こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。
「ベトナム株に投資したいけど、どうすればいいの?」
そう思っている方に朗報です。2024年6月、ついに日本で「国内初のベトナム株インデックスファンド」が登場しました。その名も「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」。
ハノイに12年住んでベトナム経済を肌で感じている私から見ても、これは日本の投資家にとって待ちに待った商品なんです。というのも、これまでベトナム株に投資するには、海外証券口座を開設して個別株を買うか、アクティブファンドに高い手数料を払うしか選択肢がなかったんですよね。
今回は、この「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」について、現地在住者の視点も交えながら徹底的に解説していきます。
iFreeNEXT ベトナム株インデックスとは何か
まず基本から。「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」は、大和アセットマネジメントが運用する投資信託です。2024年6月28日に設定された、できたてホヤホヤの商品なんですね。
この投資信託の最大の特徴は、「VN100指数」という株価指数に連動することを目指している点です。VN100指数って何かというと、ホーチミン証券取引所に上場している大型株・中型株の中から、時価総額が大きくて流動性の高い上位100銘柄で構成される指数です。
つまり、この投資信託を1本買えば、ベトナムを代表する優良企業100社に分散投資できるというわけです。個別株を一つ一つ選ぶ必要がない。これって、ベトナム株初心者にはかなり大きなメリットですよね。
運用方針はシンプルで、「ベトナム株インデックス・マザーファンド」を通じて、ベトナムの株式およびETFに投資します。そして為替ヘッジは「原則として行わない」となっています。
VN100指数の中身を見てみよう
では、この「VN100指数」って実際にどんな企業が入っているのか。これが分からないと投資のイメージが湧きませんよね。
VN100指数は「VN30指数」の30銘柄と「VNMidcap指数」の70銘柄を合わせた、合計100銘柄で構成されています。時価総額加重平均型なので、大きな企業ほど指数への影響も大きくなります。
トップはFPT Corp、構成比率8.5%です。ハノイでもホーチミンでも、FPTのロゴを見ない日はありません。ITサービス、ソフトウェア開発、通信、教育と、あらゆる分野に進出している巨大企業です。
そして興味深いのが、組入上位10銘柄のうち6銘柄が「金融セクター」の銀行業だという点。ベトコムバンク(VCB)、テクコムバンク(TCB)、ビンコムバンク(VPB)、軍隊銀行(MBB)など、ベトナムの銀行が指数の約半分を占めています。
これは何を意味するか。ベトナム経済が成長すれば、企業も個人もお金を借りて事業拡大や消費をする。その恩恵を最もダイレクトに受けるのが銀行業なんです。つまり、VN100指数に投資するということは、ベトナムの経済成長そのものに賭けているようなものなんですよ。
私がハノイの街を歩いていて感じるのは、銀行支店の異常な多さです。タイ湖エリアだけでも、主要銀行の支店が何十件とあります。それだけ金融サービスの需要が旺盛だということですね。
手数料はどうなっているのか
投資信託を選ぶ上で、手数料(コスト)は超重要です。いくらリターンが良くても、手数料で持っていかれたら意味がありませんからね。
「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」の手数料構造はこうなっています。
まず「購入時手数料」ですが、これは販売会社によって異なります。ただし、SBI証券や楽天証券などの主要ネット証券では購入時手数料は「無料」です。いわゆる「ノーロード」ってやつですね。
次に「信託報酬」、これが年率0.781%(税込)です。これは毎日自動的に差し引かれるコストで、100万円投資していれば年間約7,810円の手数料がかかる計算になります。
この0.781%という数字、高いのか安いのか。ベトナム株のアクティブファンドと比較すると、かなり安いです。従来のベトナム株ファンドは信託報酬が年率1.5~2.0%くらいが相場でしたから、ほぼ半分のコストで済みます。
ただし、米国株のS&P500インデックスファンド(信託報酬0.1%以下)と比べると高く感じるかもしれません。でもこれは、新興国市場特有の取引コストや管理コストが上乗せされているためで、ベトナム株に投資する以上は避けられないコストです。
個人的には、この水準なら「十分に合格点」だと思います。というのも、ベトナムの個別株を自分で売買すると、証券会社の手数料だけでなく為替手数料も結構かかりますからね。それを考えると、プロに任せて年率0.781%で済むなら安いものです。
どこで買えるのか?NISA対応は?
