ハノイ都市鉄道2号線着工!日本の円借款2千億円でベトナムの交通革命が始まる

こんにちは、ベトナム株投資アドバイザーのベトテク太郎です。

ハノイで生活していて感じるのは、とにかく交通渋滞がひどいということ。朝の通勤時間帯なんて、バイクと車で道路が完全に埋め尽くされます。ノイバイ空港から市内まで、空いてれば30分のところが、渋滞にハマると1時間半かかることもザラです。

そんなハノイの交通問題を解決する大きなニュースが飛び込んできました。10月9日、ハノイ都市鉄道2号線の建設着工式典が開催されたんです。日本政府が円借款で約2千億円を支援する方向で調整が進んでいます。

正直、「またか」という気持ちもあります。実はこの2号線、2009年に一度整備が決まったものの、ベトナム側の都合で中断されていたプロジェクト。それが15年以上の時を経て、ようやく動き出すことになりました。

今回は、なぜこのタイミングで再開されたのか、日本企業やベトナム株投資家にとってどんな意味があるのか、現地在住の視点から深掘りしていきます。

目次

2千億円規模のプロジェクトが動き出す背景

今回の発表内容をまとめると以下の通りです。

ハノイ都市鉄道2号線の概要

  • 総延長:約12km(将来的にはノイバイ国際空港まで延伸予定)
  • 推計整備費用:35兆ドン(約2,000億円)超
  • 資金調達:日本政府の円借款を活用予定
  • ルート:ハノイ中心部と新興開発地を結ぶ
  • 技術:日本の鉄道関連技術を採用見通し
  • 経緯:2009年に計画決定も中断、2024年12月に正式再開

ハノイで生活していて感じるのは、この鉄道プロジェクトがどれだけ待ち望まれていたかということです。

タイ湖エリアに住んでいる僕は、市内中心部のロンビエン工業団地方面に行くのにいつも渋滞に悩まされています。距離的には10kmもないのに、朝のラッシュ時は40分以上かかることも。これが鉄道で結ばれれば、移動時間は確実に半分以下になるはずです。

トー・ラム書記長の決断が動かした巨大プロジェクト

2024年夏、ベトナム最高指導者の共産党書記長に就任したトー・ラム氏。彼のインフラ整備推進方針が、この15年間眠っていたプロジェクトを目覚めさせました。

ハノイの街を歩いていると、ベトナム政府の本気度が伝わってきます。工事現場の看板が増え、測量作業が進んでいる様子が見られるようになりました。

トー・ラム書記長は「汚職撲滅」と「インフラ整備」を二本柱に掲げています。今回の2号線プロジェクト再開は、まさにその方針を具現化したものと言えるでしょう。

ベトナムの交通インフラ投資は今がチャンス

経済成長が続くベトナムでは、バイクや自動車が激増し、交通渋滞や大気汚染が深刻化しています。ハノイの大気質指数(AQI)は、悪い日には150を超えることもあり、健康への影響が懸念されています。

都市鉄道を軸とした公共交通機関の整備は、もはや「あったらいいな」ではなく「なければ経済成長が止まる」レベルの急務となっているんです。

ホーチミンの成功事例が示すインパクト

南部ホーチミンでは2024年に、日本の円借款を活用した都市鉄道1号線が開業しました。僕も出張のたびに利用していますが、その利便性は格段に向上しています。

ベンタイン市場からスオイティエン遊園地まで、以前はタクシーで1時間以上かかっていたのが、鉄道なら30分程度。運賃も2万ドン(約120円)程度と格安です。

週末には家族連れで鉄道に乗る光景が当たり前になり、沿線の不動産価格も上昇傾向にあります。ハノイでも同じ現象が起きることは間違いないでしょう。

日本企業にとっての課題と機会

ただし、手放しで喜べない問題もあります。ホーチミンの都市鉄道プロジェクトでは、日本企業への工事費支払い遅延が発生し、現在も未解決のままです。

この影響で、日系企業がハノイ2号線の事業参画に後ろ向きとの報道もあります。「また支払い遅延が起きるんじゃないか」という懸念は、現地の日系企業関係者の間でもよく聞かれる話です。

