意点も押さえておこう

為替差益は、確定申告で雑所得として申告する必要があります。ベトナム株を売却した際の為替差益も、きちんと計算して申告しましょう。

為替差損が出た場合は、他の雑所得と損益通算できます。投資記録をしっかりつけておくことが重要です。詳しくは税理士に相談することをおすすめします。

まとめ: 為替も味方につけてベトナム株でFIREを目指そう

今後10年、JPY/VND為替レートは緩やかなドン高トレンドを辿る可能性が高いと私は見ています。ベースケースでは約16%、楽観シナリオでは約33%のドン高が期待できます。

これは、ベトナム株投資にとって大きな追い風です。株価上昇に加えて為替差益も狙える、まさにダブルで利益を取れる環境が整いつつあります。

もちろん、悲観シナリオのリスクもゼロではありません。だからこそ、複数のシナリオを想定し、柔軟な投資戦略を持つことが重要です。利益確定のルールを決め、ドルコスト平均法でリスク分散し、重要指標をモニタリングする。この基本を守れば、為替変動は恐れるものではなく、むしろチャンスに変えられます。

ハノイの街で感じるベトナムの活気と成長力。この国の未来に投資することは、皆さんの資産形成にとっても大きな可能性を秘めていると確信しています。

いかがでしたでしょうか。今回の為替シナリオ分析について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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【免責事項】 本記事の内容は、情報提供のみを目的としており、いかなる金融商品または仮想通貨への投資の推奨を意図するものではありません。ベトナム株式投資は価格の変動が大きく、リスクを伴う投資対象です。投資判断はご自身の責任に基づいて行ってください。本記事で提供される情報の正確性、完全性、または最新性については、最大限の注意を払っていますが、保証するものではありません。投資の際には、専門家への相談を推奨いたします。この記事は、法的、税務的、または財務的なアドバイスを提供するものではありません。本記事の情報に基づいて行われた投資による損失や損害について、執筆者および当ウェブサイトは一切の責任を負いません。株式投資およびその関連商品に投資する際は、各国の規制および法律を確認し、法令を遵守することが重要です。

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