年収300万円でも家が買える!ベトナムで起きている「住宅革命」の全貌

こんにちは、ベトナム総合ニュース&株式投資解説のベトテク太郎です。

2025年11月11日、ファム・ミン・チン首相が主催する中央住宅政策・不動産市場指導委員会の第3回会合が開催されました。ベトナム政府が掲げる「100万戸の社会住宅建設」という野心的な目標に向けて、2025年には約91,600戸の完成が見込まれています。この動きは、ベトナム経済の持続的成長と社会的公平性を実現する重要な一手として注目されています。

ハノイに住んで12年、私はこの国の不動産市場の変化をずっと見てきました。正直言って、ベトナムの住宅問題は深刻です。特に若い世代や低所得者層にとって、都市部でまともな家を持つことは夢のまた夢という状況が続いてきました。

でも、ここ最近の政府の本気度は違います。今回の会合でも、チン首相は「社会住宅への投資は、社会と国の発展への投資である」と明言しています。単なるスローガンではなく、具体的な数字と行動が伴っているんです。

目次

ベトナム政府が本気で取り組む「100万戸計画」の現状

2025年10月末時点で、全国696のプロジェクトが完成、着工、または投資認可を受けており、総戸数は637,000戸以上。これは100万戸目標の60%に相当します。

特に注目すべきは、年内に91,600戸が完成見込みで、これは2025年の計画の91%達成を意味します。既に62,000戸が完成済みで、これは年間計画の62%です。

地域別に見ると、17の省・市が計画を達成または超過する見込みです。ハノイは102%、ホーチミン市は100%、ハイフォンは101%、バクニンは102%。驚くべきはゲアン省の179%、クアンガイ省の112%、ドンナイ省の110%という数字です。

私が住むハノイでも、あちこちで社会住宅の建設現場を見かけます。タイ湖周辺やロンビエン工業団地近くでも、大規模な住宅プロジェクトが進行中です。以前なら考えられなかったスピード感です。

3つの重点目標が示す政府の本気度

チン首相は会合で、社会住宅開発における3つの中心目標を強調しました。

第一に、手続きやプロセスの困難を解消し、透明で持続可能な不動産市場を発展させること。ベトナムの行政手続きの煩雑さは有名ですが、社会住宅に関しては「グリーンレーン」を設置して迅速化を図るそうです。

第二に、国民が最も早く、最も簡単に、最も便利に、適正なコストで社会住宅にアクセスできるようにすること。詐欺のリスクを避けることも重視されています。これ、めちゃくちゃ重要です。ベトナムでは不動産詐欺が後を絶たないので。

第三に、社会住宅開発をマクロ経済を促進する解決策とみなし、インフレを抑制し、経済の大きなバランスに貢献すること。つまり、単なる福祉政策ではなく、経済成長のエンジンとして位置づけているわけです。

投資家として注目すべきポイント

さて、ここからが私たち投資家にとって重要な部分です。

100万戸の社会住宅建設という巨大プロジェクトは、関連業界に莫大な需要を生み出します。建設資材、セメント、鉄鋼、電気設備、家具、内装材などの企業にとって、これは数年にわたる安定した収益源になるでしょう。

特に注目したいのが、ホアファットグループ(HPG)のような鉄鋼メーカー、ビグラセラ(VGC)のような建材メーカー、そしてFPT(FPT)のようなスマートホーム技術を提供できる企業です。

政府は銀行システムに対し、社会住宅と労働者住宅向けの14兆5000億ドン(約145兆ドン)の信用パッケージの融資を促進するよう指示しました。特に35歳未満の若者が初めて住宅を購入する際の融資条件を緩和するとのこと。

これは銀行セクターにとっても大きなビジネスチャンスです。ベトコムバンク(VCB)、テクコムバンク(TCB)、軍隊銀行(MBB)などの大手銀行は、この政策の恩恵を受けるはずです。

実際、私のポートフォリオでもこれらのセクターへの投資比率を高めています。短期的な株価変動はあるものの、3〜5年のスパンで見れば、この政策は確実にプラスの影響をもたらすと考えています。

ハノイ在住者として感じる変化

正直に言うと、最近のハノイの変化は目覚ましいです。

私が住むエリアでも、新しい住宅プロジェクトの看板をよく見かけます。価格帯も以前より現実的になってきました。社会住宅の基準価格は1平方メートルあたり2000万〜3000万ドン(約12万〜18万円)程度に設定されることが多く、一般的な商業住宅の半額以下です。

もちろん、課題もあります。供給不足、手続きの複雑さ、一部の開発業者の能力不足など、チン首相自身が指摘した問題は現実に存在します。

でも、政府の本気度は間違いありません。今回の会合では、各省庁に11月15日までに9つの関連文書を完成させるよう指示が出ています。こういうスピード感は、ベトナム政府の本気を示すバロメーターです。

投資家への示唆

ベトナムの社会住宅政策は、単なる社会福祉政策ではなく、経済成長戦略の重要な柱です。これは私たち投資家にとって、いくつかの重要な示唆を与えてくれます。

まず、不動産関連セクターへの長期的な資金流入が期待できること。建設、建材、銀行、インフラなど、幅広い業種に恩恵が及びます。

次に、ベトナム政府の政策実行力が向上していること。100万戸計画の60%達成という数字は、単なる目標ではなく実現可能な計画であることを示しています。

最後に、ベトナム経済の構造的な成長ポテンシャルです。若い人口、都市化の進展、中間層の拡大という3つの要素が揃っている中で、住宅需要は今後も増え続けるでしょう。

私自身、この分野への投資比率を徐々に高めています。短期的な値動きに一喜一憂せず、ベトナム経済の長期的成長に賭ける。これが、ハノイに住んで肌で感じる投資戦略です。

いかがでしたでしょうか。今回のベトナム社会住宅政策について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

この記事が参考になったら、ぜひXでシェアしていただけると嬉しいです。より多くの方にベトナム投資の魅力を伝えたいと思っています。

【メンバーシップのご案内】 より詳細な投資分析や、ポートフォリオの具体的な銘柄情報、現地からのリアルタイム情報をお求めの方は、ぜひメンバーシップへのご参加をご検討ください。 https://note.com/gonviet/membership

一緒にベトナム株でFIREを目指しましょう!

【免責事項】 本記事の内容は、情報提供のみを目的としており、いかなる金融商品または仮想通貨への投資の推奨を意図するものではありません。ベトナム株式投資は価格の変動が大きく、リスクを伴う投資対象です。投資判断はご自身の責任に基づいて行ってください。本記事で提供される情報の正確性、完全性、または最新性については、最大限の注意を払っていますが、保証するものではありません。投資の際には、専門家への相談を推奨いたします。この記事は、法的、税務的、または財務的なアドバイスを提供するものではありません。本記事の情報に基づいて行われた投資による損失や損害について、執筆者および当ウェブサイトは一切の責任を負いません。株式投資およびその関連商品に投資する際は、各国の規制および法律を確認し、法令を遵守することが重要です。

#ベトナム株 #投資 #アジア株 #FIRE

noteメンバーシップのご案内

ベトテク太郎noteメンバーシップ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次