【銀行金利一覧表付き】ベトナム銀行の定期預金金利が年利6.4%に急上昇!株式投資への影響と賢い資産運用戦略【2025年最新】

こんにちは、ベトナム総合ニュース&株式投資解説のベトテク太郎です。

ベトナムの銀行定期預金金利が急上昇しています。11月中旬時点で14の民間銀行が金利を引き上げ、一部の銀行では年利6%を超える水準に達しました。この動きは株式市場にどのような影響を与えるのでしょうか。現地ハノイから最新の状況をお伝えします。

目次

ベトナム民間銀行が一斉に定期預金金利を引き上げ

10月末から11月にかけて、VPBank、Techcombank、HDBank、BVBank、NamABank、BacABank、OCB、LPBank、Kienlongbank、BaoVietBank、NCB、PVCombank、CIMB、Standard Charteredの14行が定期預金金利を引き上げました。

中でも注目すべきは、VPBankとBacABankが約1か月で0.6〜1%もの大幅な金利上昇を実施した点です。BacABankは12〜13か月物で年利6.4%という市場最高水準を提示しており、Vikki(DongA Bank)やOceanbank(MBV)も年利6%を超える金利を提示しています。

一方で、国有銀行はこの動きには加わらず、過去半年間金利を据え置いたままです。民間銀行と国有銀行の金利差が拡大している状況が見て取れます。

金利上昇の背景にある3つの要因

軍隊銀行(MB)のファム・ニュー・アイン総裁は、金利上昇の主な要因として2つの構造的問題を指摘しています。

第一に、為替レートへの圧力です。ベトナム政府は年間の為替レート上昇目標を3〜5%に設定していますが、現在その上限に近づいており、為替政策の余地がほとんど残されていません。金利を引き上げることで外貨保有の魅力を相対的に低下させ、ドン安圧力を緩和する狙いがあります。

第二に、米国の金融政策の影響です。FRB(米連邦準備制度理事会)は依然として3.75〜4%という高い政策金利を維持しており、国際的な投資資金は高利回り市場を選好する傾向にあります。このため、ベトナムへの資金流入が限定的となり、国内金利の引き下げ余地が狭まっています。

VPBankのヴー・ミン・チュオン資金調達・金融市場部門ディレクターは、第三の要因として信用供与の伸びが預金吸収を上回る状況が続いていることを挙げています。これが年末の流動性と金利に圧力をかけているというわけです。

実際、銀行間市場の金利は11月初旬から高止まりしており、一部の期間では年利6%を超える水準で推移しています。

株式投資家への影響を考える

さて、この金利上昇は株式投資家にとってどのような意味を持つのでしょうか。

一般的に、定期預金金利の上昇は株式市場にとってネガティブ要因と考えられます。年利6%を超える安全な定期預金があれば、リスクを取って株式投資をする魅力が相対的に低下するためです。特に配当利回りが3〜4%程度の株式は、定期預金と比較して見劣りする可能性があります。

ただし、長期的な視点で考えると話は別です。ベトナムの銀行株や不動産株の多くは、預金金利上昇を価格転嫁できる構造にあります。銀行は預金金利を上げる一方で貸出金利も引き上げるため、純金利マージンを維持できる可能性があります。

ハノイのタイ湖エリアで不動産を見て回ると、依然として開発プロジェクトが活発に進んでいます。金利上昇は短期的に不動産需要を冷やす可能性がありますが、ベトナムの都市化トレンドや中間層の拡大という長期的な成長ドライバーは変わりません。

投資家が注目すべきポイント

今後の投資判断において、いくつかの重要なポイントがあります。

まず、銀行株については金利マージンの動向を注視する必要があります。預金金利と貸出金利の差であるNIM(純金利マージン)がどう推移するかが、銀行の収益性を左右します。VCB(ベトコムバンク)、TCB(テクコムバンク)、MBB(軍隊銀行)などの主要行は、比較的安定したNIMを維持できる体力があると見ています。

次に、配当利回りが高い銘柄に注目です。定期預金金利6%に対抗できる配当利回り7%以上の銘柄であれば、依然として投資妙味があります。例えば、VNM(ビナミルク)やGAS(ペトロベトナムガス)などの優良配当株は、金利上昇局面でも相対的な魅力を保てる可能性があります。