「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」は、主要なネット証券で購入できます。
取扱証券会社は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、三菱UFJ銀行、三菱UFJ eスマート証券、SBIネオトレード証券、moomoo証券などです。基本的に、ネット証券ならどこでも買えると思って大丈夫です。
そして注目したいのが、「新NISA」の成長投資枠に対応している点です。年間240万円まで、最大1,200万円まで非課税で投資できるわけですから、これは使わない手はありません。
ただし、「つみたて投資枠」には対応していません。理由は、VN100指数がNISA指定インデックスではないためです。まあ、設定から5年経過後に一定の要件を満たせば、つみたて投資枠対象に追加される可能性はあるそうですが、今のところは成長投資枠での購入に限られます。
積立投資も可能で、最低100円から始められます。SBI証券なら毎日積立もできるので、ドルコスト平均法で時間分散しながらコツコツ投資するのもいいでしょう。
ちなみに、SBI証券や楽天証券では「クレカ積立」に対応しているので、投資しながらポイントも貯まります。私自身、クレカ積立でポイントを貯めながら投資していますが、これって地味に嬉しいんですよね。
ベトナム経済の成長性をどう見るか
さて、手数料や購入方法は分かった。でも肝心なのは「ベトナム株って、本当に成長するの?」という点ですよね。
ハノイに12年住んでいる私から言わせてもらうと、答えは「イエス」です。ただし、短期的には上下するし、リスクもあります。
まず数字で見てみましょう。ベトナムのGDP成長率は、2024年も6~7%台を維持しています。これは先進国(1~2%)や他のアジア新興国と比べても高い水準です。
人口は約1億人で、平均年齢は31歳。日本が49歳、中国が39歳ですから、ベトナムがいかに若い国かが分かります。この「人口ボーナス」はあと20年は続くと言われています。
そして何より、街を歩いていて実感するのが「中間層の拡大」です。10年前のハノイと今のハノイを比べると、明らかに人々の生活水準が上がっています。バイクから車への乗り換え、スマホの普及、カフェやレストランの賑わい。消費市場が確実に拡大しているんです。
ロッテセンターのような高級ショッピングモールには、週末になると若いカップルや家族連れで溢れかえります。彼らは平気で数千円、数万円する商品を買っていきます。「ベトナムは貧しい国」というイメージは、もう完全に過去のものです。
さらに、地政学的にも有利です。米中対立が続く中、中国に代わる製造拠点として、欧米企業や日本企業がベトナムに工場を移転しています。タンロン工業団地なんて、日本企業だらけですよ。
VN100指数の過去のパフォーマンスは?
では、実際に「VN100指数」はどれくらいのリターンを出してきたのか。
大和アセットマネジメントが公開している資料によると、VN100指数(円ベース)は2016年1月から2024年4月末までの期間で、年率約9~10%程度のリターンを出しています(配当込み)。
もちろんこれは過去の実績であって、将来を保証するものではありません。でも参考値としては悪くない数字です。米国のS&P500が年率10~12%くらいですから、それに近いリターンを新興国株で狙えるということですね。
ただし、ボラティリティ(価格変動の大きさ)は米国株よりかなり高いです。1年で30%上がることもあれば、20%下がることもあります。新興国株特有のジェットコースター相場なんです。
実際、「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」の設定来リターン(2024年10月時点)は+30.1%と好調ですが、これは2024年のベトナム株市場が上昇トレンドだったからです。逆に、2022年から2023年前半はかなり調整していました。
だからこそ、一括投資ではなく積立投資で時間分散することが重要なんです。高い時も安い時も淡々と買い続けることで、平均取得単価を平準化できます。
現地在住者が感じるベトナム株のリスク
良い話ばかりしてきましたが、リスクもちゃんと説明しないとフェアじゃないですよね。ハノイに住んでいるからこそ見える、ベトナム株の「落とし穴」もあります。
まず「政治リスク」。ベトナムは社会主義国家で、共産党の一党支配体制です。政策が突然変更されることもあります。例えば、2022年には不動産バブル抑制のために融資規制が強化され、不動産関連株が暴落しました。
次に「外資規制」。ベトナムには「外国人保有制限」というルールがあって、多くの企業で外国人の株式保有比率に上限があります。人気銘柄は外国人枠が満杯で買えないこともあります。ただ、インデックスファンドの場合は運用会社がうまく調整してくれるので、個人投資家はあまり気にしなくていいです。
そして「為替リスク」。ベトナムドンは対円で年間5~10%程度変動することがあります。株価が上がっても、ドン安・円高になれば円ベースでのリターンは目減りします。逆もまた然りですが。
