こんにちは、ベトナム総合ニュース&株式投資解説のベトテク太郎です。
FTSE Russell による格上げが決まってから、ベトナム株式市場がどう変わるのか、気になっている方も多いんじゃないでしょうか。正直なところ、私自身も12年ハノイに住んでいて、こんなに大きな改革の波が一気に来るとは思っていませんでした。
今回のニュースを見て、「ああ、これは本当に本気なんだな」と感じたんです。というのも、外国人投資家が直接注文を出せるようになるとか、スタートアップ企業の上場基準を柔軟にするとか、これまでずっと「検討中」だった施策が一気に動き出している。
実は先週、ハノイのタンロン工業団地近くのカフェで、ベトナム人の証券アナリストと話をしていたんですけど、彼も「2026年3月のFTSE Russellの再評価までに、政府は本当に全力で準備している」と興奮気味に語っていました。
また、巷ではラッセル以外にもMSCIへの格上げ可能性も高まっているという話がではじめました。MSCIといえば日本人にもオルカンで有名な機関投資家となります。MSCI格上げで外国人マネーが増加する事にも期待が高まります。
ベトナム市場が今やろうとしていること
今回発表された改革内容を見ると、3つの大きな柱があります。
外国人投資家の利便性向上です。証券国家委員会は、外国人投資家がグローバルな証券会社を通じて直接注文を出せる仕組みを準備しています。これまでは国内の証券口座を開設する必要があったので、これは大きな前進ですね。
新規上場の活性化にも力を入れています。スタートアップ企業向けの上場基準を柔軟にする政令が準備中で、利益条件などが緩和される見込み。さらに、IPO(新規株式公開)と上場を同時に行える仕組みや、外資系企業の上場も認める方向です。
金融商品の多様化も注目です。指数オプション、金ETF、カーボン市場、デジタル資産など、新しい投資商品が次々と登場する計画。これは正直、私も驚きました。ベトナムがここまで一気に攻めてくるとは。
2027年に稼働する「CCP」って何?
記事の中で何度も出てくる「CCP」という言葉、これが実は今回の改革の核心なんです。CCP(Central Counterparty、中央清算機関)というのは、証券取引の決済を仲介する機関のこと。
どういうことかというと、今までは買い手と売り手が直接取引していたのが、CCPが間に入ることで、「買い手が倒産しても売り手は確実に代金を受け取れる」「売り手が倒産しても買い手は確実に株を受け取れる」という仕組みになるんです。
Dragon Capitalのグエン・サン・ロック氏も指摘していますが、このCCPの導入は国際的な投資家が安心して資金を投入できる環境を作る上で欠かせません。第1段階は2027年第1四半期に稼働予定で、これがMSCIによる新興国市場への格上げ(2028-2030年を目指す)の必須条件になっています。
伝わりますかね? つまり、FTSE Russellの格上げは第一歩で、本命はMSCIの新興国市場入りなんです。そのための準備を今、着々と進めているということ。
IPOラッシュが来る?47兆円規模の可能性
記事によると、今後3年間で470億ドルから500億ドル規模のIPOが期待できるそうです。日本円にすると約7兆円から7.5兆円。これ、すごい数字ですよね。
背景にあるのが、政令245/2025/ND-CPによる上場手続きの大幅簡素化。IPOから上場までの期間が90日から30日に短縮され、外資保有比率の制限も緩和されました。サイゴン・ハノイ証券のファム・ホン・ソン副センター長は「企業の『上場への道のり』が大幅に短くなった」と評価しています。
ここで重要なのは、国営企業の民営化と株式売却が進むこと。ベトナム政府は長年、国営企業の効率化を課題としてきました。それが今回の改革で一気に加速する可能性があります。
実際、ハノイ市内を歩いていても、ここ数ヶ月で「上場準備中」という看板を掲げる企業が増えた気がします。タイ湖エリアのオフィスビルでも、証券会社の営業マンが忙しそうに出入りしているのをよく見かけますね。
外国人投資家はいつ戻ってくる?
