ハノイ警察が800万台バイクと免許証データをDX化して検証する。

こんにちは、ベトナム総合ニュース&株式投資解説のベトテク太郎です。

ハノイで生活していると、街中を走るバイクや車の多さに圧倒されますよね。タイ湖周辺を歩いていても、信号待ちで数百台のバイクが一斉に走り出す光景は、まさにベトナムならではの風景です。

そんなハノイで、今大規模なデジタル化プロジェクトが進行中です。ハノイ市公安局が、なんと800万台近い車両登録データを60日間で「クリーン化」するという取り組みを開始しました。これ、実はベトナムのデジタルトランスフォーメーション(DX)を象徴する動きなんです。

目次

ハノイの車両データクリーン化プロジェクトとは

2024年11月10日、ハノイ市公安局は車両登録データと運転免許証データの大規模な見直し作業を開始しました。対象となるのは約800万件のデータで、これを60日間という短期間で「正確・完全・クリーン・生きた」データに変換するというものです。

ハノイ市公安局のグエン・ホン・キー副局長によると、ハノイは全国の地方自治体の中で最も先進的に、iHanoiというデジタルプラットフォームを活用してこの作業を進めているそうです。

従来は手作業で行っていたデータ収集や照合作業を、デジタル技術で効率化。これにより作業時間の大幅な短縮、印刷コストの削減、そして国家レベルの交通警察データベースとの照合による精度向上を実現しているとのこと。

正直、ベトナムの行政サービスって「遅い」「複雑」というイメージがあったんですが、最近の変化には目を見張るものがあります。

データの現状と課題

現在のハノイの車両登録データを見ると、興味深い状況が浮かび上がってきます。

約380万台の車両は、2段階の行政モデルに基づく国民データベースと正確に照合されています。一方で、約387万件のデータはまだ照合が完了していない状態。つまり、ほぼ半々に分かれているわけです。

ハノイで12年間生活している身としては、この数字には納得してしまいます。というのも、ベトナムでは車両の売買や名義変更の際、必ずしも正式な手続きを踏まないケースが珍しくないんですよね。友人間での売買なんかは特にそうで、書類上の所有者と実際の使用者が違う、なんてことはザラにあります。

今回のプロジェクトでは、各区の警察が戸別訪問レベルで情報の照合を行い、市民にiHanoiアプリでの自主申告を促しているそうです。かなり本格的な取り組みですね。

ベトナムのデジタル化が投資家にとって意味すること

さて、ここからが投資家として気になるポイントです。

このような大規模なデジタル化プロジェクトは、ベトナム経済全体のインフラ整備の一環として見ることができます。正確なデータベースの構築は、税収管理の効率化、交通違反取締りの公平性向上、そして何より行政サービスの質的向上につながります。

ハノイのロンビエン地区にあるIT企業を訪問したとき、現地のエンジニアがこんなことを言っていました。「政府のデジタル化プロジェクトが増えれば増えるほど、僕らIT企業にとってはビジネスチャンスが広がる」と。

実際、FPT株式会社などのベトナムIT大手は、政府向けのデジタル化案件で着実に実績を積み上げています。iHanoiのようなプラットフォーム開発、データベース構築、システム運用保守など、多岐にわたる分野で需要が生まれているんです。

というか正直、この手の行政デジタル化案件って、長期的に安定した収益源になるんですよね。一度システムを導入したら、継続的な保守運用契約が発生しますから。これはIT企業にとって非常に美味しいビジネスモデルです。

関連企業への投資機会

このようなデジタル化の波から恩恵を受ける可能性のある企業をいくつか挙げてみましょう。

**FPT株式会社(証券コード:FPT)**は、ベトナム最大のIT企業として、政府向けデジタル化案件で圧倒的な存在感を示しています。直近の2024年第3四半期決算では、売上高が前年同期比18%増と好調を維持。PER約15倍という水準は、成長性を考えると決して高くありません。

**CMC株式会社(証券コード:CMG)**も政府系IT案件に強みを持つ企業です。規模はFPTより小さいものの、専門性の高い分野でニッチなポジションを確立しています。

それから、データセンターやクラウドサービスを提供する**ベトテル(証券コード:VGI)**も注目です。デジタル化が進めば進むほど、データ保管・処理のニーズは高まりますからね。

ハノイのロッテセンター近くのカフェで、現地のIT業界に詳しい友人とこの話をしたんです。彼曰く「政府のデジタル化予算は今後5年間で毎年20%以上増える見込み」だそうで。これ、IT企業にとっては追い風以外の何物でもないですよね。

デジタル化の課題とリスク

もちろん、バラ色の話ばかりではありません。

ベトナムの行政デジタル化には、いくつかの構造的な課題があります。まず、市民のデジタルリテラシーの問題。特に地方や高齢者層では、スマートフォンアプリを使いこなせない人も多いんです。

60日間で800万件のデータをクリーン化するという目標も、正直かなり野心的です。ハノイの各区レベルまで作業を分散させるとはいえ、現場の負担は相当なものでしょう。期限内に完了できるかどうか、注視が必要です。

それから、個人情報保護の問題もあります。大規模なデータベース構築には常にセキュリティリスクが伴いますし、ベトナムのサイバーセキュリティ体制が完璧とは言えない現状では、不安要素として残ります。

とはいえ、これらの課題は「やらない理由」にはなりません。むしろ、課題を解決するプロセスそのものが、新たなビジネスチャンスを生み出すわけですから。

長期投資家として見るべきポイント

ハノイに住んで12年、ベトナムの変化を肌で感じてきた僕が思うのは、「小さな変化の積み重ねが、やがて大きなうねりになる」ということです。

車両登録データのクリーン化なんて、一見地味なプロジェクトに見えるかもしれません。でも、これは氷山の一角に過ぎないんです。行政のあらゆる分野でデジタル化が進行中で、医療、教育、税務、不動産登記など、ありとあらゆる領域でIT化の波が押し寄せています。

長期投資家として注目すべきは、この構造的なトレンドです。一時的なブームではなく、今後10年、20年と続く大きな流れ。ベトナム政府がデジタル化に本気で取り組んでいる今、IT関連企業への投資は理にかなっていると思います。

ただし、です。個別企業への投資は慎重に判断すべきです。政府案件に強い企業でも、過度な受注競争で利益率が低下するリスクもありますし、技術の陳腐化も考慮しなければなりません。

僕自身のポートフォリオでは、FPTを中核銘柄として保有しつつ、複数のIT企業に分散投資することでリスクヘッジしています。全卵を一つのカゴに盛らない、という基本原則ですね。

まとめ:小さなニュースから大きなトレンドを読む

ハノイ市公安局による車両データクリーン化プロジェクト。日本のニュースでは報じられないような小さな話題かもしれません。

でも、現地に住む投資家の目線で見ると、これはベトナム経済の大きな転換点を示すサインなんです。デジタル化への本格的なコミットメント、行政効率化への意欲、そしてそこから生まれる膨大なビジネスチャンス。

タイ湖の周りをランニングしながら、街の変化を観察するのが僕の日課なんですが、最近気づいたことがあります。バイクに乗っている人の多くが、スマホホルダーを使ってナビゲーションアプリを見ているんですよね。5年前にはほとんど見なかった光景です。

デジタル化は確実に進んでいます。そして、その流れに乗っている企業は、着実に成長しています。

投資って、結局のところ「未来を信じる」行為なんだと思います。ベトナムのデジタル化という未来を信じるなら、今がその入口に立っている時期なのかもしれません。

いかがでしたでしょうか。今回のハノイの車両データクリーン化プロジェクトについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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