こんにちは、ベトナム株投資アドバイザーのベトテク太郎です。
AIサブスクリプション戦争が、いよいよベトナムでも本格化してきました。OpenAIが10月9日、ベトナムを含む18の新興国市場で最も安価なサブスクリプションプラン「ChatGPT Go」を導入。月額わずか4ドル(約132,000VND)という価格設定は、ベトナムのAI市場に大きなインパクトを与えています。
ChatGPT Go、ベトナム上陸の背景
10月9日午後、ベトナム国内の多くのユーザーがChatGPTのサブスクリプション登録ページに新しいプランが追加されていることに気付きました。これまでベトナムで提供されていたのは、月額20ドルの「Plus」と月額200ドルの「Pro」の2種類のみ。そこに突如現れた月額4ドルの「Go」プランは、価格面で大きな注目を集めています。
新プランの価格設定は以下の通りです。
- Web経由:月額4ドル(為替レートにより変動)
- Android版アプリ:月額120,000VND(VAT抜き)
- iOS版アプリ:月額132,000VND
ハノイで生活していて感じるのは、この価格帯がベトナムの中間所得層にとって「手が届くAI」として位置づけられている点です。コーヒー1杯が2万~3万VNDの国で、月額12万VNDというのは「ちょっと贅沢だけど、自己投資としては妥当」と感じる絶妙なラインなんです。
ChatGPT Goで何ができる?制限は?
無料版と比較して、Goプランでは以下の機能が利用可能になります。
- GPT-5とのチャット機能
- 画像作成機能
- ファイルアップロード
- カスタムGPTへのアクセス
一方で、以下のプレミアム機能は利用できません。
- ディープリサーチモード
- エージェント機能
- Soraビデオクリエーター
- Codexを使用したプログラミング機能
正直なところ、一般的なビジネス用途や学習目的であれば、Goプランの機能で十分だと感じます。画像作成とカスタムGPTが使えるだけで、ベトナムのスタートアップやフリーランサーには大きな価値があるはずです。
ベトナムAI市場の競争激化
興味深いのは、OpenAIだけでなく、Googleやベトナム企業も同時期に動いている点です。
Googleの動き: 9月末にAI Plusパッケージを月額122,000VNDで提供開始。GmailやDriveに統合されたGemini、Gemini 2.5 Proモデル、NotebookLM機能などが利用可能です。
ベトナム企業Misaの参戦: 複数のAIモデルを同時利用できるサービスパッケージを月額50万VNDから提供。5人での共有が可能という点が特徴的です。
この価格競争、実は単なる値下げ合戦ではありません。ベトナム市場の購買力に合わせた「戦略的なローカライゼーション」なんです。
なぜベトナムが重要市場なのか?
OpenAIがベトナムを含む18市場で同時展開した理由は明確です。
人口ボーナスと若年層: ベトナムの人口約1億人のうち、35歳以下が約60%を占めます。デジタルネイティブ世代が労働市場の中心となる今、AI活用能力が競争力の源泉になります。
デジタル化の加速: ベトナム政府が推進するデジタルトランスフォーメーション政策により、企業のAI導入意欲が急速に高まっています。タイ湖エリアのスタートアップ企業を訪問すると、ほぼ全社がなんらかのAIツールを業務に組み込んでいます。
教育市場の巨大さ: ベトナムの大学生数は約200万人。オンライン学習の普及により、学生がAIを学習ツールとして活用する動きが加速しています。
ベトナムAI市場への投資視点
投資家として注目すべきポイントは以下です。
1. インフラ企業への影響: FPT(証券コード:FPT)やViettel(未上場)など、クラウドサービスやデータセンターを提供する企業にとって、AI需要の拡大は追い風です。FPTは直近四半期の売上高が15兆VND(前年同期比+20%)と好調を維持しています。
2. 教育テック企業: TOPICAやFUNiXなど、オンライン教育プラットフォームを運営する企業は、AI統合により学習体験を向上させる余地があります。
3. BPO・オフショア開発企業: AI活用が進むことで、ベトナムのBPO企業(例:Saigon BPO、CMC)は、より高付加価値なサービスを提供できるようになります。実は、僕が勤めるオフショア開発の現場でも、AIツールの導入により生産性が30%向上したプロジェクトがあります。
AIの民主化がもたらすもの
月額132,000VNDという価格設定が意味するのは、AIの民主化です。これまで一部の大企業や富裕層しかアクセスできなかった最先端技術が、ベトナムの中間所得層にも届くようになりました。
ハノイの旧市街を歩いていると、小さなカフェでラップトップを開いてChatGPTを使う若者の姿をよく見かけます。彼らは英語学習、ビジネスプラン作成、プログラミング学習など、さまざまな目的でAIを活用しています。
この動きは、ベトナムの労働市場全体のスキルアップにつながり、中長期的には国全体の競争力向上に寄与するはずです。そして、それは投資家にとって、ベトナム株の長期的な成長ポテンシャルを裏付ける材料になります。
今後の展望:AI競争の行方
GoogleのAI Plusが月額122,000VND、ChatGPT Goが132,000VND。この僅か1万VNDの差が、今後の市場シェア争いを左右するかもしれません。
ただし、価格だけが勝負の決め手ではありません。ベトナムユーザーが重視するのは以下の点です。
- ベトナム語対応の精度:まだ英語に比べて精度が劣る場面があります
- ローカルコンテンツとの統合:ベトナム特有の情報にどれだけアクセスできるか
- 決済の利便性:クレジットカード普及率が低いベトナムでは、電子ウォレット対応が鍵
この競争、最終的には「誰が最もベトナム市場を理解しているか」が勝敗を分けるはずです。
まとめ:AI時代のベトナム
ChatGPT Goの登場は、ベトナムがグローバルAI市場の重要プレーヤーとして認識されている証拠です。月額132,000VNDという価格は、「AIはもはや贅沢品ではなく、必需品である」というメッセージを発信しています。
投資家として、この動きをどう見るか。僕は、ベトナムのデジタル経済が次のステージに入ったと捉えています。AI活用が進むことで、ベトナム企業の生産性が向上し、それが業績に反映される。そんな好循環が始まろうとしているんです。
いかがでしたでしょうか。今回のChatGPT Go導入について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
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