VN-Indexとは?ベトナム株投資の基準を12年在住者が徹底解説

こんにちは、ベトナム総合ニュース&株式投資解説のベトテク太郎です。

ベトナム株投資を始めようと思ったとき、必ず目にするのが「VN-Index」という言葉です。正直なところ、私も最初は「なんだこれ?日経平均みたいなもの?」くらいの認識でした。でも、ハノイに12年住んで実際にベトナム株で資産を築いてきた今だからこそ言えるのは、VN-Indexを理解せずにベトナム株投資を始めるのは、地図を持たずに知らない街を歩くようなものだということです。

というかですね、VN-Indexって単なる株価指数じゃないんですよ。ベトナム経済の体温計であり、政府の政策が効いているかを測るバロメーターであり、外国人投資家の期待値を映す鏡なんです。この指数を見れば、ベトナム経済が今どういう状態なのか、一発でわかります。

今日は、VN-Indexの基本から、実際の投資での使い方、そして2026年の大きな転換点まで、現地ハノイから徹底解説します。

目次

VN-Indexって結局何なの?

VN-Indexは、ベトナムのホーチミン証券取引所(HOSE)に上場している全銘柄の時価総額加重平均指数です。日本でいう日経平均株価やTOPIX、アメリカのS&P500みたいなものですね。

2000年7月28日に基準値100からスタートして、2025年11月現在は1,600ポイント前後で推移しています。つまり、24年間で約16倍になったということです。年率換算すると約10%以上の成長率。これ、すごくないですか?

でも数字だけ見てもピンとこないと思うので、具体例を出しますね。

私がハノイに来た2013年頃、VN-Indexは500ポイント前後でした。当時、タイ湖エリアの小さなカフェでベトナム人の友人と「ベトナム株って儲かるの?」って話をしたのを覚えています。彼は「まだ早い。でも10年後には絶対来る」と言っていました。

その予言は半分当たりました。2017年末から2018年初頭、VN-Indexは一気に1,200ポイントまで急騰。わずか数年で2倍以上になったんです。私のポートフォリオも、この時期に大きく膨らみました。ロッテセンターから見下ろすハノイの街並みを眺めながら、「ああ、ベトナム経済が本気出してきたな」と実感した瞬間でした。

でもその後、2022年まで調整局面が続き、800ポイント台まで下落。そして2025年現在は1,600ポイント前後で安定推移しています。

VN-Indexの構成銘柄って何がある?

VN-Indexには約400銘柄が含まれていますが、実は上位10銘柄だけで全体の約50%を占めています。つまり、少数の大企業がVN-Indexの動きを大きく左右するんです。

主要銘柄を挙げると、こんな感じです:

「ビングループ(VIC)」は、ベトナム最大のコングロマリット。不動産開発のビンホームズ、小売のビンマート、自動車のビンファストなど、多岐にわたる事業を展開。時価総額はVN-Index全体の約15%を占めます。

「ベトコムバンク(VCB)」は、ベトナム最大の国有商業銀行。預金額、貸出額ともにトップクラスで、ベトナムの金融システムの中核を担っています。

「FPT(FPT)」は、IT企業の雄。ソフトウェア開発、システムインテグレーション、通信サービスなど、ベトナムのデジタル化を牽引する存在です。

「ビナミルク(VNM)」は、乳製品最大手。ベトナムの子供たちが飲む牛乳の大半はビナミルク製品です。

「ペトロベトナムガス(GAS)」は、石油ガス大手。エネルギーセクターの代表格で、配当利回りも魅力的です。

こういった銘柄がVN-Indexの中核を担っているため、これらの業績や株価がVN-Index全体に大きく影響します。逆に言えば、VN-Indexをチェックしていれば、ベトナムの主要企業の動向が一目でわかるということです。

VN-Indexとハノイ証券取引所のHNX-Indexの違い

ここでよくある質問が「HNX-Indexとの違いは?」というものです。

ベトナムには実は2つの主要証券取引所があります。ホーチミン証券取引所(HOSE)とハノイ証券取引所(HNX)です。VN-IndexはHOSEの指数、HNX-IndexはHNXの指数ということになります。

HOSEは大型株・優良企業が中心で、時価総額も流動性も高い。一方、HNXは中小型株が中心で、時価総額も流動性もHOSEに比べると小さいです。

イメージとしては、HOSEが東京証券取引所のプライム市場、HNXがスタンダード市場やグロース市場に近い感じでしょうか。

投資初心者がベトナム株を始めるなら、まずはVN-Index連動のETFや、VN-Indexを構成する大型株から入るのが無難です。HNX銘柄は成長性が高い反面、リスクも大きいので、ある程度ベトナム市場に慣れてからがおすすめです。

私も最初はVN-Index構成銘柄だけに絞って投資していました。ビングループ、FPT、ベトコムバンクあたりですね。ハノイで実際にビンホームズのマンションを見学したり、FPTの本社ビルを訪れたりして、「ああ、こういう会社なんだ」と実感を持てたのが大きかったです。

VN-Indexの歴史的推移と重要な転換点

VN-Indexの25年間の歴史を振り返ると、いくつかの大きな転換点があります。

「2000年代初頭」は、まだベトナム株式市場が黎明期。外国人投資家もほとんどおらず、VN-Indexは100~200ポイント台で低迷していました。

「2007年」に最初のバブルが発生。VN-Indexは1,170ポイントまで急騰しました。でもこれは実体を伴わない過熱で、2008年のリーマンショックで一気に暴落。235ポイントまで下落しました。

