こんにちは、ベトナム総合ニュース&株式投資解説のベトテク太郎です。
ついに来ました。ベトナム株投資家にとって、2025年11月はまさに「歴史が動いた瞬間」として記憶されるでしょう。FTSE Russellが正式にベトナム市場の新興国市場格上げを決定したことで、これから世界中のETFマネーがベトナムに流れ込んでくる。その具体的な金額と、どの資産運用会社が来るのか。ACB証券が興味深いレポートを出してきました。
正直言って、ハノイでこのニュースを見たとき、12年間ベトナムに投資してきた自分の選択が間違っていなかったと確信しましたね。タイ湖沿いのカフェで朝のフォーをすすりながら、スマホでこのニュースを読んでいたんですが、思わず「よっしゃ!」って声が出ましたよ。周りのベトナム人に不思議な顔で見られましたけど。
世界最大級の資産運用会社Vanguardが参入へ
今回のACB証券のレポートで最も注目すべきは、Vanguard(バンガード)の名前が挙がっていることです。
バンガードって、知っていますか?世界最大級の資産運用会社で、運用資産総額は驚異の9兆ドル超。日本円で約1,400兆円ですよ。日本のGDPが約550兆円ですから、その規模がどれだけ巨大かわかりますよね。
そのバンガードが運用する「Vanguard FTSE Emerging Markets ETF」の純資産は1,055億ドル(約16兆円)。このETFは「FTSE Emerging All Cap指数」をベンチマークにしていて、ベトナムはこの指数で0.34%の比重を占めることになります。
計算すると、バンガードだけで約3億5,850万ドル(約550億円)がベトナム市場に流入する見込みです。
実は先週、ベトナム証券監督委員会(SSC)がバンガードの代表者と会談していたんですよね。その場でバンガード側は「市場格上げ後、ベトナムでの投資活動を展開する」と明言し、取引口座と間接資本口座の開設を進めるとのこと。これ、もう完全に本気モードじゃないですか。
合計12本のETFから4億3,540万ドルの流入予測
ACB証券のレポートによると、格上げ後にベトナムに資金を投入すると見られるETFは合計12本。その総額は約4億3,540万ドル(約670億円)と予測されています。
この金額、正直言って「え、それだけ?」って思いました?
でもね、これはあくまで「パッシブ運用のETFだけ」の数字なんです。アクティブ運用のファンドや、個別の機関投資家の資金は含まれていません。実際には、この数倍から10倍規模の資金が流入する可能性があります。
というのも、ベトナムが新興国市場に格上げされることで、これまで「投資対象外」だった多くの機関投資家が、やっと投資できるようになるわけです。年金基金や保険会社、大学基金なんかは、運用方針で「新興国市場以上にしか投資できない」って決まっているところが多いんですよ。
それが一気に解禁される。これ、すごいことなんです。
ベトナムは世界41位のスコア、順位は上昇中
今回添付いただいた画像を見ると、ベトナムは世界ランキングで41位にランクインしていますね。スコアは1.802で、前回から3つ順位を上げています。
この表で注目すべきは、ベトナムより上位の国々の顔ぶれです。スウェーデン(39位)、ギリシャ(40位)といった欧州の国々と肩を並べているわけですよ。15年前、ベトナムがこんな評価を受けるなんて、誰が想像したでしょうか。
周辺国と比較してみましょう。
タイは75位でスコア2.048、順位を11上げています。カンボジアは70位でスコア2.028、順位を6下げています。つまり、ASEAN域内でもベトナムの評価は相対的に高まっているということです。
興味深いのは、ベトナム(41位)がアルバニア(42位、スコア1.809)や台湾(43位、スコア1.818)といった国々と僅差の争いをしている点。これらの国は経済規模や市場成熟度でベトナムと似た位置にいますが、台湾は順位を1つ下げているのに対し、ベトナムは3つ上げている。この上昇トレンドこそが、国際社会がベトナム市場に対する信頼を高めている証拠です。
そして何より重要なのは、この順位が今後さらに上がる可能性が高いということ。FTSE Russellは2026年3月に中間レビューを行うと発表しており、その際に「グローバルブローカーへのアクセス改善」が達成されているかをチェックするとのこと。ベトナムがこれをクリアすれば、さらなる評価向上と資金流入が期待できます。
2026年9月が本当のスタートライン
格上げの正式な実施日は2026年9月21日です。でもね、本当の勝負はそこからなんですよ。
まず2026年3月に中間レビューがあります。FTSE Russellが重視しているのは「グローバルブローカーが効果的に市場にアクセスできるか」という点。具体的には、外国証券会社がベトナムで口座を開設し、スムーズに取引できる環境が整っているかどうかです。
実はこれ、ベトナムにとって結構ハードルが高いんですよね。というのも、ベトナムの証券口座開設って、めちゃくちゃ面倒なんですよ。書類は山ほど必要だし、手続きは遅いし、英語対応も完璧じゃない。
私も12年前にベトナム株を始めたとき、口座開設だけで3週間かかりました。しかも何度も証券会社に足を運んで、書類の不備を指摘されて。「東南アジアの新興国ってこういうもんなんだな」って、半ば諦めの気持ちで待っていた記憶があります。
でも、最近はだいぶ改善されてきているんですよね。オンライン口座開設に対応する証券会社も増えてきましたし、外国人投資家向けのサポート体制も整いつつあります。
