こんにちは、ベトナム株投資アドバイザーのベトテク太郎です。
先の記事で「日本で買えるベトナム投資信託ランキング」を書きました。確かに日本で買えるベトナムの投資信託は安心して買える、円で投資できるというメリットはあります。
しかし、僕は言いたい事があります。
「ベトナム投資信託の手数料、高すぎません?」
これ、日本で投資信託を買おうとした人なら、絶対に思ったことあるはず。年率2%の信託報酬って、100万円投資したら年間2万円が自動的に消えていく計算です。
ハノイに住んで12年、総資産9,153万円の僕が断言します。
日本のベトナム投資信託は、ぼったくりレベルで高い。
でも待ってください。実は、ベトナム現地の証券会社で投資信託を買えば、手数料が10分の1になるんです。
信じられますか? 年率2%が、0.65%になる。これ、30年で計算したら差額が300万円を超えます。
「でも、ベトナムで証券口座を開くなんて無理でしょ?」
って思いますよね。僕も最初はそう思ってました。でも実際にやってみたら、意外と簡単だった。今日は、その方法と、現地で買うべきおすすめ投資信託を全部教えます。
衝撃の事実:日本の投資信託は手数料が3倍高い
ハノイのロッテセンターでコーヒーを飲みながら、この記事を書いてます。目の前のテーブルには、日本とベトナムの投資信託の手数料比較表。
見るたびにため息が出る。
日本のベトナム投資信託の平均手数料:年率1.9%
ベトナム現地の投資信託の平均手数料:年率0.65%
約3倍の差です。
「たった1.25%の差でしょ?」
って思いました? その考え、めちゃくちゃ危険です。
100万円を30年間、年率8%で運用したとします。
- 手数料1.9%の場合:最終資産は約620万円
- 手数料0.65%の場合:最終資産は約880万円
差額260万円。
これ、ヤバくないですか? 同じベトナム市場に投資してるのに、証券会社が違うだけで260万円も損する。
僕は3年前、このカラクリに気づいて愕然としました。それまで日本のSBI証券でベトナムファンドを買ってたんですが、「これ、完全に搾取されてるじゃん」って。
と、若干感情的になってしまいましたが、要は手数料を甘く見ちゃダメなんです。
ベトナム現地で買える投資信託の衝撃的な安さ
ベトナムには証券取引所が2つあります。ホーチミン証券取引所(HOSE)とハノイ証券取引所(HNX)。
そして、ベトナム国内の証券会社で買える投資信託(ETFを含む)は、手数料が信じられないくらい安い。
例えば、僕が実際に保有してるファンドを紹介します。
E1VFVN30(VFMVN30 ETF Fund)
運用会社: Dragon Capital(ドラゴン・キャピタル)
ベンチマーク: VN30指数(ベトナム大型株30社)
信託報酬: 年率0.65%
運用資産残高: 6.05兆VND(約363億円)
設立日: 2014年8月14日
ISIN: VN0E1VFVN306
これ、ベトナム版S&P500みたいなもんです。VN30指数っていうのは、ベトナムを代表する大型株30社で構成される指数。ビングループ(不動産・小売)、ビンファスト(EV)、ベトコムバンク(銀行)みたいな超優良企業が入ってます。
手数料0.65%。日本のベトナムファンドの3分の1です。
僕はこれを月10万円ずつ積立投資してます。3年で360万円投資して、今は480万円くらいになってる。年率換算で約10%のリターン。
ハノイの街を歩いてると、ビングループのショッピングモールがどんどん増えてるのが見えるんですよ。「ああ、僕の投資先が成長してるな」って実感できる。これ、めちゃくちゃ気持ちいい。
ドラゴン・キャピタルっていうのは、1994年からベトナムに投資してる老舗ファンド会社。ベトナム投資信託業界では最大手です。運用資産残高が363億円もあるから、流動性も十分。
FUEVFVND(ベトナムダイヤモンドインデックスETF)
運用会社: Dragon Capital
ベンチマーク: ベトナムダイヤモンド指数(VNDI)
信託報酬: 年率0.19%(推定)
運用資産残高: 約11兆VND(約660億円)
構成銘柄: 18銘柄
特徴: 外国人保有比率の高い優良企業に集中投資
これがヤバい。手数料が0.19%と激安。
ベトナムダイヤモンド指数(VNDI)っていうのは、ホーチミン証券取引所が算出する特殊な指数。時価総額、売買代金、PER、外国人持株比率などを考慮して選ばれた18銘柄で構成されてます。
重要なのは、外国人保有比率49%の銘柄が上位を占めてること。
つまり、外国人投資家から見て「この企業は買う価値がある」と判断された優良企業ばかり。FPT(IT)、モバイルワールド(小売)、フーニュアン・ジュエリー(宝飾品)みたいな、ベトナム経済を牽引する企業が入ってます。
しかも、構成銘柄の上位5社は外国人保有規制で満杯になってて、個人では買えない銘柄が多い。でも、このETFを買えば間接的に保有できる。
僕はポートフォリオの30%をこれに振り分けてます。VN30指数よりもパフォーマンスが良い。2022年はベトナム市場全体が下落した年でしたが、VN指数が32%下落したのに対し、VNDIは21%の下落で済んだ。約11%のアウトパフォーム。
ただし、デメリットもあります。銘柄数が18と少ないから、個別銘柄の業績悪化の影響を受けやすい。リスクを理解した上で投資してください。
FUEDCMID(DCVFMVN Midcap ETF)
運用会社: Dragon Capital
投資対象: ベトナム中型株
信託報酬: 年率0.65%
運用資産残高: 6.05兆VND(約363億円)
ここから少し攻めます。中型株ETF。
VN30に入ってない、もう一歩手前の企業に投資するファンドです。時価総額でいうと、500億円から5,000億円くらいの企業群。
手数料が0.65%。日本のベトナムファンドと比べたら3分の1です。
なぜこのファンドがいいのか?
