こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。
正直に言うと、12年前にハノイに来た時は「3年くらいで日本に帰るだろう」と思っていました。でも気づけば、ベトナムでの生活が日本での生活より長くなってしまった。なぜか。それは、この国が想像以上に「住みやすい」からなんです。
最近、日本の友人から「海外移住を考えているんだけど」という相談を受けることが増えました。物価高、増税、将来不安。そういう話を聞くたびに思うんです。「ベトナムに来れば、その悩みの半分は解決するのに」って。
でも、海外移住って不安ですよね。わかります。私も12年前は不安だらけでした。言葉は通じるのか、病気になったらどうするのか、仕事は見つかるのか、子供の教育は。そういう不安を抱えながら、それでもベトナムに来て、そして今もここにいる。
この記事では、ハノイ在住12年の実体験と、2025年の最新データを基に、ベトナム移住のリアルをお伝えします。綺麗事は言いません。良いところも悪いところも、全部正直に書きます。
海外移住ブーム?でも実際の数字は意外と
まず、データから見ていきましょう。というか、これ知ってました?
外務省の最新統計(2024年10月)によると、海外に住む日本人は「129万3,097人」。実はこの数字、5年前と比べて約12万人も減っているんです。コロナの影響もありますが、2024年は前年とほぼ同数で「底打ち」した感じ。つまり、これ以上は減らないという状況。
でも面白いのは、内訳を見ると「長期滞在者」は減っているのに「永住者」は増えている。つまり、「ちょっと海外で働いてみよう」という人は減っているけど、「本気で海外に根を下ろす」人は増えているということです。
ベトナムはどうかというと、在留邦人数は「17,410人」で前年比マイナス8.1%。正直、減ってます。でもこれ、実は「チャンス」なんです。後で説明します。
なぜ私はベトナムを選んだのか
12年前、私には選択肢がいくつかありました。タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン。当時の私の優先順位は、こうでした。
「生活費が安い」「日本食が手に入る」「そこそこ治安が良い」「経済成長している」
そう、この4つ全部を満たしていたのがベトナムだったんです。
タイも良かった。でも、当時のバンコクはすでに「成熟しすぎている」感じがしたんです。シンガポールは物価が高すぎる。マレーシアは魅力的だったけど、なんとなくベトナムの「伸びしろ」に賭けてみたかった。
そして今、その判断は正しかったと思っています。ベトナムのGDP成長率は2024年に「7.09%」。これ、すごい数字ですよ。日本が1%台で苦しんでいる中、この成長率。街を歩いていても、その勢いを肌で感じます。
タイ湖のロッテセンター周辺なんて、12年前は何もなかったのに、今や高層マンションが林立している。タンロン工業団地では日系企業がどんどん増えている。この「変化のスピード」が、ベトナムの魅力なんです。
生活費の話をしましょう。具体的に
さて、みんなが一番気になるのは「お金」の話ですよね。
ハノイで一人暮らしをする場合、月の生活費は「8万円から16万円」あれば十分です。夫婦なら「15万円から27万円」、子供がいるファミリーなら「22万円から38万円」。
これ、東京と比べてどうかというと。
Numbeoという世界的な生活費比較サイトのデータ(2025年版)によると、ハノイの生活費指数は東京の「約50%」。つまり、ハノイで6万円の生活は、東京で約12.7万円の生活に相当するんです。
もっと具体的に言いましょう。私の実際の生活費を公開します。
家賃は、タイ湖エリアの1LDKで「月5万円」。東京だったら、同じ広さで10万円以上はしますよね。食費は、週末に日本食を食べても「月4万円」程度。光熱費は「月8,000円」、通信費(光回線とスマホ)で「月1,500円」。交通費は、ほぼGrabタクシーを使っても「月1万円」いかない。
合計すると、月12万円くらい。これで、かなり快適に暮らせています。