ただ、「グローバルスタンダード」と比べるとまだまだ。だからこそ、この中間レビューがベトナム市場の真価を問う試金石になるわけです。
バンガード参入の本当の意味
さて、もう一度バンガードの話に戻りましょう。
なぜバンガードの参入がそこまで重要なのか。それは、バンガードが「インデックス投資の父」とも呼ばれる存在だからです。彼らは低コストのインデックスファンドとETFで世界中の個人投資家から絶大な支持を得ています。
つまり、バンガードがベトナムに投資するということは、「世界中の個人投資家の年金資金や老後資金がベトナムに流れ込む」ということなんです。
これ、想像してみてください。アメリカの退職者が毎月積み立てている401kプラン(日本のiDeCoみたいなもの)の一部が、ベトナム株に投資されるんですよ。ヨーロッパの年金基金の資金が、VinGroupやFPTの株を買うんです。
こんな日が本当に来るなんて、12年前には夢にも思いませんでした。
そしてバンガードが来れば、他の大手運用会社も続きます。BlackRock(ブラックロック)、State Street(ステート・ストリート)、Fidelity(フィデリティ)といった巨大プレイヤーたちが、ベトナム市場に注目し始めます。
実際、ACB証券のレポートには12本のETFがリストアップされていますが、これはあくまで「確実に来る」と判断された保守的な数字です。実際にはもっと多くのファンドが参入するでしょう。
現地で感じるベトナムの本気度
ハノイに住んでいると、ベトナム政府の本気度が肌で感じられます。
タンロン工業団地やロッテセンターハノイ周辺を歩いていると、外資系企業の看板がどんどん増えています。証券会社の支店も、以前に比べて明らかに洗練されてきました。英語が話せるスタッフも増えましたし、デジタル化も進んでいます。
先日、ハノイ市内の証券会社を訪れたとき、担当者が「今、外国人投資家向けのサービス改善に全力を注いでいる」と話していました。「FTSE格上げは、ベトナム証券業界にとって100年に一度のチャンスだ」と。
彼らの目は本気でした。このチャンスを絶対に逃さないという覚悟が伝わってきましたね。
投資家として、今何をすべきか
さて、ここからが重要です。この歴史的な転換点で、私たち個人投資家は何をすべきか。
まず、焦る必要はありません。正式な格上げは2026年9月ですから、まだ時間があります。でも、何もしないのは機会損失です。
私が考える行動プランは以下の通りです。
まず、ベトナム株の証券口座を今のうちに開設しておくこと。格上げが近づくにつれて口座開設の申し込みが殺到する可能性があります。特に外国人枠(Foreign Room)が限られている銘柄は、早めに動いたほうがいいでしょう。
次に、ETFが買いそうな銘柄を先回りして仕込んでおくこと。FTSE Russell指数に組み入れられる銘柄は、時価総額上位の大型株が中心になります。VinGroup(VIC)、Vinhomes(VHM)、Vincom Retail(VRE)、FPT(FPT)、Techcombank(TCB)、Vietcombank(VCB)あたりは確実に買われるでしょう。
そして最も重要なのは、「売り時」を見極めることです。
格上げが正式に実施される2026年9月の数ヶ月前から、投機的な資金が流入して株価が急騰する可能性があります。いわゆる「格上げバブル」ですね。この時期に「まだまだ上がる!」と欲を出して売り損ねると、格上げ後に「材料出尽くし」で下落するリスクがあります。
私自身は、2026年6月から8月にかけて、保有株の一部を利益確定する予定です。全部売るわけじゃないですよ。でも、12年間積み上げてきた含み益の一部を現金化して、次の投資機会に備えるつもりです。
そういうことなんです。格上げは「ゴール」じゃなくて「スタート」なんですよね。
総資産9,153万円の私が今思うこと
私の総資産は現在9,153万円で、そのうちベトナム株が約4,700万円を占めています。12年前に100万円から始めた投資が、ここまで成長しました。
正直言って、途中で何度も諦めそうになりました。ベトナム株なんて、日本の投資家仲間に話してもほとんど理解されませんでしたから。「なんでわざわざリスクの高い新興国に投資するの?米国株でいいじゃん」って、散々言われました。
でも、信じて持ち続けてよかった。
これから格上げによって、ベトナム市場はさらに成熟していきます。流動性が高まり、情報開示も改善され、より多くの投資家が参入してきます。そうなれば、私たちのような先行投資家は、その恩恵を最大限に受けられるはずです。
でもね、ここで調子に乗りすぎるのも危険です。格上げはあくまで「通過点」であって、ベトナム経済や企業の実力が伴わなければ、株価は長続きしません。
だからこそ、ファンダメンタルズをしっかり見極めることが重要なんです。バンガードをはじめとする機関投資家が本当に評価するのは、持続的に成長できる優良企業です。一時的な投機ではなく、長期的な価値創造ができる企業に投資する。
それが、FIRE(経済的自立と早期退職)を目指す私たちにとって、最も確実な道だと思います。
いかがでしたでしょうか。今回のバンガード参入とETF資金流入について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
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