成長余地が大きいから。
大型株は既に成長しきってる部分がある。でも中型株は、これから大型株になるポテンシャルを秘めてる。ハイリスク・ハイリターン。
僕はポートフォリオの20%をこのファンドに振り分けてます。3年前に50万円投資して、今は85万円くらい。年率約20%のリターン。VN30を大きくアウトパフォームしてます。
ただし、ボラティリティが高い。去年は30%上がったけど、一昨年は15%下がった。リスク許容度が高い人向けです。
FUESSVFL(SSIAM VNFIN LEAD ETF)
運用会社: SSI Asset Management
ベンチマーク: VNFIN LEAD指数(ベトナム金融セクター)
信託報酬: 年率0.65%
運用資産残高: 約560億VND(約3.4億円)
設立日: 2020年1月10日
特徴: ベトナム金融セクターに特化
これは完全にセクター特化型ETF。ベトナムの銀行株、保険株、証券株に集中投資するファンド。
手数料が0.65%。
正直、僕はこれを持ってません。なぜか?
セクター集中投資はリスクが高すぎるから。
ベトナムの金融セクターは成長性が高い。GDPが伸びれば、銀行の融資も増えるし、保険の加入者も増える。理屈では正しい。
でも、2022年みたいに不動産市場が混乱すると、銀行株が一斉に下落する。セクター全体が沈む。
ただし、「ベトナムの金融セクターの成長に賭けたい」って人には向いてます。運用資産残高が小さいのが気になりますが、SSI証券が運用してるから信頼性はある。
ベトナムで証券口座を開く方法(意外と簡単)
「手数料が安いのは分かった。でも、ベトナムで証券口座なんて開けないでしょ?」
って思いますよね。僕も最初はそう思ってました。
でも実際にやってみたら、日本の証券口座を開くより簡単でした。
必要なもの
- パスポート
- ベトナムの住所(ホテルでもOK)
- ベトナムの電話番号(観光客でも買えるSIMで可)
- メールアドレス
これだけ。
おすすめの証券会社
SSI証券(Saigon Securities Inc.)
ベトナム最大手の証券会社。日本でいう野村證券みたいな感じ。英語対応してるし、オンラインで口座開設できます。
僕はSSI証券を使ってます。理由は3つ。
- 取引手数料が安い(売買金額の0.15%)
- 取扱銘柄が豊富(投資信託、ETF、個別株すべて買える)
- アプリが使いやすい(iPhoneでもAndroidでも快適)
VPS証券(VPS Securities)も人気。こっちは外国人投資家向けのサービスが充実してる。
口座開設の手順
- SSI証券のウェブサイトにアクセス
- 「Open Account」をクリック
- パスポート情報を入力
- 顔写真をアップロード(スマホで撮影してOK)
- ベトナムの住所と電話番号を登録
- メールで承認通知が来る(通常2-3営業日)
- 銀行口座と連携(これが少し面倒)
一番ハードルが高いのは、ベトナムの銀行口座が必要なこと。証券口座に入金するために、ベトナムの銀行口座が要る。
でも、ベトナムに住んでない人でも開設できる銀行があります。Vietcombank(ベトコムバンク)やBIDV(ベトナム投資開発銀行)は、観光ビザでも口座開設可。
僕はVietcombankを使ってます。ハノイのロッテセンター支店で、30分くらいで開設できました。
日本からベトナム口座に送金する方法
証券口座と銀行口座を開設したら、次は入金。
日本の銀行から、ベトナムの銀行口座に送金します。
おすすめの送金方法
Wise(旧TransferWise)
手数料が安い。為替レートも銀行より良い。
僕は毎月、三菱UFJ銀行からWise経由でVietcombankに送金してます。100万円送金しても手数料は5,000円くらい。銀行の海外送金(手数料3万円とか)と比べて圧倒的に安い。
送金手順:
- Wiseのアプリをダウンロード
- 日本円で送金額を入力
- ベトナムの銀行口座情報を入力
- 日本の銀行からWiseに振込
- 2-3営業日でベトナムの口座に着金
簡単でしょ?