東京だったら、どうでしょう。家賃だけで10万円、食費も倍はかかる。合計で月25万円は必要ですよね。年間で「156万円」の差。これ、大きいですよ。
でも、実は物価は上がっている
ただ、正直に言わなければいけないことがあります。
ベトナムの物価は、確実に上昇しています。2024年のインフレ率は「3.62%」。日本より高い。特に、都市部の家賃は年10%以上のペースで上がっています。
12年前、私がハノイに来た時は、同じアパートが月2万円で借りられました。今は5万円。2.5倍です。外食も、ローカル食堂の麺料理が当時は50円くらいだったのが、今は100円以上。これも倍。
つまり、「ベトナムは安い」というイメージは、少しずつ過去のものになりつつあるということ。でも、それでも東京より安いのは事実です。そして、この物価上昇は「経済成長の証」でもある。給料も上がっているから、ベトナム人の生活水準も確実に向上しています。
ビザの話。これ、意外と簡単です
「ベトナムで働くには、ビザが大変なんでしょ?」
よく聞かれます。でも、実際はそこまで大変じゃないんです。
ベトナムで働くには「労働許可証」と「就労ビザ」が必要です。手続きは会社がやってくれるので、必要なのは以下の書類だけ。
大学の卒業証明書、無犯罪証明書、健康診断書、パスポート。これだけ。
費用も、労働許可証が「約2,400円」(40万VND)、ビザ申請が代行込みで「5,000円から3万円」。合計でも3万円ちょっと。所要期間は1〜2ヶ月。
これ、タイのリタイアメントビザ(銀行に350万円の預金が必要)や、マレーシアのMM2H(3,600万円の定期預金)と比べると、圧倒的にハードルが低いんです。
ただし、ベトナムには「リタイアメントビザ」がない。つまり、働かないで長期滞在するのは難しい。でも、2025年に「投資型TRC(ゴールデンビザ)」の導入が検討されているという話もあります。これが実現すれば、投資家やFIRE達成者にとっても魅力的な選択肢になるはず。
仕事はあるのか?給料はどうなのか?
「ベトナムで仕事は見つかるのか?」
結論から言うと、日本人であれば仕事は「かなり見つかりやすい」です。
ベトナムには約2,394社の日系企業があります(2024年現在)。そして、そのほとんどが「日本人人材不足」に悩んでいる。だから、求人は常にある。
給料はどうかというと、職種によりますが。
一般事務や営業なら月「23万円から38万円」(1,500〜2,500USD)、ITエンジニアなら中級で「27.5万円から46万円」(1,800〜3,000USD)、マネージャークラスなら「38万円から69万円」(2,500〜4,500USD)。
これ、日本と比べてどうかというと、確かに低い。でも、生活費が東京の半分なら、実質的な購買力は日本と変わらない、もしくは上かもしれません。
私自身、ベトナムの会社でマーケティングと営業の仕事をしていますが、給料と生活費のバランスを考えると、日本にいた時より「豊かな生活」ができていると感じます。
起業という選択肢もある
実は、ベトナムで起業する日本人も増えています。
法人設立の最低資本金は、原則「規定なし」。実務上は1万USD(約150万円)以上を推奨されますが、日本で起業するより圧倒的にハードルが低い。所要期間は2〜4ヶ月、設立費用は代行を使っても「45万円から150万円」程度。
私の周りにも、カフェを始めた人、日本食レストランを開いた人、コンサルティング会社を立ち上げた人がいます。みんな、「日本でやるより可能性がある」と言っています。
ベトナムは「伸びている市場」だから。日本は成熟しきっていて、新しいことを始めるのが難しい。でも、ベトナムはまだまだ「隙間」だらけ。そこにチャンスがある。
医療と教育。ここが一番の不安ですよね
正直、医療と教育は「お金がかかる」部分です。
ハノイには日本語が通じる病院がいくつかあります。「さくらクリニック」「DYM Medical Center」など。でも、初診料だけで「7,650円から15,300円」(50〜100USD)。健康診断は「15,300円から45,900円」(100〜300USD)。
