【2025年最新】ベトナム経済は本当に成長しているのか?ハノイ12年在住者が語る現地のリアル

こんにちは、ベトナム総合ニュース&株式投資解説のベトテク太郎です。

ベトナム経済について、日本のメディアでは「高成長」「製造業のシフト先」「投資先として魅力的」といったポジティブな情報ばかりが目立ちます。でも、実際はどうなのか。ハノイに12年住んでいる私が、現地で見て感じている「リアルなベトナム経済」をお伝えします。

正直に言うと、私自身も最初はベトナム経済の成長性を疑っていました。2013年にハノイに来たとき、道路はバイクで溢れ、信号はあってないようなもの。「本当にこの国に投資して大丈夫なのか?」と思ったものです。

しかし、それから12年。ハノイの街並みは劇的に変わりました。タンロン工業団地周辺には次々と新しい工場が建ち、タイ湖エリアには高層マンションが林立し、ロッテセンターのような巨大商業施設も誕生しました。この変化を目の当たりにして、私はベトナム株投資に本格的に乗り出すことを決意したんです。

今回は、ベトナム経済の「今」を数字とともに徹底解説します。投資を検討している方、ビジネス展開を考えている方、そして単純にベトナム経済に興味がある方にとって、現地在住者ならではの視点が役立つはずです。

目次

ベトナム経済の基礎データ:数字で見る成長の実態

まず、ベトナム経済を語る上で欠かせない基礎データから見ていきましょう。

2024年のベトナムの名目GDPは4,338億米ドルに達しました。世界銀行の分類では「低中所得国」に位置づけられており、1人あたりGDPは約4,284米ドルです。「まだまだ発展途上じゃないか」と思われるかもしれませんが、この数字の推移が重要なんです。

2000年のベトナムの1人あたりGDPはわずか402米ドルでした。つまり、この24年間で約10倍以上に成長しているということです。これは東南アジア諸国の中でも際立った成長率で、ベトナム経済の潜在力を示す数字と言えます。

人口は約1億人。これは日本の約8割の規模で、東南アジアではインドネシア、フィリピンに次ぐ第3位の人口大国です。しかも、平均年齢は32歳と非常に若い。日本の平均年齢が48歳を超えていることを考えると、労働力と消費市場としての将来性が見えてきます。

ハノイのカフェに座っていると、20代から30代の若者たちがスマートフォンを手に、活発にビジネスの話をしている光景をよく目にします。「この国はこれから伸びる」という実感は、こうした日常の中から湧いてくるんです。

GDP成長率の推移:コロナ禍を乗り越えた底力

ベトナム経済成長率を見ると、その底力がより鮮明になります。

2019年のGDP成長率は7.02%でした。これは東南アジア主要国の中でもトップクラスの数字です。しかし、2020年にコロナ禍が襲います。多くの国が経済成長率をマイナスに落とす中、ベトナムは2.87%のプラス成長を維持しました。

私が現地で見た限り、ベトナム政府のコロナ対応は非常に厳格でした。ロックダウン期間中、ハノイ市内では外出制限が厳しく、食料品の買い出しも2日に1回のみ。企業活動も大きく制限されました。それでもプラス成長を維持できたのは、製造業の底堅さと輸出の強さがあったからです。

2021年は2.56%とやや落ち込みましたが、2022年には8.02%、2023年には5.05%と力強く回復しました。そして2024年は7.09%と、再び高成長軌道に戻っています。

この数字を見て、私は「ベトナム経済今後も安定成長が続く」と確信しています。なぜなら、コロナという大きなショックを経験しても、ベトナムは構造的な成長力を失わなかったからです。

ベトナム経済を支える3本柱

ベトナム経済の成長を理解するには、その産業構造を知る必要があります。ベトナムの経済は大きく3つのセクターで構成されています。

サービス業がGDPの45.2%を占めています。ホテル、飲食、IT、物流など、幅広い分野がこれに含まれます。ハノイやホーチミンの街を歩けば、新しいカフェやレストランが次々とオープンし、配達バイクが走り回っている光景が日常です。