税金はどうなる?(重要)
「ベトナムで投資信託を買ったら、税金はどうなるの?」
これ、めちゃくちゃ重要な質問です。
ベトナムでの課税
キャピタルゲイン税: 0%(なし!)
配当税: 5%(源泉徴収)
ベトナムでは、株式や投資信託の売却益に税金がかかりません。信じられますか? 日本だと20.315%取られるのに、ベトナムはゼロ。
配当には5%かかりますが、日本の半分以下。
日本での確定申告
ただし、日本に住んでる人は、日本の税法が適用されます。
つまり、ベトナムで得た利益も、日本で確定申告しなきゃいけない。キャピタルゲインは20.315%課税されます。
「じゃあ意味ないじゃん」
って思いました? いえいえ、意味あります。
手数料が3分の1っていうメリットは変わりません。税金は日本でもベトナムでも最終的に同じだけど、手数料の差額は完全にあなたの利益です。
ちなみに、僕はベトナム居住者なので、ベトナムの税法が適用されます。だから、キャピタルゲインは非課税。これ、マジで天国。
ベトナム現地投資信託のリスク
と、ここまでメリットばかり話してきましたが、正直に言います。
ベトナム現地で投資信託を買うのは、リスクもあります。
リスク1: 為替リスク
ベトナムドン(VND)は、対円で変動します。
仮に、ベトナムドンが10%下落したら、投資信託が10%上がっても、円換算ではプラマイゼロ。
ただし、長期で見れば、ベトナムの経済成長に伴ってドンは強くなる傾向。僕は12年間見てきて、ドンは徐々に上がってます(インフレ調整後)。
リスク2: 流動性リスク
日本の投資信託と比べて、ベトナムのファンドは純資産総額が小さいものもある。
FUESSVFL(金融セクターETF)は3.4億円しかない。大量に売却しようとすると、売れない可能性がある。
でも、E1VFVN30やFUEVFVNDは、純資産総額が300億円以上あるから、個人投資家レベルなら問題なし。
リスク3: 情報の少なさ
日本語の情報がほとんどありません。
ファンドの運用報告書も英語かベトナム語。僕は英語で読んでますが、正直めんどくさい。
でも、それを乗り越える価値はあると思います。情報が少ないからこそ、先行者利益が得られる。
結局、どのファンドを買うべきか?
長々と書いてきましたが、結論を言います。
初心者向け:E1VFVN30
VN30指数に連動。ベトナム市場全体の成長を取り込める。手数料0.65%。運用会社はドラゴン・キャピタルで信頼性抜群。
これだけでOKです。
中級者向け:E1VFVN30 50% + FUEVFVND 30% + FUEDCMID 20%
大型株メインで、外国人保有比率の高い優良株と成長株を混ぜる。リスクとリターンのバランスが良い。
僕はこの配分です。
上級者向け:セクター特化も追加
FUESSVFLみたいな金融セクターETFも入れて、特定セクターの成長に賭ける。
ただし、ボラティリティも高まります。
日本のベトナム投資信託と比較してみた
最後に、日本で買えるファンドとベトナム現地のファンド、どっちが良いのか? 比較表を作りました。
| 項目 | 日本のファンド | ベトナム現地のファンド |
|---|---|---|
| 信託報酬 | 年率1.9%(平均) | 年率0.65%(平均) |
| 口座開設 | 簡単(オンラインで完結) | やや面倒(ベトナム訪問推奨) |
| 為替リスク | なし(円建て) | あり(VND建て) |
| 情報量 | 多い(日本語) | 少ない(英語・ベトナム語) |
| 税金 | 20.315%(日本居住者) | 同じ(日本居住者は確定申告必要) |
| 最低投資額 | 100円から | 約1万円から |
| 30年後の資産(100万円投資、年8%) | 約620万円 | 約880万円 |
差額260万円。
これが全てを物語ってます。
僕がベトナム現地で投資信託を買う理由
ハノイのタイ湖を眺めながら、この記事の最後を書いてます。
なぜ僕がベトナム現地で投資信託を買うのか?
理由は1つ。
手数料を払うのが、心底嫌いだから。
100万円投資して、毎年2万円が手数料で消えていく。その2万円、誰の懐に入ってるか知ってます? 日本の金融機関です。
勘弁してくれ。僕が汗水垂らして稼いだ金を、何もしてない金融機関に2%も払うなんて。
ベトナム現地で買えば、0.65%で済む。差額の1.35%は、僕のポケットに残る。30年で260万円。
その260万円で、何ができるか?
ハノイでビンファーストの車が買えます。
そういうことなんです。
投資信託を買う。 それ自体は悪くない。でも、どこで買うかで、人生が変わる。
日本で買う人。 楽だし、安心感もある。でも、知らないうちに搾取されてる。
ベトナムで買う人。 手間はかかる。でも、その手間が260万円になる。
「ベトテク太郎は特殊だから」って言う人がいます。
でもその人が、こっそりとDMで「ベトナムの証券口座、どうやって開くんですか?」って聞いてくることを、僕は知ってます。
そういうことなんです。
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