「2013年頃」から緩やかな回復局面に入り、500ポイント前後で安定推移。ちょうど私がハノイに来た頃です。この時期、ベトナム政府は国有企業の民営化や外資規制の緩和など、構造改革を進めていました。

「2017~2018年」が第二次ブーム。VN-Indexは1,200ポイントを突破し、ベトナム株投資に注目が集まりました。私のポートフォリオも、この時期に一気に膨らみました。タイ湖エリアのカフェで、ベトナム人の若手投資家たちが株の話で盛り上がっていたのを覚えています。

「2019~2022年」はコロナショックを含む調整局面。VN-Indexは800ポイント台まで下落し、多くの投資家が損切りを余儀なくされました。私も一時的に含み損を抱えましたが、長期投資の視点で持ちこたえました。

「2023年以降」は再び上昇トレンドに。1,200ポイント前後で推移し、2026年の重要イベントに向けて期待感が高まっています。

2026年9月が超重要な理由

ここからが本題です。実は、2026年9月にベトナム株式市場にとって歴史的な出来事が起こる可能性が高いんです。

FTSE Russell(フッチー・ラッセル)という世界的な指数算出機関が、ベトナムを「フロンティア市場」から「エマージング市場(新興国市場)」に格上げする見込みなんです。

これ、めちゃくちゃ大きいんですよ。

なぜかというと、世界中の機関投資家やファンドは、FTSE RussellやMSCIといった指数を参考に投資先を決めているからです。「エマージング市場」に格上げされると、これらの機関投資家が一斉にベトナム株を組み入れ始めます。

具体的な数字を出すと、格上げによって約20億~50億ドル(約3,000億~7,500億円)の資金が流入すると予測されています。ベトナムの株式市場全体の時価総額が約2,500億ドルですから、これがどれだけのインパクトか想像できますよね。

過去の事例を見ても、韓国が1992年に、台湾が2002年に格上げされたとき、それぞれ株価指数が大きく上昇しました。韓国は格上げ後1年で株価が約40%上昇、台湾も約30%上昇しています。

だから、今からVN-Indexを意識してベトナム株に投資しておけば、2026年9月の格上げの恩恵を受けられる可能性が高いんです。私も、このタイミングを見据えてポートフォリオを調整しています。

VN-Indexを使った実際の投資戦略

では、VN-Indexを実際の投資にどう活かすか。私が実践している方法を3つ紹介します。

1つ目は「VN-Index連動ETFへの投資」です。個別銘柄選びに自信がないなら、VN-Index全体に投資するETFが最適です。日本の証券会社で買える「FUEVFVND(iFreeETF FTSE ベトナムETF)」や「E1VFVN30(上場ベトナム株ブルーチップ30)」などがあります。これなら、VN-Indexの上昇に連動してリターンが得られます。

2つ目は「VN-Indexの水準でタイミングを判断」です。VN-Indexが1,000ポイントを下回ったら買い増し、1,300ポイントを超えたら利益確定、みたいな感じです。もちろん完璧なタイミングは誰にもわかりませんが、VN-Indexを見ていれば「今は割安だな」「今は過熱気味だな」という感覚がつかめます。

3つ目は「VN-Index構成銘柄から選ぶ」です。VN-Indexの上位銘柄は、ベトナムを代表する優良企業ばかり。この中から、自分が理解できるビジネスモデルの会社、成長性が高い会社、配当利回りが魅力的な会社を選んで投資します。私のポートフォリオも、ビングループ、FPT、マサングループなど、VN-Index構成銘柄が中心です。

現地ハノイから見たVN-Indexのリアル

最後に、ハノイに住んでいるからこそ感じるVN-Indexのリアルを少し。

ハノイの街を歩いていると、VN-Indexを構成する企業の存在をそこかしこで感じます。ビンホームズの高層マンション、ビンマートのコンビニ、FPTのオフィスビル、ビナミルクの広告看板。これらの企業が成長すれば、VN-Indexも上がる。そういう実感が持てるんです。

タイ湖エリアのカフェで、ベトナム人の友人たちと株の話をすることもよくあります。彼らも「VN-Index、今日はどう?」と聞いてきます。ベトナムでも株式投資は身近になってきていて、若い世代を中心に投資人口が増えています。

ロッテセンターの展望台から、夕暮れ時のハノイの街を見下ろすと、この街の成長を肌で感じます。10年前と比べて、高層ビルが増え、道路が整備され、街全体が近代化している。この成長がVN-Indexに反映されているんだな、と思うと、投資へのモチベーションも上がります。

まとめ:VN-Indexはベトナム株投資の羅針盤

そういうことなんです。VN-Indexは、ベトナム株投資を始めるなら必ず理解しておくべき指標です。

VN-Indexを見れば、ベトナム経済の現在地がわかります。VN-Index連動ETFに投資すれば、ベトナム経済全体の成長に乗れます。VN-Index構成銘柄から選べば、優良企業に投資できます。

そして2026年9月の格上げは、ベトナム株投資の大きなチャンスです。今からVN-Indexを意識して準備しておけば、この歴史的転換点の恩恵を受けられる可能性が高いです。

私自身、ハノイに12年住んで、VN-Indexを日々チェックしながらベトナム株投資を続けてきました。総資産9,153万円のうち、約半分がベトナム株です。VN-Indexの動きを見ながら、買い増したり、利益確定したりを繰り返してきました。

いかがでしたでしょうか。今回のVN-Indexの解説について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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