ベトナムが半導体産業の東南アジア拠点へ本気で動き出した

こんにちは、ベトナム株投資アドバイザーのベトテク太郎です。

ハノイで生活していて、最近街を歩いていると何かが変わりつつあるのを肌で感じます。日本企業の駐在員が増えた。韓国系企業のオフィスビルが建ち始めた。そして、テック系のカンファレンスが異様に増えている。

その中でも、今回のニュースは正直「来たな」と思いました。

11月6日、ファム・ミン・チン首相が世界半導体協会(SEMI)と面談し、ベトナムが半導体産業を国家戦略として本気で推進することを改めて宣言したんです。

これ、表面的なニュースだと思ったら大間違いです。

目次

ベトナムが本気を出す理由

ファム・ミン・チン首相は面談で明確に語りました。

「2030年までに中所得国入りし、2045年までに高所得国になる」

この目標を達成するために、ベトナムは成長モデルを転換する必要がある。グリーン経済、循環型経済、そしてデジタル経済への移行。その中核が半導体産業だと。

さて、ここで注目すべきは数字です。

ベトナムは2025年、GDP成長率8%以上を目指しています。しかもそれ以降、二桁成長を維持するという野心的な目標を掲げている。

正直なところ、この数字を聞いたとき「本気か?」と思いました。でも、ハノイに住んでいると、この数字が単なる希望的観測じゃないことが分かるんです。

街の至る所で建設ラッシュ。新しいビジネスが次々と立ち上がる。若者たちの起業熱。そして何より、政府のこの本気度。

世界の半導体企業がベトナムに注目する理由

今回の面談には、オランダ大使、東南アジア半導体協会会長、そして世界3,700社以上の半導体サプライチェーン企業を代表する32社のトップが参加しました。

なぜ彼らがベトナムに注目するのか?

実は、半導体産業の世界地図が大きく変わりつつあるんです。米中対立、地政学リスク、サプライチェーンの分散化。企業は「中国一極集中」のリスクを痛感している。

そこで浮上したのがベトナムです。

参加企業からは具体的な要望が出ました。

制度の整備、行政手続きの簡素化、ワンストップサービスの英語対応、中小企業のバリューチェーン参加支援、クリーンエネルギーインフラの整備、そして研究開発から製造、パッケージング、AIまで一気通貫したサプライチェーンの構築。

これらの要望に対して、ファム・ミン・チン首相は即座に応えました。

「ベトナムは半導体産業を戦略分野と位置付けている。制度を整備し、インフラを開発し、人材を育成し、国内外の企業が効率的に投資し、持続可能に発展できる最良の条件を整える」

と、少し熱くなってしまいましたが、要はベトナム政府が「本気で世界の半導体拠点になる」と宣言したわけです。

ベトナム半導体戦略の具体的な中身

ベトナムはすでに具体的な戦略を発表しています。

「2030年までの半導体産業発展戦略、2050年ビジョン」 「2030年までの半導体人材育成プログラム、2050年ビジョン」 11の戦略的技術・製品リスト(半導体を含む)

そして、驚くべきことに来年中にベトナム初の国内半導体チップ製造拠点を稼働させる計画です。

ハノイに住んでいて、この動きの速さには本当に驚かされます。日本だったら計画から実行まで何年もかかるような話が、ここでは1年で動く。

もちろん、課題もあります。

人材不足、技術力、インフラ整備。どれも一朝一夕には解決できない。

でも、ベトナムには「やり切る力」があるんです。

ファム・ミン・チン首相が面談で語った言葉が印象的でした。

「ベトナムでは、党が指導し、国家が構築し、企業が先駆け、国内外が協力し、国家が豊かになり、国民が幸せになる」

ベトナム株投資家として注目すべきポイント

さて、ここからが投資家として重要な話です。

半導体産業がベトナムの国家戦略になるということは、関連企業への政府支援が本格化するということです。

税制優遇、土地提供、インフラ整備、人材育成支援。これらが一気に動き出す。

すでにベトナムにはFPT(FPT)のような世界的なテック企業があります。VinGroup(VIC)は電気自動車事業を通じて半導体関連に参入しつつある。

そして、今後は海外からの直接投資も加速するでしょう。サムスン、インテル、クアルコム。すでにベトナムに製造拠点を持つ企業が、さらに投資を拡大する可能性が高い。

個人的には、この動きを「第二のベトナムIT革命」だと見ています。

10年前、ベトナムのIT産業は今ほど注目されていませんでした。でも、政府の支援と企業の努力で、今やFPTは時価総額トップクラスの企業になった。

半導体産業でも同じことが起こる可能性があります。

実際、ハノイのテック系カンファレンスに参加すると、半導体関連のスタートアップが次々と登場しています。政府の支援を受けて、研究開発に取り組む大学も増えている。

この流れに乗れるかどうかが、今後のベトナム株投資のリターンを大きく左右すると僕は考えています。

投資家が今すべきこと

正直言って、半導体関連の銘柄を今すぐ買うべきかと聞かれたら、僕は「まだ早い」と答えます。

なぜか?

戦略が発表されて、実際に企業業績に反映されるまでには時間がかかるからです。来年稼働予定の製造拠点がどの企業なのか、政府支援の具体的な内容がどうなるのか、まだ見えない部分が多い。

でも、だからこそ今から情報収集を始めるべきです。

FPTの半導体関連事業の動向、VinGroupの電気自動車用半導体の内製化計画、そして新興テック企業の動き。これらを注視していれば、投資チャンスは必ず見えてきます。

僕自身、ハノイに住んでいる強みを活かして、現地のテックカンファレンスに足を運び、関連企業の動きをウォッチし続けています。

そういうことなんです。

大きな国家戦略が動き始めるとき、最初は誰も気づかない。でも、気づいた人から先に動き、そして利益を得る。

ベトナムの半導体戦略は、まさに今、そのスタートラインに立っています。

いかがでしたでしょうか。今回のベトナム半導体戦略について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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