工業・建設業は38.0%。これがベトナム経済の屋台骨です。サムスン、LG、アップルのサプライヤーなど、グローバル企業の製造拠点が集中しています。タンロン工業団地を訪れると、日本企業の工場も数多く稼働しており、「世界の工場」としてのベトナムの姿が見えます。

農林水産業は16.8%。割合としては小さくなっていますが、ベトナムは世界有数の米輸出国であり、コーヒー、カシューナッツ、水産物などの輸出も盛んです。

注目すべきは、この構造が年々変化していることです。10年前と比べると、サービス業と工業の比率が高まり、農業の比率が下がっています。これは「経済の高度化」が進んでいる証拠なんです。

FDI(外国直接投資)の流入:ベトナムが選ばれる理由

ベトナムビジネスを語る上で欠かせないのが、外国直接投資(FDI)の動向です。

2024年のベトナムへのFDI認可額は383億9,100万米ドルに達しました。実行額も246億米ドルと、前年比で7.1%増加しています。この数字は、グローバル企業がベトナムを「投資先として魅力的」と評価している証です。

投資元を見ると、シンガポール、韓国、中国、日本、台湾が上位を占めています。日本企業も製造業を中心に積極的にベトナムに進出しており、私が勤めるIT企業にも日本からの問い合わせが増えています。

投資先の業種では、製造業が全体の約60%を占め、次いで不動産業、卸売・小売業と続きます。特に電子機器、繊維、食品加工の分野での投資が活発です。

現地で見ていて感じるのは、「チャイナプラスワン戦略」の恩恵をベトナムが受けているということです。米中貿易摩擦や中国の人件費上昇を背景に、多くの企業がベトナムに製造拠点を移しています。ハノイ郊外の工業団地では、新しい工場の建設ラッシュが続いており、この流れはまだまだ続くでしょう。

輸出入動向:ベトナムを支える貿易黒字

ベトナム経済成長率を支えているもう一つの柱が、貿易です。

2024年のベトナムの輸出額は3,949億米ドル、輸入額は3,651億米ドルで、貿易収支は298億米ドルの黒字となりました。これは前年比で輸出が14.3%増、輸入が17.5%増という力強い数字です。

主要輸出品目を見ると、電子機器・部品、繊維・アパレル、履物、水産物、木製品などが上位を占めています。特に電子機器は輸出全体の約40%を占める主力商品です。

輸出先は米国が最大で、次いで中国、EU、韓国、日本と続きます。一方、輸入では中国からの輸入が最も多く、全体の約30%を占めています。これは、ベトナムが中国から原材料や部品を輸入し、それを加工して米国やEUに輸出するという「グローバルサプライチェーンの一翼」を担っていることを示しています。

私が注目しているのは、ベトナムの輸出品の高付加価値化が進んでいることです。かつては縫製品や水産物といった労働集約型の商品が中心でしたが、今や電子機器やIT製品の輸出が急増しています。FPT(証券コード:FPT)のようなIT企業が、ソフトウェア開発サービスをグローバル展開しているのもその一例です。

インフレ率と金融政策:安定した経済運営

ベトナム経済今後を考える上で、インフレ率と金融政策も重要な要素です。

2024年のインフレ率は3.63%でした。政府が目標としていた4.5%以内に収まっており、物価の安定が維持されています。2022年には世界的なエネルギー価格高騰の影響で一時3.15%まで上昇しましたが、2023年には3.25%と落ち着きを見せました。

ベトナム国家銀行(中央銀行)は、インフレ抑制と経済成長のバランスを取りながら金融政策を運営しています。2024年の政策金利は3.5%に引き下げられ、企業の資金調達を支援する姿勢を見せています。

現地で生活していて感じるのは、物価上昇は確かにあるものの、給与の上昇がそれを上回っているということです。ベトナムの平均月収は年々増加しており、中間層の購買力が高まっています。ハノイのショッピングモールでは、ベトナム人の若者たちがブランド品を買う姿も珍しくありません。

ベトナムの失業率:若い労働力の強み

ベトナムの失業率は2.24%と非常に低い水準にあります。これは若年層の多さと、製造業やサービス業での雇用吸収力の高さを示しています。

都市部の若者たちは、IT、製造業、サービス業などで次々と雇用機会を見つけています。一方、農村部では依然として農業に従事する人が多いですが、都市部への人口流入が続いており、労働市場の流動性が高まっています。

