こんにちは、ベトナム株投資アドバイザーのベトテク太郎です。
ベトナム統計総局が2025年10月6日に発表した最新データによると、2025年第3四半期のGDP成長率は前年同期比8.23%増となりました。これは過去11年間で2番目に高い成長率であり、2022年のコロナ後の急回復期を除けば最高水準です。この力強い成長は、ベトナム経済の底堅さと将来性を改めて示すものとなっています。
驚異的な成長を支える3つの柱
今回発表された重要ポイントは以下の通りです。
サービス業が経済の半分以上を牽引
9か月間のサービス業の成長率は8.49%に達し、GDP全体の51.6%を占めています。ハノイの街を歩いていると、この数字が実感として伝わってきます。特に旧市街エリアでは、新しいカフェやレストランが次々とオープンし、週末になると地元の人々や観光客で賑わっています。
タイ湖周辺の外国人居住区でも、高級レストランやバー、フィットネスクラブなどのサービス施設が増加中です。先日、ロッテセンター・ハノイを訪れた際も、平日の昼間にもかかわらず多くの買い物客で賑わっていました。ベトナムの中間層の購買力が確実に高まっていることを肌で感じます。
製造業の好調が続く
工業・建設部門も順調で、9か月間で8.55%の成長を記録しました。中でも製造業は9.92%増と二桁成長に迫る勢いです。
ハノイ郊外のロンビエン工業団地では、サムスンやLGといった韓国企業の大型工場が24時間体制で稼働しています。これらの工場で生産されたスマートフォンや電子部品が、世界中に輸出されているのです。日系企業も多く進出しており、ベトナムの製造業の集積度の高さを実感します。
正直なところ、2020年代前半はコロナの影響で製造業も苦戦していましたが、ここにきて完全に回復基調に乗ったと言えるでしょう。
輸出が過去最高ペース
9か月間の輸出入総額は6,806.6億ドルに達し、前年同期比17.3%増となりました。輸出は16%増、輸入は18.8%増で、貿易黒字は168.2億ドルを記録しています。
この数字を見ると、ベトナムが「世界の工場」として確実にポジションを確立しつつあることが分かります。特に電子機器、繊維製品、農産物の輸出が好調で、米中貿易摩擦の影響で生産拠点を中国から移す企業の受け皿としても機能しています。
インフレは抑制、物価の安定を維持
9か月間の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同期比3.38%、2024年12月比では2.61%にとどまっています。
ハノイで生活していて感じるのは、物価上昇は確かにあるものの、急激なインフレという印象はないということです。日常的に買い物をするビンコム・メガモールなどのスーパーマーケットでも、価格は比較的安定しています。
ベトナム政府は天災の影響を受けた地域での供給管理と価格統制を徹底しており、これが功を奏しています。新興国では二桁インフレが珍しくない中、ベトナムのこの物価安定性は投資家にとって大きな安心材料です。
企業の新設ラッシュが示す楽観的な見通し
9か月間で23万1,300社以上の企業が新規設立または事業再開しました。これは前年同期比26.4%増で、月平均2万5,700社が市場に参入している計算です。
一方、市場から撤退した企業は月平均1万9,400社にとどまり、新規参入数を下回っています。この数字は、ベトナムのビジネス環境が改善し続けていることを示しています。
実際、私の周りでも起業する友人が増えています。ベトナムでは会社設立の手続きが簡素化され、オンラインで完結できるようになったことも、この起業ブーム��支えています。
製造業の企業調査が示す明るい未来
第3四半期に実施された製造業企業への調査では、40.8%の企業が第4四半期の業績が「改善する」と回答しました。「安定する」との回答は41.7%、「困難になる」は17.5%にとどまりました。
つまり、8割以上の企業が「横ばい以上」と見ているわけです。この楽観的な見通しは、年末商戦への期待や、世界経済の回復基調を反映していると考えられます。
ベトナム株投資家にとっての意味
今回の統計データは、ベトナム株投資家にとって非常にポジティブな材料です。GDP成長率8%超という数字は、多くの先進国が1-2%の成長に苦しむ中、際立っています。
特に注目すべきは以下の3点です。
セクター別の投資機会
サービス業の成長率8.49%は、小売、飲食、観光関連企業への投資チャンスを示唆しています。製造業の9.92%成長は、工業団地運営会社や物流企業にも追い風です。
私自身のポートフォリオでも、小売大手のモバイル・ワールド・インベストメント(MWG)や、不動産・工業団地開発のベカメックス(BCM)などを保有していますが、こうした成長データを見ると保有を継続する判断に自信が持てます。
マクロ経済の安定性
GDP成長率が高い一方でインフレ率が3%台に抑えられているというのは、非常に理想的な状態です。これは金融政策の余地があることを意味し、必要に応じて金利を調整して景気を刺激できる余力があるということです。
外国投資の呼び込み
貿易黒字の拡大と企業新設数の増加は、ベトナムへの外国直接投資(FDI)がさらに増える可能性を示唆しています。FDIの増加は、雇用創出、技術移転、インフラ整備など、多方面でプラスの効果をもたらします。
注意すべきリスク要因
もちろん、楽観的な見方だけでは不十分です。いくつかのリスク要因も認識しておく必要があります。
世界経済の減速リスク
ベトナム経済は輸出依存度が高いため、主要輸出先である米国、中国、EU経済の減速は大きな影響を及ぼします。特に2025年後半の世界経済の動向には注視が必要です。
不動産市場の調整
ベトナムの不動産市場は過熱感があり、政府は引き締め策を講じています。不動産関連企業への投資は、慎重に銘柄を選ぶ必要があります。
インフラの制約
急速な経済成長に対して、道路、港湾、電力などのインフラ整備が追いついていない側面があります。これが成長のボトルネックになる可能性もあります。
私の投資戦略
今回の統計データを受けて、私は以下の方針で投資を継続します。
まず、製造業関連銘柄への投資を維持します。特に電子部品、繊維、食品加工などの輸出型製造業に注目しています。これらの企業は、ベトナムの輸出増加の恩恵を直接受けるからです。
次に、サービス業への投資比率を少し引き上げる予定です。中間層の拡大と消費の伸びを考えると、小売、飲食、教育、ヘルスケアなどのセクターには大きな成長余地があります。
一方で、不動産セクターへの新規投資は慎重に判断します。一部の優良デベロッパーは魅力的ですが、市場全体としては調整局面にある可能性があるためです。
最後に、ポートフォリオ全体のリスク管理も徹底します。ベトナム株は新興国株特有のボラティリティがあるため、一つのセクターや銘柄に集中しすぎないよう分散投資を心がけています。
まとめ:長期投資家にとっての好機
ベトナムのGDP成長率8.23%という数字は、単なる統計以上の意味を持っています。それは、この国が持続的な成長軌道に乗っていることの証明であり、長期投資家にとって大きなチャンスが広がっていることを示しています。
ハノイで生活していて実感するのは、この国の若いエネルギーと前向きな雰囲気です。1億人を超える人口の平均年齢は約32歳で、働き盛りの世代が経済を牽引しています。
もちろん、短期的には株価の上下動もあるでしょう。しかし、長期的な視点で見れば、ベトナムは今後10年、20年にわたって成長を続ける可能性が高いと私は考えています。
皆さんも、今回の統計データを参考に、ご自身の投資戦略を見直してみてはいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか。今回のベトナムGDP成長率について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
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