ベトナム株市場の新時代到来:FTSEラッセル「新興国」格上げに伴い、中央清算機関と外資規制緩和が変える投資環境

こんにちは、ベトナム株投資アドバイザーのベトテク太郎です。

ハノイに住んで12年、ベトナム株式市場をずっと見てきましたが、今回のニュースは本当に「歴史的」という言葉がふさわしい内容でした。

目次

市場格上げ後の本気度が違う

FTSE Russellによる新興国市場への格上げ。これ自体も大きなニュースでしたが、今回ファム・ミン・チン首相が出した公電第192号の内容を見て、「あ、本気だな」と感じました。

ハノイで生活していて感じるのは、ベトナム政府が一度「やる」と決めたことの推進力です。この国は社会主義国家ですから、トップダウンでの意思決定が非常に速い。今回の首相公電も、その本気度を示すものです。

実は先週、ハノイのロッテセンターで開かれた投資セミナーに参加したんですが、そこでも「市場インフラの整備」が最大のテーマでした。現地の証券会社も、外国人投資家の受け入れ体制強化に本腰を入れ始めています。

中央清算機関(CCP)導入の意味

今回の発表で最も重要なのが、2027年初めまでに中央清算機関(CCP)を導入するという方針です。

これ、投資をしている人なら「当たり前じゃん」と思うかもしれませんが、ベトナム株市場にとっては革命的な変化なんです。

現状のベトナム株取引では、決済リスクや取引の透明性に課題がありました。ハノイの証券会社で口座を開設したときも、正直「本当に大丈夫かな」と不安になったことを覚えています。手続きが煩雑で、外国人投資家にとってはハードルが高かったんです。

中央清算機関が導入されれば、取引の安全性が飛躍的に向上します。これは外国機関投資家にとって、ベトナム市場参入の最大の障壁が取り除かれることを意味します。

というか、むしろこれがないと新興国市場の仲間入りをしても、実質的な資金流入は限定的だったかもしれません。政府もそれを分かっているからこその今回の動きです。

外国人保有枠の緩和:投資家として注目すべきポイント

もう一つ、投資家として見逃せないのが外国人保有枠の見直しです。

現在、ベトナム株には外国人投資家の保有比率に上限があります。多くの企業で49%、銀行など一部セクターではもっと厳しい制限があります。この制限のせいで、魅力的な銘柄でも外国人保有枠が満杯で買えないという状況が頻繁に起きていました。

僕自身も経験があります。3年前、ある有望な銀行株を買おうとしたら、外国人枠が埋まっていて買えなかった。その後その銘柄は2倍以上に上昇しました。あのときの悔しさは今でも覚えています。

今回の方針では「国家安全保障に関係しない分野」での外国人保有枠の緩和または撤廃を検討するとのこと。これが実現すれば、外資の流入が加速し、株価にも大きなプラス影響が期待できます。

市場操作の取り締まり強化:クリーンな市場へ

首相公電では、市場操作や価格つり上げなどの不正行為を厳正に取り締まる方針も示されています。

正直に言うと、ベトナム株市場には一部の銘柄で価格操作的な動きが見られることがありました。ハノイの投資家仲間との会話でも「あの銘柄、明らかに誰かが仕掛けてるよね」という話題が出ることがあります。

これが改善されれば、より公正で透明性の高い市場になります。短期的には一部の銘柄で調整が入る可能性もありますが、長期的には健全な市場形成につながります。真面目に投資している僕たちにとっては、むしろ歓迎すべき動きです。

為替ヘッジ商品の開発:リスク管理の選択肢が増える

ベトナム株投資で常につきまとうのが為替リスクです。僕の総資産9,153万円のうち、大半がベトナムドン建て資産ですから、為替変動の影響は無視できません。

今回、中央銀行に為替リスクを抑えるヘッジ商品の開発が指示されました。これは外国人投資家だけでなく、僕たちベトナム在住の日本人投資家にとっても朗報です。

現状では、ベトナムドンの為替ヘッジ手段は非常に限られています。僕は資産の一部を日本円建ての投資信託で保有することでリスク分散していますが、もっと効率的なヘッジ手段があれば投資戦略の幅が広がります。

投資家としてどう向き合うべきか

ここまで読んでくださった方は「で、今後どうすればいいの?」と思っているかもしれません。

僕の考えを率直に言うと、これらの改革は段階的に進むため、短期的な急騰を期待するのは早計です。でも、2027年のCCP導入に向けて、今後2年間で市場環境は着実に改善していくでしょう。

実は、こういう制度改革が進むときこそ、じっくりと優良銘柄を仕込むチャンスだと僕は考えています。市場インフラが整備され、外資規制が緩和されれば、評価されるべき企業が正当に評価される環境が整います。

ハノイのカフェで現地の証券アナリストと話していたとき、彼がこう言っていました。「ベトナム市場は今、第二の成長ステージに入ろうとしている。インフラが整えば、本当の実力が発揮される」と。

僕も全く同じ意見です。

注目すべきセクターと銘柄

今回の改革で特に恩恵を受けそうなのが、以下のセクターです:

銀行セクター:外国人保有枠の緩和が実現すれば、資金流入が期待できます。現在外国人枠が満杯の大手銀行株は要チェックです。

証券セクター:市場改革で取引量増加が見込めます。中央清算機関の運営に関わる企業にも注目です。

優良大型株:市場の透明性向上で、ファンダメンタルズの良い企業が正当に評価される環境になります。

具体的な銘柄名については、メンバーシップ限定でより詳しく分析していますので、興味のある方はぜひご参加ください。

2027年に向けたロードマップ

今回の首相公電を受けて、今後のスケジュールはこんな感じになりそうです:

2025年:法制度の整備、行政手続きの簡素化 2026年:外国人保有枠の段階的緩和、市場監視体制の強化 2027年初め:中央清算機関(CCP)の導入

このロードマップを頭に入れておくと、投資戦略も立てやすくなります。僕自身も、この流れに合わせてポートフォリオを調整していく予定です。

ベトナム株投資の新時代

市場格上げ、中央清算機関の導入、外資規制の緩和。これらが全て実現すれば、ベトナム株市場は完全に新しいステージに入ります。

ハノイで生活していて、街の発展を肌で感じています。新しいオフィスビルが次々と建ち、外資系企業の進出も加速しています。でも、それ以上に今回の市場改革は、ベトナム経済の本気度を示すものです。

というか、正直これを逃すのはもったいないです。12年前、僕がベトナム株投資を始めたとき、周りからは「危ない」「リスクが高すぎる」と散々言われました。でも今、あのとき投資した資産は何倍にもなっています。

今回の改革は、当時とは比較にならないほど市場環境が整備される転換点です。リスクはまだありますが、それを補って余りあるチャンスがそこにあります。

そういうことなんです。

いかがでしたでしょうか。今回の市場改革について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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