だから、海外旅行保険は「必須」です。私は年間約10万円の保険に入っています。高いけど、これがないと怖い。
教育については、もっとシビアです。
インターナショナルスクールの学費は、年間「214万円から565万円」(14,000〜35,000USD)。これ、日本の私立よりも高いです。ハノイ日本人学校もありますが、それでも年間「約150万円」。
子供がいる家庭にとって、この教育費は大きな負担です。でも、逆に言えば、独身や夫婦のみなら、この部分の心配はない。
タイやマレーシアとの比較
「ベトナムじゃなくて、タイやマレーシアじゃダメなの?」
いい質問です。比較してみましょう。
タイ(バンコク)は、在留邦人数「77,294人」でASEANトップ。リタイアメントビザも充実していて、医療レベルも高い。でも、生活費指数はハノイより「34%」高い。バンコクで月20万円かかる生活が、ハノイなら13万円で済む計算。
マレーシア(クアラルンプール)は、英語が通じるのが大きな魅力。でも、2024年にMM2Hビザの条件が大幅に厳しくなって、シルバーカテゴリーでも「3,600万円の定期預金」が必要になった。これ、普通の人には無理ですよね。
シンガポールは、もはや「移住」というより「富裕層の避難先」みたいな感じ。生活費指数は東京より「40%」も高い。
フィリピンは、2025年9月から40歳以上でSRRVビザ(特別居住退職者ビザ)が取得できるようになって、条件が緩和されました。預託金も50歳以上なら「300万円」と手頃。英語が通じるのも魅力。でも、治安面でベトナムより劣るかな、という印象です。
結局、「若くて働きたい人」「リタイアメントビザの条件を満たせない人」「とにかく生活費を抑えたい人」には、ベトナムが一番合っていると思います。
失敗例を正直に話します
さて、ここからは「失敗談」です。
私も12年間で、たくさん失敗しました。そして、途中で日本に帰っていった人も何人も見てきました。よくある失敗パターンを、正直に書きます。
一番多いのは「言語の壁」です。統計でも35%の人がこれで苦労している。ベトナム語は「6声調」という、日本人にとって超難易度の言語。私も12年住んでいますが、未だに完璧には話せません。
具体的に何が困るかというと、役所の手続きが一人でできない、病院で症状を正確に伝えられない、大家さんとトラブルになった時に交渉できない。こういうことです。
対策は、日本語対応のサービスを使うこと。医療なら日系クリニック、住居探しなら日系不動産会社。お金はかかるけど、これがないと本当に詰みます。
二番目は「文化・習慣の違い」(28%)。
ベトナム人は、時間にルーズです。約束の時間に平気で30分遅れる。「明日やる」と言って、3日後にやる。修理業者を呼んだら、「今日行く」と言って来ない。こういうこと、日常茶飯事です。
最初はイライラしました。でも、12年経って悟ったのは「日本の感覚を捨てる」こと。ベトナムで日本と同じサービスレベルを期待したら、ストレスで死にます。
三番目は「食事が合わない」(18%)。
ベトナム料理は美味しいです。でも、パクチーとヌクマム(魚醤)は、人によっては無理。私の友人で、この匂いがダメで半年で帰国した人がいます。
対策は、自炊するか、日本食レストランに通うか。ただ、日本食は高いです。日本の1.5倍くらい。そこそこの寿司屋でランチを食べたら、2,000円は余裕で超えます。
四番目は「物価上昇・インフレ」(12%)。
さっきも書きましたが、ベトナムの物価は毎年確実に上がっています。最初は「安い!」と喜んでいても、3年、5年と住んでいると、「あれ、思ったより安くないぞ」となる。特に家賃の上昇は激しい。
五番目は「仕事・収入面の苦労」(7%)。
日本での経験がベトナムでは活かせないことがあります。日本では部長職だったのに、ベトナムでは一般社員からスタート、とか。給料も日本より低いから、モチベーションが下がる人もいます。
