ベトナム政府、史上最大の経済対策を発表―2025年GDP成長率8%達成へ本気の勝負

こんにちは、ベトナム株投資アドバイザーのベトテク太郎です。

ハノイのカフェでこのニュースを読んだとき、思わずコーヒーを置く手が止まりました。ベトナム政府が、2025年残り2ヶ月で達成すべき経済目標について、かなり踏み込んだ施策を発表したんです。

投資家として12年間ベトナムを見てきた僕ですが、正直言って、ここまで具体的で野心的な数値目標を掲げてくるとは思っていませんでした。

目次

今回発表された重要ポイント

11月4日、ベトナム政府は「2025年残り期間の重点任務に関する政府決議86/NQ-CP」を発表しました。

その中で最も注目すべきは、以下の目標です。

2025年GDP成長率8%以上を達成 2026年にはGDP成長率10%以上を目指す

待ってください。10%って聞きました?

現代の新興国で二桁成長を公式目標として掲げる国、そう多くないですよ。中国ですら、もう二桁成長の時代は終わったと言われているのに。

でも、ベトナム政府は本気なんです。

この決議では、財政政策と金融政策の柔軟な運用、生産・経済活動への信用供与の優先、株式市場・不動産市場の効果的な管理など、具体的な施策が列挙されています。

実はこれ、台風13号の影響を考慮しての決議

と、若干の脱線をしますが、今回の決議が出た背景には台風13号(カルマエギ)の被害があります。

11月6日夜、台風13号がベトナム中部に上陸し、ザライ省やダクラク省を中心に甚大な被害をもたらしました。死者・行方不明者5名、数千軒の家屋被害、広範囲の停電。ベトナム政府は被災3省に対して800億ドン(約80億円)の緊急支援を決定しています。

普通なら、こういう自然災害が起きたら「今年の経済目標、ちょっと下方修正しようか」となるところですよね。

でも、ベトナム政府の姿勢は違いました。

「災害の影響を評価し、成長シナリオを見直すが、2025年8%以上、2026年10%以上の目標達成を保証する」

というかむしろ、この逆境をバネにして、より強力な経済対策を打ち出してきた感じがします。

ホーチミンとダナンに国際金融センター、11月中に稼働開始を目指す

ここからが本当に驚いたところなんですが、政府は11月6日に「ベトナム国際金融センター設立に関する首相指示211/CĐ-TTg」を発令しました。

内容を要約すると:

  • ホーチミン市とダナン市に国際金融センターを設置
  • 2025年11月中の稼働開始を目指す
  • 両市は優遇政策を公開し、投資家を積極誘致

待ってください。今11月8日ですよ? あと20日強で国際金融センターを稼働させるって、ベトナム政府、どれだけ本気なんですか。

僕はハノイに住んでいて、ベトナムの「やると決めたら猛スピード」という国民性を知っています。でも、これはその中でも特筆すべきスピード感です。

ダナンは以前から「ベトナムのシンガポール」を目指すと言われていましたし、ホーチミンは言わずと知れたベトナム最大の商業都市。この2都市に国際金融センターができれば、外資の流入はさらに加速するはずです。

僕のポートフォリオへの影響は?

ここで投資家としての視点に切り替えます。

今回の一連の発表は、ベトナム株投資家にとって何を意味するのか。

まず、金融セクターへの追い風は間違いないでしょう。国際金融センター構想は、ベトナムの主要銀行(VCB、TCB、MBB、ACBなど)にとって大きなビジネスチャンス。僕のポートフォリオの約30%を占める銀行株にはプラス材料です。

次に、不動産セクターの再活性化。政府決議では「不動産市場の効果的管理」が明記されていますが、これは市場の安定化と健全な成長を促す方向性を示しています。VHM(ビンホームズ)やKBC(キンバックシティグループ)などの不動産銘柄にとって、悪いニュースではありません。

そして、インフラ・建設セクターへの資金流入。台風被害の復興需要に加え、国際金融センター建設に伴うインフラ整備需要も見込めます。

ただし、リスクもある

ベトナム政府の野心的な目標設定は素晴らしいのですが、投資家としては冷静にリスクも見ておく必要があります。

1. 目標達成のための無理な政策実行リスク

8%、10%という高い成長目標を達成するために、短期的な刺激策に偏重し、中長期的な持続可能性が損なわれる可能性。

2. インフレ圧力の高まり

決議では「インフレ抑制」も謳われていますが、積極的な財政出動と金融緩和を同時に進めれば、インフレ圧力は避けられません。ベトナムの2025年10月時点のインフレ率は約3.0%。政府目標の4.5%以内には収まっていますが、今後の動向は注視が必要です。

3. 国際金融センター構想の実現可能性

11月中の稼働開始という超短期目標は、正直かなり厳しい。仮にオープンしても、実質的な機能が整うまでには時間がかかるでしょう。

結局、ベトナムは「やる国」なんです

ハノイに12年住んで、何度もベトナム政府の政策発表を見てきました。

その中で一貫して感じるのは、「この国、本当に成長する気満々だな」ということ。

日本だったら、こういう野心的な数値目標を掲げると「実現可能性は?」「財源は?」と慎重論が出てくるでしょう。もちろん、それも大事です。

でも、ベトナムは違う。まず「やる」と決めてから、方法を考える。そのスピード感とエネルギーが、この国の最大の魅力なんです。

台風被害があっても、成長目標は下げない。むしろ、11月中に国際金融センターを立ち上げるという超短期目標を追加してくる。

この「できるかどうかじゃない、やるんだ」という姿勢こそ、ベトナムが今後20-30年にわたって5-6%成長を続けられる理由だと、僕は確信しています。

あなたはベトナムに賭けますか?

正直言って、米国株に比べたら、ベトナム株はリスクが高いです。情報も少ない。流動性も低い。

でも、だからこそリターンも大きい。

僕も3桁万円の金額でベトナム株投資をしています。

今回の政府決議を見て、改めて思いました。

「ああ、僕の賭けは間違ってなかった」

台風が来ても、世界経済が不安定でも、ベトナムは前を向いて走り続ける。その姿勢に、僕は投資家として惚れ込んでいます。

あなたも、この成長の波に乗ってみませんか?

いかがでしたでしょうか。今回のベトナム政府の経済政策発表について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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