ベトナム証券会社の2025年Q3決算速報:中小型証券も好調、ただし2社は赤字

こんにちは、ベトナム株投資アドバイザーのベトテク太郎です。

ベトナム証券会社の2025年第3四半期決算が続々と発表されています。10月18日朝時点で、すでに33社が財務報告を公開しました。大半の証券会社が好調な市場環境を背景に増益を達成する一方で、2社が逆行して赤字に転落という明暗が分かれる結果となっています。

今回は、ハノイ在住12年の私が現地で感じる市場の熱気と合わせて、注目の証券会社決算を読み解いていきます。

目次

好調組の筆頭:ベトインバンク証券が前年比4.2倍の利益

ベトインバンク証券(CTS)の第3四半期は圧巻の業績でした。営業収益が653億ドン(約4億円)に達し、前年同期比116%増という急成長を遂げています。

特に目を引くのが自己売買部門の躍進です。FVTPLからの利益が386億ドンと、前年の約3倍に膨れ上がりました。さらに、貸付・債権からの利息収入が118億ドン、仲介手数料収益が64億ドンと、各部門がバランスよく成長しています。

営業費用は184億ドン(前年比33%増)と増加したものの、収益の伸びがそれを大きく上回った結果、税引前利益は338億ドンと前年比424%増という驚異的な数字を叩き出しました。9カ月累計でも税引前利益688億ドン、前年比221%増と絶好調です。

ハノイの街を歩いていると、証券口座を開設する若者が本当に増えたと実感します。スターバックスでノートパソコンを開いてチャートを見ている20代の姿も珍しくありません。こうした個人投資家の増加が、証券会社の仲介手数料収入を押し上げているのでしょう。

外資系も堅調:KIS証券が84%増益

外資系証券会社の中では、KIS証券が税引前利益243億ドンと前年比84%増の好成績を記録しました。営業収益は790億ドンに達し、内訳を見ると貸付・債権利息が248億ドン(50%増)、FVTPL利益が303億ドンと微増、そして仲介収益が209億ドンと130%もの大幅増加を見せています。

9カ月累計では、営業収益1,927億ドン(前年比8%増)、税引前利益472億ドン(同5%増)と、着実な成長軌道を描いています。

外資系証券会社は、日本人を含む外国人投資家にとって口座開設のハードルが低く、英語対応も充実しているため、ベトナム株投資の入り口として人気があります。KIS証券の好業績は、外国人投資家のベトナム市場への関心の高まりを示す指標とも言えるでしょう。

バオベト証券も倍増益

バオベト証券(BVSC)は、第3四半期の税引前利益が101億ドンと前年の約2倍に増加しました。9カ月累計でも税引前利益227億ドン、前年比36%増と堅調な伸びを示しています。

バオベト証券は、ベトナム最大手保険会社バオベト・グループ傘下の証券会社です。親会社の信用力と顧客基盤を活かし、安定した成長を続けています。

逆風組:2社が赤字転落

好調な証券会社が目立つ中、ダイビエト証券(DVSC)とスタンレー・ブラザーズ証券の2社が第3四半期に赤字を計上しました。両社とも40億ドン超(約2,500万円)の損失を記録しています。

9カ月累計では、ダイビエト証券が税引前損失10億ドン、スタンレー・ブラザーズ証券が7億ドン超の赤字となっています。

中小型証券会社にとって、市場が活況でも収益化できないケースがあるのは注目すべき点です。規模の経済が働きにくく、固定費負担が重い中小証券は、市場環境が良好でも苦戦を強いられることがあります。

ベトナム証券業界は、大手と中小の二極化が進んでいる印象です。ハノイのオフィス街を見ても、大手証券会社の支店は綺麗で広々としているのに対し、中小証券の店舗は質素なところが多いですね。

ベトナム証券セクターの投資妙味

2025年第3四半期のベトナム証券会社決算から見えてくるのは、市場全体の好調さと、その恩恵を受けられる会社とそうでない会社の明暗です。

ベトナム証券業界への投資を考える際のポイントは以下の通りです。

大手証券会社の優位性
規模の経済が働き、多様な収益源を持つ大手証券会社は、市場の好況期に大きく利益を伸ばせる傾向があります。ベトインバンク証券やKIS証券のような実績ある企業が狙い目でしょう。

仲介手数料の急成長
個人投資家の増加により、仲介手数料収入が急拡大しています。この流れは今後も続くと見られ、特に若年層向けのデジタル戦略に強い証券会社が有望です。

自己売買の重要性
自己売買部門の収益が証券会社の業績を大きく左右します。市場が上昇局面にある現在は追い風ですが、下落局面では逆風となるため、リスク管理能力の高い会社を選ぶことが重要です。

中小証券のリスク
中小型証券会社は、市場が好調でも赤字に陥るケースがあります。投資する際は、財務体質と収益基盤をしっかり確認する必要があります。

ベトナム証券セクターは、国内株式市場の成長とともに拡大が期待できる魅力的な投資対象です。ただし、個別企業の選別が重要であり、大手を中心にポートフォリオを組むのが賢明でしょう。

いかがでしたでしょうか。今回のベトナム証券会社の決算について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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