最後に、為替動向です。金利上昇の背景にドン安圧力があることを考えると、外貨建て資産や輸出企業への投資も検討に値します。FPT(FPT株式会社)のようなIT輸出企業は、ドン安がむしろ追い風となる可能性があります。

主要銀行の定期預金金利一覧(2025年7月9日時点)

以下は、1億ドン(約60万円)未満の預金に対する各銀行の金利です。

銀行名1か月3か月6か月9か月12か月
BacABank4.55%4.55%6.30%6.35%6.40%
Vikki Bank4.70%4.70%6.10%6.30%
Oceanbank4.60%4.75%5.70%6.00%
GPBank3.90%4.00%5.55%5.65%5.85%
HDBank4.20%4.30%5.50%5.30%5.80%
BaoVietBank4.00%4.45%5.45%5.50%5.80%
VietBank4.10%4.40%5.40%5.40%5.80%
VCBNeo4.40%4.55%5.90%5.45%5.80%
NamABank4.60%4.75%5.70%5.60%5.70%
MSB3.90%3.90%5.00%5.00%5.60%
ABBank3.10%3.80%5.30%5.40%5.60%
BVBank4.30%4.50%5.30%5.40%5.60%
NCB4.10%4.30%5.35%5.45%5.60%
Saigonbank3.30%3.60%4.80%4.90%5.60%
VietABank3.70%4.00%5.10%5.30%5.60%
PVCombank3.80%4.10%5.00%5.20%5.60%
CIMB4.75%4.75%5.50%5.50%5.60%
VPBank4.30%4.40%5.30%5.30%5.50%
Kienlongbank3.90%3.90%5.30%5.10%5.50%
SHB4.10%4.15%5.20%5.30%5.40%
PGBank3.40%3.80%5.00%4.90%5.40%
LPBank3.90%4.20%5.30%5.30%5.40%
TPBank3.70%4.00%4.90%5.10%5.30%
Sacombank4.00%4.20%5.00%5.10%5.30%
Eximbank4.60%4.70%5.40%5.40%5.30%
OCB4.20%4.25%5.20%5.20%5.30%
Woori Bank3.70%5.20%
Techcombank3.85%4.25%4.85%4.85%5.15%
ACB3.20%3.60%4.30%4.40%5.00%
SeABank3.40%4.10%4.50%4.70%5.00%
Shinhan Bank2.50%2.70%3.70%3.70%4.90%
MB3.50%3.80%4.30%4.30%4.85%
Agribank2.40%3.00%3.70%3.70%4.80%
VietinBank1.60%1.90%3.00%3.00%4.70%
BIDV1.90%2.20%3.30%3.30%4.70%
Standard Chartered2.50%3.00%3.70%4.30%4.64%
Vietcombank1.60%1.90%2.90%2.90%4.60%
UOB3.00%3.00%4.00%4.00%4.00%
SCB1.60%1.90%2.90%2.90%3.70%
HSBC1.00%2.25%2.75%2.75%3.25%
VIB4.00%4.20%5.00%5.00%

民間銀行と国有銀行の金利差が一目瞭然です。BacABank、Vikki Bank、Oceanbankの民間3行が12か月物で6%を超える一方、Vietcombank、BIDV、VietinBankの国有3行は4.6〜4.7%にとどまっています。

私の投資スタンス

正直に言うと、この金利環境は株式投資家にとって悩ましい状況です。年利6.4%の定期預金は魅力的ですし、リスクゼロで確実なリターンが得られます。

ただ、私がベトナム株投資を続けるのは、定期預金では得られない「資産の成長」を期待しているからです。6%の金利は確かに魅力的ですが、ベトナム経済が年率6〜7%で成長し続ける中で、優良企業の株価は10%、20%、あるいはそれ以上の上昇を見せる可能性があります。

現在の金利上昇局面は、むしろ割安になった優良株を拾うチャンスと捉えています。短期的な金利変動に惑わされず、5年、10年先のベトナム経済の成長を見据えた投資を続けていくつもりです。

いかがでしたでしょうか。今回の金利上昇について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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