あと、これは現地に住んでいるから分かるんですが、「情報の透明性」もまだ完璧ではありません。日本の上場企業と比べると、ディスクロージャー(情報開示)の質や速度に差があります。決算発表が遅れたり、監査で問題が見つかったりすることもあります。
さらに、市場の流動性も米国や日本に比べると低いです。大型株は問題ありませんが、中小型株になると売買が成立しにくいこともあります。
他のベトナム株投資手段との比較
「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」以外にも、ベトナム株に投資する方法はあります。比較してみましょう。
まず「個別株投資」。SBI証券などでベトナム個別株を直接買う方法です。メリットは、自分で銘柄を選べること。デメリットは、情報収集が大変で、手数料も高めなこと。初心者にはハードルが高いです。
次に「アクティブファンド」。例えば「ベトナム株式ファンド」(キャピタル)や「イーストスプリング・ベトナム株式ファンド」などです。プロが銘柄選定してくれるメリットはありますが、信託報酬が年率1.5~2.0%と高く、長期で見るとコストが重荷になります。
そして「ベトナムETF」。ベトナム市場に上場しているETFを買う方法もありますが、日本から買うのは手間がかかります。
これらと比べると、「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」は「手軽さ」と「コスト」のバランスが良いんです。100円から買えて、NISA対応で、信託報酬も比較的安い。ベトナム株投資の入門編としては、ベストな選択肢だと思います。
私ならこう投資する
では、私だったらどう「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」を活用するか。あくまで個人的な考えですが、参考までに。
まず、ポートフォリオの「コア」ではなく「サテライト」として位置づけます。全資産の10~20%くらいでしょうか。米国株インデックスや全世界株インデックスをコアに据えて、ベトナム株はアクセント的に加えるイメージです。
投資方法は「毎月定額の積立投資」です。例えば月3万円ずつ、NISA成長投資枠で積み立てていく。一括投資だと高値掴みのリスクがあるので、時間分散は必須です。
そして、「10年以上の長期保有」を前提にします。新興国株は短期的には上下が激しいですが、10年スパンで見ればベトナム経済の成長に連動するはずです。途中で20~30%下がっても慌てて売らない。むしろ追加で買い増すくらいの気持ちが必要です。
ハノイに住んでいる私の場合は、さらに個別株も併用しています。FPTやVIC(ビングループ)など、自分が肌で感じる優良企業に直接投資もしています。でも、これは現地情報があるからできること。日本にいる方は、まずインデックスファンドから始めるのが賢明だと思います。
よくある質問に答えます
最後に、よくある質問をいくつか。
「今から買って遅くないですか?」 → 長期投資なら、いつ買っても大差ありません。ベトナム経済はまだまだ成長段階です。10年後、20年後を見据えるなら、今日が一番早い日です。
「暴落したらどうするんですか?」 → 新興国株は暴落することもあります。でもそれは「安く買えるチャンス」でもあります。積立投資なら、暴落時にたくさん口数を買えるので、長期的にはプラスに働きます。
「為替リスクが怖いです」 → 確かに為替リスクはあります。でも、円だけで資産を持つのもリスクです。通貨分散の観点から、ベトナムドン建て資産を持つ意味はあります。
「FTSEの新興国市場格上げって関係ありますか?」 → 大いに関係あります。2026年9月にベトナムがFTSEの新興国市場に格上げされる可能性があります。実現すれば、海外からの資金流入が加速し、株価上昇の追い風になるでしょう。
まとめ:ベトナム株投資の新たな選択肢
「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」は、日本の投資家にとってベトナム株投資のハードルを大きく下げてくれる画期的な商品です。
国内初のベトナム株インデックスファンドとして、手軽さ、コスト、NISA対応と三拍子揃っています。ベトナム経済の成長性を考えれば、ポートフォリオの一部に組み入れる価値は十分にあるでしょう。
ただし、新興国投資特有のリスクも理解した上で、長期・分散・積立の原則を守ることが重要です。一攫千金を狙うのではなく、じっくり10年、20年かけてベトナムの成長を応援するつもりで投資してほしいです。
ハノイの街を歩いていると、この国の未来に対する期待感をひしひしと感じます。若い世代のエネルギー、インフラ整備の進展、外資企業の進出。すべてが「これから」なんです。
そんなベトナムに、「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」を通じて投資してみませんか。
いかがでしたでしょうか。今回の「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
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