私がベトナム企業と仕事をしていて感じるのは、若い世代の「学習意欲の高さ」です。英語を勉強し、ITスキルを身につけ、より良い仕事を求めて転職を繰り返す。この向上心こそが、ベトナム経済を底上げしている原動力なんです。

ベトナムの格付けと国際的評価

ベトナム経済を客観的に評価する指標として、国際的な格付けがあります。

S&Pグローバル・レーティングスはベトナムの信用格付けを「BB+」としており、見通しは「安定的」です。これは「投機的級」の上位に位置し、あと一段階上がれば「投資適格級」に到達します。

世界銀行の「ビジネス環境ランキング」では、ベトナムは190カ国中70位にランクインしています。これは東南アジアの中では中位ですが、改革が進めば順位は上昇する可能性があります。

国際通貨基金(IMF)は、ベトナムのGDP成長率を2025年以降も6%台で推移すると予測しています。この予測は、ベトナム経済今後も堅調に成長し続けるという国際社会の期待を反映しています。

ベトナム経済の課題:光と影

ここまでベトナム経済のポジティブな側面を中心に語ってきましたが、課題もあります。

インフラの遅れが最大の問題です。ハノイの道路渋滞は年々悪化しており、物流コストの上昇につながっています。地下鉄建設も進められていますが、完成までには時間がかかります。

法制度の不透明さも指摘されています。土地所有権の問題、税制の複雑さ、行政手続きの煩雑さなど、外国企業がビジネスを展開する上での障壁が残っています。

人材の質も課題です。労働力は豊富ですが、高度なスキルを持つ人材はまだ不足しています。大学教育の質の向上や、職業訓練の充実が求められています。

環境問題も深刻化しています。ハノイの大気汚染は冬場に特にひどく、PM2.5の数値が危険レベルに達する日も少なくありません。経済成長と環境保護のバランスをどう取るかが今後の課題です。

ベトナム経済今後の見通し:私の現地視点

12年間ハノイに住み、ベトナム株に投資してきた私の視点から、ベトナム経済今後の見通しをお伝えします。

短期的には6〜7%の成長が続くと見ています。FDIの流入、輸出の増加、内需の拡大という3つのエンジンが揃っているからです。特に米中対立が続く限り、「チャイナプラスワン」の受け皿としてベトナムの重要性は高まります。

中期的には製造業の高度化が進むでしょう。単純な縫製や組み立てから、より付加価値の高い電子機器、自動車部品、医療機器などの生産にシフトしていきます。FPTやビングループ(証券コード:VIC)のような国内大手企業が、この流れをリードしています。

長期的にはサービス経済への転換が進むと予想しています。1人あたりGDPが5,000米ドルを超えると、消費構造が大きく変わります。ベトナムはまさにその転換点に差し掛かっており、小売、金融、IT、観光などのサービス業が急拡大するはずです。

ただし、リスクもあります。米中対立の激化、世界経済の減速、ベトナム国内の政治リスクなど、不確実性は常に存在します。ベトナム株投資を考えるなら、こうしたリスクを理解した上で、長期的な視点で臨むことが重要です。

まとめ:ベトナム経済は「今」が投資のチャンス

ベトナム経済のリアルをお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

数字で見ても、現地で肌で感じても、ベトナムは「成長のど真ん中」にいます。GDP成長率7%、人口1億人、平均年齢32歳、FDI流入の増加、貿易黒字の拡大。すべての指標が、この国の将来性を物語っています。

もちろん、課題もあります。インフラ、法制度、人材、環境。これらは一朝一夕に解決するものではありません。しかし、ベトナム政府はこれらの課題を認識し、改革を進めています。2026年9月にはFTSE Russellの新興国市場への格上げも期待されており、これが実現すれば大量の外国資本が流入するでしょう。

私がベトナム株投資を始めたのは、この国の「伸びしろ」に賭けたからです。12年間この国に住んで、その判断は間違っていなかったと確信しています。そして今、ベトナム経済はさらに次のステージに進もうとしています。

いかがでしたでしょうか。今回のベトナム経済の全貌について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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