それでも参入する価値はあるのか

現地で日系企業の方々と話をしていると、「リスクはあるが、ベトナム市場を諦めるわけにはいかない」という声が多数派です。

なぜなら、ベトナムの人口は約1億人、平均年齢は32歳という若さ。GDP成長率は年6〜7%台を維持しており、インフラ需要は今後10年以上続くことが確実だからです。

支払い遅延問題は確かに深刻ですが、ベトナム政府も国際的な信用を失うわけにはいきません。トー・ラム政権が「透明性の向上」を掲げている今こそ、問題解決の好機とも言えます。

ベトナム株投資家が注目すべき関連銘柄

今回の2号線プロジェクトで恩恵を受けそうなベトナム上場企業をいくつか挙げてみます。

建設・インフラ関連企業

ビナコネックス(VCG):ベトナム最大級の総合建設会社。国家プロジェクトへの参画実績が豊富で、都市鉄道関連工事への参入可能性が高い企業です。直近の時価総額は約1兆ドン、PER12倍程度と割安水準にあります。

ホアビン建設(HBC):ハノイに本社を置く大手建設会社。地元企業として地の利があり、付帯工事などでの受注が期待できます。

不動産関連企業

ビングループ(VIC):ベトナム最大の複合企業。沿線開発で圧倒的な存在感を持つ企業です。鉄道駅周辺の大規模開発を手がける可能性が高く、2号線の恩恵を最も受ける銘柄の一つでしょう。

時価総額は約42兆ドン(約2,400億円)、PER15倍前後で推移しています。僕自身もポートフォリオの一角を占めている銘柄です。

セメント・建材関連企業

ホアンロン・セメント(HLG):ハノイ近郊に生産拠点を持つセメント大手。大規模インフラプロジェクトでは膨大なセメント需要が発生するため、確実に恩恵を受ける企業の一つです。

2号線が変えるハノイの未来

将来的にノイバイ国際空港まで延伸される計画というのが、個人的には最も期待しているポイントです。

現在、空港と市内を結ぶ公共交通機関は、2022年に開通した3A号線のみ。これだけでは全く足りていません。タクシーは渋滞の影響を受けるし、配車アプリのGrabも混雑時は高額になります。

2号線が空港まで延伸されれば、ハノイは「真の国際都市」に近づくでしょう。観光客にとっても、ビジネスパーソンにとっても、アクセスの良さは都市の魅力を大きく左右します。

ハノイの街を歩いていて感じるのは、この街の潜在能力の高さです。旧市街の歴史的な魅力、タイ湖エリアの洗練された雰囲気、そして今、急速に開発が進む新興エリア。これらが鉄道で結ばれれば、ハノイの価値は飛躍的に高まるはずです。

投資家として注目すべき今後の展開

今回の着工式典は「スタート」に過ぎません。ここから本当の勝負が始まります。

注目すべきポイントは以下の3つです。

1. 円借款の正式供与時期 日本政府は「調整を進める」段階であり、まだ正式決定ではありません。正式発表のタイミングで関連銘柄が動く可能性があります。

2. 日本企業の参画状況 どの企業が受注するかで、関連するベトナム企業の株価も変動します。合弁会社設立などの発表には要注目です。

3. 工事の進捗状況 ベトナムのインフラプロジェクトは遅延が常態化しています。四半期ごとの進捗報告をチェックし、順調に進んでいるかを確認することが重要です。

僕自身、この2号線プロジェクトを「10年がかりの投資テーマ」として捉えています。完成までに5〜7年、その後の経済効果が本格化するまでさらに数年。長期投資の視点で、関連銘柄を少しずつポートフォリオに組み入れていく戦略です。

まとめ:ハノイの交通革命は始まったばかり

15年越しで動き出したハノイ都市鉄道2号線プロジェクト。日本の円借款2千億円という大規模支援のもと、ベトナムの交通インフラは大きく変わろうとしています。

現地で生活していると、この変化を肌で感じます。「渋滞のないハノイ」は、もう夢物語ではありません。

投資家としては、この大きな変化を「チャンス」と捉えるか「リスク」と捉えるかで、今後の資産形成が大きく変わってくるでしょう。

僕は、チャンスだと信じています。

いかがでしたでしょうか。今回のハノイ都市鉄道2号線プロジェクトについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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