こんにちは、ベトナム株投資アドバイザーのベトテク太郎です。
先日、FTSEラッセルによるベトナム株の「新興国株市場」入りが確定しましたが、次はMSCIの「新興国」認定に注目が集まっています。
「ベトナムのMSCI格上げ、いつになるんだ…」
ハノイで生活していて、日本人投資家の集まりに行くと、必ずこの話題が出ます。2019年から「来年こそは」って言い続けて、もう6年。待ちくたびれた人も多いでしょう。
実は僕自身、総資産9,153万円のうちかなりの部分をベトナム株に投資していて、この格上げ問題には人一倍敏感です。「格上げされれば株価が上がる」そう信じて待っている人、多いですよね。
でも正直に言います。 格上げのタイミングを当てるとか、そんなの無理です。
もっというと、格上げを待ってから投資しようとしている人を見ると、「あーあ、もったいないな」って思っちゃいます。
なぜか?
実は、MSCI格上げがいつかよりも、もっと大事なことがあるんです。
ここから先が核心なんですが、
その前に、まず基本的なMSCI格上げの現状について整理させてください。知ってる人は読み飛ばしてもらって構いません。
MSCIとは何か?なぜ格上げが重要なのか
MSCI(Morgan Stanley Capital International)は、世界の株式市場を「先進国」「新興国」「フロンティア市場」の3つに分類している指数算出会社です。
現在、ベトナムは最も低い「フロンティア市場」に分類されています。これが「新興国」に格上げされると何が起きるのか?
単純な話、世界中の機関投資家が運用する「新興国株インデックスファンド」に、ベトナム株が組み入れられるんです。その流入資金は推定で30億〜50億ドル(約4,500億〜7,500億円)。
ハノイの証券会社で働く友人に聞いたんですが、「格上げされたら市場が一変する」って、現地のプロもみんな言ってます。
だから、みんな待ってるんです。 格上げを。
ベトナムMSCI格上げの最新状況(2025年10月時点)
結論から言うと、格上げはまだ実現していません。
MSCIは毎年6月に市場分類の見直しを発表しますが、2024年6月の審査でも「引き続きフロンティア市場」という判定でした。
現地にいると、ベトナム政府や証券取引所が必死になってるのが分かります。ハノイのロッテセンター近くにあるベトナム国家証券委員会のビルの前を通るたび、「頑張ってくれ」って思います。
で、2025年の審査はどうなるのか?
正直、微妙です。
なぜ格上げされないのか?3つの障壁
MSCIがベトナムを格上げしない理由は明確で、主に以下の3つです。
「プレファンディング規制」という、外国人投資家が株を買う前に資金を事前入金しなければいけないルール。これがめちゃくちゃ不便で、機関投資家から不評なんです。
ハノイに住んでて感じるんですが、この規制、本当に時代遅れ。でも、政府としてはマネーロンダリング対策として外せないらしい。
次に「決済サイクルの長さ」。ベトナムはT+2(取引から2営業日後に決済)なんですが、新興国基準だとT+1じゃないとダメ。
そして最後が「外国人投資家の所有制限」。ベトナムでは多くの企業で外国人の株式保有比率が49%までに制限されています。人気銘柄だと、この上限に達してて買えないことも。
タイ湖エリアのカフェで投資家仲間と話してると、「制限緩和してくれないと始まらない」ってみんな言います。
ベトナム政府の改革努力:2025年の動き
と、ここまで読んで「じゃあ全然ダメじゃん」って思いました?
待ってください。
実は、2024年から2025年にかけて、ベトナム政府はかなり本気で動いてるんです。
2024年末に国会で「証券法改正案」が可決されました。この中で、プレファンディング規制の緩和が盛り込まれてる。実施は2025年後半の予定。
さらに、決済サイクルもT+1.5への移行が検討されています。「0.5って何だよ」って思うかもしれませんが、これは妥協案。段階的にT+1にするためのステップです。
ハノイの証券業界で働く日本人の友人が言ってたんですが、「今回は本気度が違う」と。トゥオン首相が直々に指示を出してるらしいです。
結局、MSCI格上げはいつなのか?
で、本題です。 いつ格上げされるのか?
プロの予想を総合すると、
「最短で2026年6月、現実的には2027年6月」
というのが大方の見方です。
2025年6月の審査では「監視リスト」に入る可能性はありますが、即座の格上げは難しいでしょう。なぜなら、改革の実施状況を最低1年は見る必要があるから。
MSCIは慎重です。制度が変わっただけじゃダメで、実際に運用されて問題ないか確認する。だから、2024年末に法改正されても、2025年に格上げはほぼない。
ハノイで12年生活してて感じるのは、ベトナムは「発表」は早いけど「実施」が遅い。この国民性を考えると、2027年説の方が現実的かなと個人的には思ってます。
というかですね、
ここからが本当に大事な話なんですが、
格上げを待つべきか?今すぐ投資すべきか?