BIDV証券のチャン・タン・ロン分析ディレクターによると、格上げ後、フロンティア市場専門の投資ファンドはポートフォリオを再編成するそうです。そして1.5年から2年後、金利水準が下がるタイミングで外国人投資家の買い越しトレンドが戻ってくると予測しています。
2026年以降、経済要因・政治要因・企業収益が揃ったときに、外資の流入が本格化する見込み。Dragon Capitalも同様の見解で、「2026年から資金が力強く戻ってくる」としています。
VN-Indexの目標は? 中長期で2,000ポイント、2026年には1,800ポイントが期待されています。現在1,630ポイント前後ですから、約10-20%の上昇余地があるということですね。
ただ、ここで冷静に考えないといけないのは、専門家たちが「IPOに投資するなら、独立した思考力、規律、長期的視点が必要」と警告している点。財務報告書の分析、ビジネスモデルの評価、経営陣の能力を見極めないと、情報リスクで損をする可能性があります。
ベトナム株投資家として、今何をすべきか
正直に言うと、今は「準備期間」だと思っています。2026年3月のFTSE Russellの再評価、2027年のCCP稼働、そして2028-2030年のMSCI新興国市場入り。この3つのマイルストーンに向けて、市場全体が動いています。
私自身のポートフォリオでいうと、優良大型株(VCB、FPT、VICなど)は長期保有を継続しつつ、IPO銘柄については慎重に選別する方針です。というのも、IPOラッシュが来ると言っても、全ての企業が優良とは限りませんからね。
ハノイに住んでいる利点は、実際に企業の製品やサービスを使ってみたり、オフィスの雰囲気を見たりできること。ロッテセンター近くのオフィスビルに入っているテック企業なんかは、社員の出入りや忙しさを見るだけでも、企業の勢いが分かったりします。
金ETFやカーボン市場といった新商品も気になりますが、これはまだ詳細が出てきてから判断ですね。焦らず、でも準備は怠らず。そういう姿勢が大事だと思います。
まとめ:本格的な外資流入の前夜
今回の改革ラッシュを見て感じるのは、ベトナム政府の本気度です。FTSE Russell格上げという大きなチャンスを逃さないために、法整備、インフラ整備、市場環境の改善を同時並行で進めている。
「資金の流れを作る『水路』を整備する」という表現が記事にありましたが、まさにそういうこと。外資が安心して入ってこられる環境を、2026年3月までに完成させようとしているんです。
私たち個人投資家にとっては、この1-2年が重要な準備期間。優良企業の選別、ポートフォリオの見直し、新商品の勉強。やるべきことはたくさんありますが、同時にワクワクする時期でもあります。
ベトナム株式市場が国際的な舞台で本格的に認められる日は、もうすぐそこまで来ています。
いかがでしたでしょうか。今回のベトナム市場改革について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
この記事が参考になったら、ぜひXでシェアしていただけると嬉しいです。より多くの方にベトナム投資の魅力を伝えたいと思っています。
【メンバーシップのご案内】 より詳細な投資分析や、ポートフォリオの具体的な銘柄情報、現地からのリアルタイム情報をお求めの方は、ぜひメンバーシップへのご参加をご検討ください。 https://note.com/gonviet/membership
一緒にベトナム株でFIREを目指しましょう!
【免責事項】 本記事の内容は、情報提供のみを目的としており、いかなる金融商品または仮想通貨への投資の推奨を意図するものではありません。ベトナム株式投資は価格の変動が大きく、リスクを伴う投資対象です。投資判断はご自身の責任に基づいて行ってください。本記事で提供される情報の正確性、完全性、または最新性については、最大限の注意を払っていますが、保証するものではありません。投資の際には、専門家への相談を推奨いたします。この記事は、法的、税務的、または財務的なアドバイスを提供するものではありません。本記事の情報に基づいて行われた投資による損失や損害について、執筆者および当ウェブサイトは一切の責任を負いません。株式投資およびその関連商品に投資する際は、各国の規制および法律を確認し、法令を遵守することが重要です。
#ベトナム株 #投資 #アジア株 #FIRE












コメント