そして、帰国を決める理由で一番多いのは「家族の事情」(32%)。親の介護、子供の進学。これはもう、仕方ない。二番目が「健康問題・医療不安」(24%)。ベトナムの医療レベルは日本ほど高くないから、大きな病気をしたら帰国する人が多い。
最近のトレンド。リモートワークとベトナム移住
2024年以降、「リモートワーク×海外移住」という新しいパターンが増えています。
日本の会社に勤めたまま、ベトナムで働く。給料は日本水準、生活費はベトナム水準。これ、最強ですよね。
実際、ハノイにはコワーキングスペースが増えています。WeWork、Toong、The Hive。月額料金は「2.3万円から4.6万円」(150〜300USD)。カフェで仕事をするより快適だし、ネットも速い。
ベトナムのリモートワーク普及率は「52%」。これ、アメリカと同じレベルです。日本の30%より高い。つまり、ベトナム人もリモートワークに慣れているから、その環境が整っているということ。
FIRE達成者の海外移住先ランキングでも、ベトナムは「5位」に入っています。理由は、低コスト、食文化の豊かさ、経済成長。特に、月15万円あれば快適に暮らせるというのが大きい。
4%ルールで計算すると、資産「4,500万円」あればベトナムでFIRE可能。日本だと、最低でも7,500万円は必要ですよね。この差は大きい。
「減っている」からこそチャンス
最初に書いた通り、ベトナムの在留邦人数は減っています。前年比マイナス8.1%。
でも、私はこれを「チャンス」だと思っています。
なぜか。競争相手が減っているから。
12年前、ハノイには日本人があふれていました。どの日系企業も日本人だらけ。でも今は違う。人手不足です。だから、日本人というだけで価値がある。仕事も見つかりやすい。
そして、この「減っている」状況は、コロナの一時的な影響じゃなくて、構造的なものだと思っています。日本人全体が「海外に出たがらない」傾向が強まっている。でも、だからこそ、出る人には大きなチャンスがある。
私が12年住んで思うこと
ベトナムは完璧な国じゃありません。
言葉は難しい、時間にルーズ、物価は上がっている、医療も不安。でも、それでも私はここが好きです。
なぜか。
「可能性」があるから。この国は、まだ伸びている。街を歩くたびに、新しいビルが建ち、新しい店ができ、新しいビジネスが生まれている。この「動いている感じ」が、日本にはもうないんです。
そして、「自由」があるから。日本みたいに、窮屈じゃない。良くも悪くも、テキトーで、ゆるい。最初は戸惑ったけど、今はこの感じが心地いい。
海外移住を考えている人に言いたいのは、「完璧を求めるな」ということ。どの国にも良いところと悪いところがある。大事なのは、「自分にとって何が優先順位高いか」を明確にすること。
生活費を抑えたいのか、成長市場で働きたいのか、リタイア後の生活を楽しみたいのか、子供に国際教育を受けさせたいのか。
私の場合は、「生活費を抑えながら、成長市場で働く」ことが優先だった。だから、ベトナムが正解だった。でも、人によっては、タイやマレーシアの方が合っているかもしれない。
まとめ。迷っているなら、まず来てみれば?
長くなりましたが、最後に。
海外移住を「人生の一大決心」だと思わないでください。
まずは、観光ビザで1ヶ月来てみる。ハノイに住んでみる。カフェで仕事をしてみる。市場で買い物をしてみる。そうすれば、「あ、これイケる」か「やっぱり無理」か、わかります。
日本人は、決断を先延ばしにしすぎる。完璧な情報を集めようとして、結局動かない。でも、実際に来てみないとわからないことの方が多い。
私も12年前、「とりあえず3年」と思って来ました。でも、気づいたら12年。そして、あと何年住むかわからない。もしかしたら、一生ここにいるかもしれない。
それくらい、ベトナムは住みやすい。あなたも、一度試してみませんか?
いかがでしたでしょうか。今回のベトナム移住について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
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