「格上げされてから投資しよう」
これ、一見賢い戦略に見えます。リスクを避けて、確実なタイミングで入る。
でも、断言します。 これ、完全に間違ってます。
なぜか?
格上げが発表された瞬間、ベトナム株は爆上げします。VN-Indexは20%、30%、下手したら50%上がるかもしれない。人気銘柄はストップ高連発。
そのとき、あなたは買えますか? 買えないんですよ。
みんなが「来た!」って思って殺到する。板が薄くなって、約定しない。やっと買えたと思ったら、すでにピーク。
これが「構造」なんです。
僕が総資産9,153万円を築けたのは、2013年からベトナム株を仕込んでたから。格上げ期待が高まる「前」に買ってたから。
タイ湖のカフェでこの話をすると、「じゃあ今から買ってもいいの?」って聞かれます。
答えは「YES」です。
格上げ前の今こそ仕込むべき理由
実は、格上げの時期がいつかよりも大事なのは、
「格上げ前に、構造的に勝てる銘柄を仕込んでおくこと」
なんです。
少しわかりやすく例を出すと、韓国が新興国に格上げされたとき(1992年)、格上げ前の5年間で株価は3倍になりました。格上げ後の1年で1.5倍。
つまり、期待で上がる期間の方が長いんです。
台湾も同じ。中国も同じ。
「格上げ期待」で上がり始めて、「格上げ決定」でクライマックスを迎える。そして格上げ後は「材料出尽くし」で調整が入る。
これがパターンなんです。
ベトナムは今、まさに「格上げ期待」のフェーズ。2024年から改革が進んで、海外投資家の注目度が上がり始めてる。
VN-Indexは2024年に15%上昇しました。これ、格上げ期待が織り込まれ始めた証拠です。
ハノイのビンコム・メガモールで買い物してると、明らかに外国人が増えてます。投資家だけじゃなく、ビジネスマンも、観光客も。
この「期待のうねり」が、2027年に向けて加速する。
そのときには、もう遅いんです。
格上げ後に恩恵を受ける銘柄の選び方
と、若干熱くなってしまいましたが、じゃあ具体的にどんな銘柄を買えばいいのか?
格上げ後に大きく恩恵を受けるのは、主に以下のような銘柄です。
「時価総額が大きい銘柄」。機関投資家は大型株から買います。流動性が高いから。VNM(ビナミルク)、VCB(ベトコムバンク)、GAS(ペトロベトナムガス)など、VN30構成銘柄が狙い目。
「外国人保有比率の上限に余裕がある銘柄」。上限49%に対して、現在30%程度の企業。ここに資金が流れ込む。
「成長性が高いセクター」。銀行、不動産、消費財。ベトナム経済の成長を象徴する分野。
ロンビエン工業団地の近くを通ると、新しい工場がどんどん建ってます。サムスン、LGだけじゃなく、最近は日本企業も増えてる。
この経済成長が、格上げと相まって株価を押し上げる。
そういう構造なんです。
2025年から2027年にかけての投資戦略
じゃあ、具体的にどう動くべきか?
僕の考える戦略は、
「2025年から段階的に買い増していく」
です。
一気に全額投入するんじゃなく、格上げまでの2〜3年で、毎月一定額を積み立てていく。ドルコスト平均法ですね。
格上げの時期は読めない。でも、2027年までには高確率で来る。その間、VN-Indexは上下しながらも、長期では上昇トレンド。
だから、タイミングを気にせず、淡々と買い続ける。
そして2027年、格上げが決まったとき、あなたのポートフォリオは2倍、3倍になってる。
ハノイのノイバイ空港から日本に一時帰国するたび、「ベトナム株、どう?」って聞かれます。
「今から仕込んでおいた方がいいよ」って答えます。
でも、行動する人は少ない。
「もう少し様子を見てから」 「格上げされてから考える」
そう言って、チャンスを逃していく。
ベトナムのMSCI格上げ、本当の意味
ここまで読んでくれた方には、もう分かってると思います。
MSCI格上げがいつか? 2026年か、2027年か?
そんなの、正直どっちでもいいんです。
大事なのは、
「格上げという構造的な変化が、ほぼ確実に来る」
という事実。
そして、
「その変化の恩恵を最大限受けるには、今から仕込むしかない」
ということ。
ベトナム株投資。 リスクはある。格上げが遅れる可能性もある。
でも、待つこと。 それはもっと大きなリスクなんです。機会損失という名の。
「ベトテク太郎は運が良かっただけ」って言う人がいます。
でもその人が、こっそりとnoteのメンバーシップページを見てることを、僕は知ってます。
そういうことなんです。
いかがでしたでしょうか。今回のベトナムMSCI格上げについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
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