CMC技術のAI新会社設立、これは本当にゲームチェンジャーになるのか?

おはようございます、ベトテク太郎です。今朝ハノイで目覚めて、いつものようにベトナム経済ニュースをチェックしていたら、CMC技術グループ(CMG)の大きなニュースが飛び込んできました。AI分野の新会社「CMCオープンAI」を設立したという発表です。

正直、最初に記事を読んだ時の率直な感想は「ついに来たか」でした。というのも、ここ2年ほどCMGの動向を注視してきた中で、明らかに何か大きな動きを準備しているのが感じられたからです。本社ビル周辺でエンジニアらしき人たちが増えているのも目に付いていましたし、知人のIT業界関係者からも「CMGが面白いことを始めるらしい」という話を聞いていました。

目次

まず気になる株価への影響

投資家として真っ先に考えるのは、やはり株価への影響ですよね。このニュースは間違いなくポジティブ材料です。特に注目したいのが2028年までの目標数字です。売上高10億USD、つまり約1,470億円を目指すということは、現在の売上規模から考えると5倍近い成長を意味します。

ベトナムIT企業でこれだけ野心的な数字を出してくるということは、相当な自信があるのでしょう。ただし、こういう大きな目標を掲げる時は、投資家としては冷静に実現可能性を見極める必要があります。

私がこの12年間ベトナムで見てきた経験では、成功する企業には共通点があります。それは「地道な準備期間」を経ているということです。CMGの場合、2019年頃からAI関連の人材採用を積極的に進めており、技術基盤も着実に構築してきました。そういう意味では、今回の発表も突然出てきた話ではなく、計画的な戦略の一環と考えられます。

新会社の事業内容を深掘りしてみる

「CMCオープンAI」という社名を見て、最初は「OpenAIのパクリ?」と思ってしまいましたが(笑)、事業内容を見ると結構本格的です。25以上のコアAI技術を持っているというのも、技術者として評価できる部分があります。

特に興味深いのは、ベトナムのデータ主権を意識した「CMC Cloud」基盤での運用です。これは実は非常に賢い戦略で、ベトナム政府や大企業が最も気にしているポイントを突いています。データを国外に出したくないという需要は、私が現地で仕事をしていても日々感じる部分です。

狙っている分野も現実的です。公共行政、教育、医療、金融など、どれもベトナムでデジタル化が急務とされている領域ばかりです。特に行政分野は、政府が2030年までにデジタル政府構築を目指している中で、大きなビジネスチャンスがありそうです。

現地から見た成功の可能性

ここからは、ベトナム現地に住んでいる者としての「肌感覚」をお話しします。

CMGという会社は、ベトナムIT業界では結構特殊なポジションにいます。FPTほど大きくはないけれど、技術力では負けていない。そして何より、政府系プロジェクトでの実績が豊富です。これは新興国投資では非常に重要な要素で、政府との良好な関係は規制リスクの軽減にもつながります。

人材確保についても、正直言ってベトナムでAI人材を大量に集めるのは簡単ではありません。でもCMGは給与水準が比較的高いことで知られており、実際に私の知人エンジニア何人かが転職しています。「働きやすい」という評判もあり、人材獲得では他社より有利な立場にあると思います。

ただし、リスクもあります。最大のリスクは技術者の獲得競争の激化です。ベトナムのIT業界全体で人材不足が深刻化しており、給与水準も年々上昇しています。1万人の従業員、しかもその40%をAI人材にするという目標は、かなりチャレンジングです。

投資戦略を考えてみる

さて、実際の投資判断ですが、私は段階的なアプローチを取ろうと思っています。

このニュースによる株価上昇は期待できますが、ベトナム株の特徴として、良いニュースが出てもすぐに大きく跳ねるとは限りません。むしろじわじわと上昇することが多いので、一気に大きなポジションを取るよりも、様子を見ながら買い増していく方が良いでしょう。

私の投資ポートフォリオでは、現在CMGの比率は5%程度ですが、このニュースを受けて12-15%まで引き上げることを検討しています。ただし、ベトナム株全体では30%を上限としているので、他の銘柄とのバランスも考慮する必要があります。

中期的には、四半期決算での進捗をしっかりと確認していきたいと思います。特に注目するのは売上成長率、AI事業の売上構成比、そして従業員数の増加ペースです。これらの数字が目標に向けて順調に推移しているかどうかが、投資継続の判断材料になります。

個人的な感想と今後の展望

12年間ベトナムに住んでいて、IT業界の成長を間近で見てきた経験から言うと、今回のCMGの動きは「次のフェーズ」への挑戦だと感じています。これまでのベトナムIT企業は、どちらかというと受託開発や人材派遣が中心でしたが、自社プロダクトで勝負する企業が増えてきています。

CMGがAI分野で成功すれば、「ベトナム発のグローバルAI企業」として国際的な注目を集める可能性があります。そうなれば株価の大幅な上昇も期待できるでしょう。

一方で、目標があまりにも野心的すぎるのではないかという懸念もあります。2028年までに売上を5倍にし、従業員を3倍以上にするというのは、相当な挑戦です。途中でつまずくリスクも十分にあります。

ただし、リスクを取らなければリターンも得られません。私としては、慎重にリスク管理をしながらも、この「ベトナムAI投資の新時代」に参加してみたいと思っています。

皆さんはどう思われますか?CMG株への投資を検討されている方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントで意見交換させてください。現地からの生の情報もお伝えできればと思います。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう。


投資判断は自己責任でお願いします。本記事は個人的な見解であり、投資を推奨するものではありません。

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